【池田充雄】第100回全国高校野球選手権茨城大会は10日目の20日、4回戦全8試合が各球場で行われた。笠間市民球場(同市箱田)の第2試合では、土浦日大が鉾田一を8-0と7回コールドで下し、準々決勝へ駒を進めた。ほかに地元勢では常総学院と霞ケ浦が勝利。土浦湖北とつくば国際大は惜しくも敗れ、16強で大会を終えた。
土浦日大、上げ潮を感じる戦いぶり
昨年の覇者、土浦日大が強さを見せつけた。立ち上がりから打線のつながりが良く、初回は先頭の鈴木健太主将が二塁打で口火を切ると、二番・木原琉位が送って1死三塁、すかさず三番・小菅康太の犠飛で先制という、お手本のような点の取り方。守備でもスキを見せず、2回表は先頭からの2連打で無死一・二塁とされるが、二塁走者は捕手・小澤礼嗣のけん制で刺殺、次打者を6-4-3のダブルプレーで打ち取り、鉾田一のチャンスを霧散させる。
二回裏は5安打で3得点の攻撃。1死二・三塁から九番・石渡耀の右前打で1点を奪うと、次打者の鈴木が右翼席へ2点本塁打。「打った瞬間、打球が上がったのを見て『行った』と思った」。前打者のとき、2人目の走者が本塁に突入し、アウトにされたことも考慮したという。「相手に流れを渡さないよう、ここで1本打っておきたかった」
3回裏にも1点を加え、4回裏は小菅の三塁打と四番・井上莞嗣の犠飛で計3点。「1・2打席の不調を3打席目で修正できた。自分のやるべきことをやり、そこに結果がついてくればいい」と小菅。
投手陣では先発の荒井勇人が5回を6安打無失点。「周りに助けられてゼロに抑えられた。球数を考え、無駄な四球を出さず、ストライクゾーンに投げることを意識した」という。テンポの良い投球が守りや打撃のリズムにも影響したようだ。最終回は左投手の清水樹が試合を締め、1年生投手の中川竜哉も公式戦のマウンドを経験できた。
次は22日、ひたちなか市民球場で第2シードの明秀日立と対戦。秋の県大会では0-16と大差で破れた相手だ。荒井はこのとき先発で1死しか取れずノックアウト。そのため「夏は絶対に勝ちたい。一番から九番まで油断できないバッターがそろっているが、一人一人集中し、全員三振させるつもりで行く」とリベンジに燃える。鈴木主将も「打線が勢いを取り戻し、投手陣も無失点で、全員がいい状態で入れるようになってきた。秋は打ち負けたので打ち勝ちたい。しっかり守ってリズムを作っていきたい」と高い気概を見せた。
第100回全国高校野球選手権茨城大会 4回戦(7月20日、笠間市民球場)
※7回コールド
バッテリー
鉾田一:大和田-大貫
土浦日大:荒井、中川竜、清水-小澤
長打(すべて土浦日大)
本塁打:鈴木
三塁打:小菅
二塁打:鈴木、大賀、鶴見、小澤