水曜日, 11月 30, 2022
ホーム つくば 入居拒まない住宅を普及へ つくばに住居確保支援団体 県内初

入居拒まない住宅を普及へ つくばに住居確保支援団体 県内初

【鈴木宏子】入居を拒まれがちな一人暮らしの高齢者や障害者がアパートなどに入居できるよう支援し、併せて入居者が地域で自立生活を送れるよう支援のネットワークをつくろうと、つくば市で、住まい確保を支援する団体の設立準備が進められている。

一般社団法人「LANS(ライフ・アシスト・ネットワーク・サービス」(つくば市二の宮)で、引きこもりの若者の自立支援をしているつくば市のNPO若年者社会参加支援普及協会アストリンク理事長、浅井和幸さん(46)▽土浦市真鍋や阿見町岡崎で福祉アパートを経営する土浦市の会社員、鈴木一也さん(36)▽つくば市の県議、田村佳子さん(64)の3人が準備を進める。7月初めに法人として設立見込みで、浅井さんが理事長に就任する予定だ。

高齢者や障害者のほか、住宅確保が難しい低所得者、母子家庭、DV(配偶者や恋人からの暴力)被害者、児童養護施設退所者などを支援する。空き家や空き室を活用して、入居を拒まない住宅を登録する住宅セーフティネット法が昨年10月に改正されたのを受けて、県内初の「住宅確保要配慮者居住支援法人」を目指すという。

今年2月、浅井さんが主催する福祉勉強会で、鈴木さんが、自ら経営する福祉アパートの取り組みを報告したのがきっかけ。鈴木さんは独自に経営方法を学び、高齢の入居者が転倒しないよう室内に手すりを取り付けたり、火事を起こさないよう直火を使わないIHコンロやエアコンなどの家電品をあらかじめ備え付けたりしている。さらに介護や医療、行政の支援が必要な入居者には、関係者と共に支援のネットワークをつくっている。

LANSでは、長く福祉相談に携わってきた浅井さん、福祉アパート経営のノウハウがある鈴木さん、行政や関係機関へのネットワークがある田村さんの経験をもとに、住まいに関する生活相談窓口を開いたり、不動産会社や福祉・医療団体、行政などと情報交換会を開いたり、国や自治体の補助制度を勉強などする。さらに関係機関の調整役となって、入居希望者の住まい探しを手伝ったり、見守りをしたり、不動産会社などに入居を拒まない住宅確保を働き掛けるなどしていくという。

ほかに、つくば市内の空き家だった一戸建て住宅を借りてシェアハウスとして運営し、緊急の住まいや、一時的避難所などとして利用してもらう。

浅井さんは「住宅確保が困難な人と何が必要か相談し、サービスをくっつけて、一人ひとりに合わせた支援のネットワークをつくっていきたい」と述べ、鈴木さんは「(入居者の要望に合わせ)ひと手間かけて入居してもらう大家さんを増やしたい」と話している。

◆住まいの生活相談窓口は月2回、2カ所で開催①毎週第3水曜午前10時~12時=つくば市研究学園、筑波銀行つくば副都心支店セミナールーム②毎月第3土曜午後1時30分~4時=かすみがうら市下稲吉、地域福祉センターやまゆり館▽シェアハウスの家賃は月額約2万5000円など▽問い合わせは電話080・1018・7670(浅井さん)、メールasai-kazu@sinri-soudan.com

つくば市内のシェアハウス

スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

国家資格「愛玩動物看護師」育成へ学習環境整う つくば国際ペット専門学校に動物医療センター

つくば国際ペット専門学校(つくば市沼田、東郷治久理事長、学生数約400人)に動物医療センターが29日、完成した。来年から始まる新たな国家資格「愛玩動物看護師」を育成する実習施設で、隣接する犬のテーマパーク「つくばわんわんランド」や、老犬老猫ホームひまわり、同校の学生1人に1匹手渡されるパートナードックなど計約1000匹の健康管理を一手に担う。 グループ法人が運営するつくばわんわんランド内に建設された。センターは木造2階建て、延床面積434平方メートル。1階に検査室、処置室、手術室、レントゲン室、入院室を備え、2階は大教室になる。スタッフは獣医師4人と動物看護師7人。 動物医療センター1階室内。医療機器などの搬入はこれから 愛玩動物看護師は今年5月施行の愛玩動物看護師法に基づき新たにつくられた国家資格で、来年2月に初の国家試験が実施される。これまで民間資格だけだったが、業務の幅が広がり、新たに採血、投薬、マイクロチップ挿入などが医師の指導の下でできるようになる。受験資格を得るには大学または専門学校などで3年以上勉強することが必要。 新たな国家資格創設を見据え、同校では2年前に3年制の愛玩動物看護師コースを新設した。学生はこれまで、既存の校舎内にある付属動物病院「つくば獣医診療センター」で実習してきた。今回完成した動物医療センターは、既存のセンターの2倍近い広さがあるという。 今後、新センターにレントゲン装置や超音波診断装置などの機材や設備を運び入れた後、新センターでの実習を開始する。

新治本店を復活させる 土浦駅ビル内の佐藤酒店4代目【キーパーソン】

土浦駅ビル「プレイアトレ土浦」2階。書店、焼き芋店、どら焼き店、パン店が並ぶフロアーに、軽く飲食もできる酒類販売店がある。土浦市新治地区の商業施設にも出店していた佐藤酒店だ。29歳の4代目店主、佐藤栄介さんが、長く閉めていた本店(新治地区沢辺)を近くリニューアル開店させると知り、若い店主に酒屋への思いを聞いた。 「土浦小町」「土浦梅酒」が並ぶ アトレ店では、茨城県内で造られる日本酒、焼酎、クラフトビール、ワイン、リキュール、つまみ類だけを販売しており、全国ブランドの酒類は扱っていない。酒は売るだけでなく、レジを別にしたスタンドで飲めるようにしてある。JR常磐線利用者の「軽く一杯」には好都合で、書店や和菓子店などと同居する面白い空間だ。「もっと飲みたい」客には、駅周辺の店を紹介する。 「アトレ店を開いたのは2019年12月。駅ビルに星野リゾートBEB5土浦がプレオープンする半年前だ。星野を核にアトレをサイクリングリゾートの拠点にしようと企画するJR(アトレを経営)、茨城県(自転車観光を振興)、土浦市(駅周辺商業を振興)から『茨城の酒を売る店も入れたい』とオファーがあり、引き受けた。JR・県・市の狙いと、うちが大事にしている地元酒が合致したからだ」 プレイアトレ土浦内の佐藤酒店 左は酒類売店、右は飲酒コーナー

茨城の陶芸家 荒田耕治先生と 《令和楽学ラボ》21

【コラム・川上美智子】荒田耕治先生の作品との出会いは、結婚して東京から茨城に移り住んだ1970年春のこと、笠間の佐白山(さしろさん)の麓で開かれていた陶芸市をのぞいたときでした。内側がチタンマット、外側が黒釉彩(こくゆうさい)の洗練された素敵なコーヒーカップのセットを見つけ購入しました。新聞紙に包んでくれた係の人が、「荒田耕治さん」という笠間の若手ホープ作家が焼いたものだよと教えてくれました。 当時、先生はまだ32歳で県窯業指導所を終了し、笠間に築窯されたばかりの頃だったようです。実際に、荒田先生にお目にかかったのは、2005年、国民文化祭茨城県実行委員会で一緒に企画委員をしたときでした。 それがご縁で、2009年、国民文化祭が終了した年に、荒田耕治先生の陶芸教室でご指導を頂くことになりました。以来15年間、茨城県美術展覧会と水戸市芸術祭美術展覧会に連続入選することができ、先生のご指導のおかげで奨励賞や市議会議長賞などの賞も頂き、すっかり陶芸にはまってしまいました。 土をこね、土と向き合い大きな壺(つぼ)や花器に仕上げる工程は、もろもろのことを忘れ手仕事に没頭できる貴重な時間です。手を動かすことで、脳も心も浄化されるのを感じます。そのような大切な機会を与えてくれたのが荒田先生との出会いでした。 先生も、ご自分の作品とは異なる新しい形、思いがけないものが出来上がるのを楽しみにしてくれていたようです。手ひねりで大きな作品を作る手法を、この15年間でしっかり学ぶことができ、そろそろ個展を開いて、先生に見て頂きたいと思っていた矢先の、とても残念な先生のご逝去でした。 伝統工芸の第一人者として活躍

県立下館一高付属中、つくばで特別授業 関彰商事の取り組み学ぶ

県立下館一高付属中学校(筑西市)の特別授業が28日つくば市内で催され、1年生40人が関彰商事(本社・筑西市、つくば市)社員らと交流しながら、同社のダイバーシティー(多様性)などの取り組みについて学んだ。 同付属中は、中高一貫教育のため2020年に下館一高に併設された。特別授業は、地域企業の取り組みを知って、地域の実態や特徴、課題について理解を深めようと、同校の探求活動の一環で実施された。 関彰商事は1908(明治41)年に筑西市(当時、下館町)で創業した。関正樹社長は県立下館一高出身で、現在、筑西市とつくば市に本社がある。 経営者としての心得を話す関正樹社長 特別授業はつくば国際会議場で実施された。関社長は「卒業生としてとてもうれしい。(下館一高に)通っていた時は自分がこうなるとは思ってなかった」とあいさつ。「関彰商事は来年、創業115年を迎え、グループ売り上げは1600億円。百年以上続いて、売り上げ1000億円以上の会社は県内でうちだけだが、じゃあこれからも続くかは分からない(というのが経営の世界)。事実として、115歳になり、売り上げ1600億円ということがあるだけ」と経営者としての心得を語り、「生きていく上で(自身が)経験したことはすべて自分のためになっている。とにかく前を向いて、後ろに下がってもいいからちょっとずつ前に進めて、いろんな経験をしていただきたい」などと呼び掛けた。 続いて米国ロサンゼルス出身で、社内のSDGs(持続的な開発目標)教育などを担当する総合企画部のタニ・ジェイミー・アズサさんが、同社のSDGsやダイバーシティーの取り組みなどについて説明し、外国籍社員が現在2328人中34人、障害をもつ社員が35人いることなどを話した。さらに、新型コロナの影響、温暖化対策、ウェルビーイング(心身の健康)の取り組みなどテーマごとに5つのグループに分かれて、仕事や生き方について社員と話し合った。