【鈴木萬里子】開発途上国から来日し国際協力機構筑波国際センター(JICA筑波、つくば市高野台)で日本の農業技術を学ぶ各国の研修員が指導員となって「JICA筑波田植祭り(さなぶり)」が12日、同センター内の水田で行われた。県内外から200人を超える家族連れなどが参加し、研修員と交流しながら田植えを体験した。
参加者は説明を受けた後、一斉に田んぼの中に入り、稲の品種「日本晴」の苗を手で植え付けていった。笠間市の鴻巣暢子さん(35)は長男楢大ちゃん(2)と参加。「自然に興味がある子なので、意外と出来たと思う。楽しかった」と話した。息子の悠太ちゃん(7)と参加したつくば市二の宮の永井静香さんは「世界にはいろいろな人種や言語があるのを息子に知ってほしい。田植えに来て研修員と触れ合うことができ国際交流になるのが良いですね」と話した。
研修員でパプアニューギニア出身のベン・ローヤルさんは「日本では田植えの経験がない若い人や子どもが多いのが面白い。今日は日本の人々とふれ合えて楽しかった」と話していた。
田植えの後は、アフリカ、ケニアの代表的な豆のシチュー「ギゼリ」の試食が行われた。本来は辛い料理だが子どもの参加者が多いため、だれでも食べやすい味にアレンジした。田植えで汗をかいた後に味わう異国の料理に「おいしい」を連発する参加者が多かった。
JICA筑波では毎年800人以上の研修員を受け入れ、その7割が農業技術を学んでいるという。