今大会、優勝候補筆頭の常総学院が準決勝で敗れた。第107回全国高校野球選手権茨城大会は25日、ノーブルホーム水戸で準決勝2試合が行われ、常総学院は藤代に2ー4で敗れた。
25日 準決勝 第1試合 ノーブルホーム水戸
常総学院 100000010 2
藤 代 10102000× 4
常総学院はここまでの4戦全てコールド勝ちと、圧倒的な強さで勝ち進んできた。藤代は23日の準々決勝で、茨城大会では47年振りに完全試合を達成したプロ注目の水戸啓明の最速右腕、中山優人を打ち崩し準決勝に挑んだ。

常総学院は初回に藤代先発のエース斉藤駿介から、先頭の浜崎怜央がセンター前ヒットで出塁。「いつも通りのスイングで低めの直球を振り抜いた」と浜崎。続く渡辺康太がバントで送り、1死2塁で佐藤剛希がレフト前へタイムリーヒットを放ち先制する。

その裏藤代も、常総学院先発のエース小澤頼人の立ち上がりを攻め、2本のヒットで1死1、3塁とすると、佐々木陸大がレフト前へタイムリーヒットを放ち同点に追いつく。
小澤は今大会初めて失点を許すと、3回には2死後永野快飛にライトオーバーのスリーベースヒット、石岡遼清にレフトへタイムリーヒットを打たれ2−1と逆転され藤代が勝ち越した。

5回、常総学院は浜崎のヒットで出塁すると、渡辺が四球を選び、1死1、2塁のチャンス。しかし続く佐藤剛希がピッチャーランナーで、2塁走者浜崎が飛び出しアウト。チャンスを逃した。

その裏藤代は2点を追加し突き放す。反撃に出たい常総学院は8回1死から柳光璃青がスリーベースヒットで出塁すると、小澤頼人がライトへの犠牲フライで1点を返すものの、9回は水口煌太朗、荒沼暖人と、有川志裕に代わる代打柴田隼里が倒れ、4年ぶりの決勝進出はかなわなかった。

藤代は春の大会準決勝で常総学院に敗れたリベンジを果たし、今大会ここまでわずか1失点だった常総学院から9安打、4得点を挙げた。優勝した2014年以来の決勝進出となる。
先発した常総学院の小澤頼人は「調子は悪くなかったが最後の決め球が甘く入ってしまった。辛いこともあったが仲間たちと支えあって出来た。最高の仲間たちだった」と常総学院での野球生活を振り返った。浜崎怜央主将は「初回に先制したが自分たちのペースにもっていけなかった。内容は悪く無かったし力は出し切った。藤代とは春に対戦し苦手意識は無かったが、(藤代先発の)斉藤駿介にしっかりコースを決められた」と話した。

島田直也監督は「チャンスをものにした藤代の執念が強かった。小澤は最後まで小澤らしいピッチングをしてくれたし悪い球は投げていなかった。今日の試合は紙一重だったがツキがなかった。今年のチームは昨年よりは力がないチームだった。正直ここまで出来るとは思ってなかったが、浜崎主将の、何とかしたいという必死さを感じた試合結果で、高校野球を見せてもらった。負けたのは自分のせいで選手は力を出せた」と涙ぐんで話した。(高橋浩一)