つくば市と東日本高速道路(NEXCO東日本)関東支社が整備を進めてきた圏央道(首都圏中央連絡自動車道)つくば西スマートインターチェンジ(IC)が23日午後3時に開通した(24年12月13日)。ETC(電子料金収受システム)専用で24時間利用可能。これに先立ち同日午前10時から開通記念式典が催された。
式典には関係者ら約90人が出席。五十嵐立青つくば市長は「このスマートICはただの出入口ではなく未来への扉だと思っている。この場所から始まるつくばの物語を共に紡いでいきましょう」とあいさつした。NEXCO東日本の松崎敏博関東支社長は「県内の圏央道では初のスマートIC。今回の開通によりつくばのアクセスは当然向上するが、それに伴いつくば市そのものが持っているポテンシャルが県土全体に行き渡り、県全体の発展に大きく寄与していくのではないか」と期待を述べた。

つくば西スマートICが設置されたのはつくば市島名地内。圏央道つくば中央ICから西へ約4キロ、同常総ICから東へ約7キロの地点にあり、埼玉方面に向かう内回り線は県道つくば真岡線バイパスに、成田方面に向かう外回り線は県道土浦坂東線バイパスに接続する。
これまで、つくば中央IC-常総IC間は圏央道の中でも2番目に長い区間とされていた。つくば西スマートICが開通したことで、つくばエクスプレス(TX)沿線の上河原崎・中西地区や島名・福田坪地区、また周辺の工業団地などから圏央道へのアクセスは飛躍的に向上する。同ICに10分以内で到達できる圏域の人口増加は、将来推計で約1万人に達すると見込まれている。

TX万博記念公園駅からも約1キロ圏内と近く、周辺には住宅や商業施設などが隣接し、物流のみならず通勤通学や生活道路として利用されている一般道路が複数交差する。
観光では、筑波山には年間200万人を超える来訪者があるが、県外から筑波山周辺地域を訪れる際に、同ICを経由したルートが加わることで、市中心部の主要渋滞箇所を回避した周遊ルートが可能になり、筑波山までの所要時間も短縮される。
鬼怒川・小貝川の水害に対する備えでは、浸水想定区域内にある常総ICに代わり、第1次緊急輸送路である圏央道から指定避難所へのアクセスを容易にすることで、救援活動や緊急物資輸送を迅速化し防災機能の強化にも寄与するとされる。
整備については2017年8月に事業化され、22年8月から工事が進められてきた。県内では友部サービスエリア、水戸北、東海パーキングエリア、石岡小美玉に次ぐ5カ所目のスマートICになる。(池田充雄)