水曜日, 2月 26, 2025
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関彰商事アスリート社員、視覚障害者向け歩行ナビを体験

ホンダ 自動運転の技術者が開発

関彰商事つくばオフィス(つくば市二の宮)で働くアスリート社員で、視覚障害者の山口凌河さん(28)と高橋利恵子さん(26)の2人が25日、靴に装着して目的地を足の振動で案内する視覚障害者向け歩行ナビゲーションデバイス「あしらせ」を体験し、実際につくばオフィス周辺を歩いた。

本田技研で電気自動車や自動運転の開発に携わった技術者の千野歩さんが開発した。千野さんは同社の新事業創出プログラム第1号として、ホンダ発ベンチャー「Ashirase(あしらせ)」(東京都港区、千野社長)を2021年に創業し機器を販売している。位置情報の誤差の補正や、視覚障害者が歩きやすいルートの選定には車の自動運転技術を応用している。

「あしらせ」は、スマートフォンのアプリと、靴に装着する機器が連動して動く。スマホのアプリに目的地を伝えれば、靴の両足の甲部分に取り付けた機器から足に振動が伝わり、目的地まで案内する。次の角で右に曲がる場合は右側の足だけが振動し、曲がり角が近づくにつれて振動の間隔が短くなる。曲がり角では振動が大きくなって曲がることを知らせる。行き過ぎてしまった場合や、進む向きを間違った場合はかかと部分が振動して知らせる。

機器は長さ約23センチ、重さ約55グラム、防水性能があり、1回2時間ほどの充電で靴に装着したまま1週間ほど連続して利用できる。視覚障害者は耳や白杖で周囲の状況を確認していることから、耳と白杖に機器を取り付けるのを避けた。

靴に装着して使用する歩行ナビゲーションデバイス「あしらせ」(手前)

道案内の機能のほかに、日ごろ歩くルートを記録して自分だけのマイルートを作成し保存できる。目的地に到着しても入り口がどこにあるか分からない場合は、店の風景をスマホで写真に撮ると、入り口がどこにあるかや人や車がどのように行き来しているかを音声で教えてくれる。スマホのアプリに「近くのラーメン店に行きたい」と伝えると、店の情報を生成AIがインターネット上で集め、店の評判や混雑状況などを音声で教えてくれる機能もある。

千野社長によると開発のきっかけは、千野社長の妻の祖母が目が不自由で、川の横を歩いていた際、川に落ちて死亡した出来事からだという。

体験会で山口さんと高橋さんはそれぞれ機器を靴に装着し、白杖を付いて、つくばオフィスから近くのコンビニまで歩いた。山口さんは「便利。今まで一人で行ったことがないお店も一人で行けるようになると思う」と感想を話し、高橋さんは「今まで耳で入っていた情報が、足からも入ってくるようになる。使いやすかった」などと話していた。

靴に「あしらせ」を装着し、足の振動による案内でオフィス近くのコンビニに向かう高橋利恵子さん(右)

山口さんと高橋さんはいずれもパラリンピック競技のゴールボールの選手で、山口さんは東京パラリンピック、高橋さんは東京とパリパラリンピックに日本代表として出場した。高橋さんは東京パラリンピックで銅メダルを獲得した。「あしらせ」が新聞記事で紹介され社内で話題になったことから、今回、体験会を申し込み実現した。

千野社長(39)は「若くスポーツ選手だからか、2人とも操作方法も含めて理解が早い」と話し、「アスリートと連携することで、よりエネルギーを大きくしていけたら」と語った。今年秋にはイギリスとスペインでも販売予定という。

◆「あしらせ」の本体価格は5万4000円(消費税非課税)。市町村によって購入補助制度が活用できる。詳しくは同社ホームページへ。

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