水曜日, 9月 3, 2025
ホームスポーツSVリーグがつくばで初の公式戦 リヴァーレ茨城は連敗

SVリーグがつくばで初の公式戦 リヴァーレ茨城は連敗

筑波大出身選手が活躍

バレーボールの日本最高峰リーグ、SVリーグ女子の公式戦が22、23日の2日間、つくば市竹園、つくばカピオで初めて開催された。ひたちなか市を本拠地とし筑波大出身選手2人を擁するAstemo(アステモ)リヴァーレ茨城がヴィクトリーナ姫路と対戦、リヴァーレは2連敗した。ヴィクトリーナは、筑波大出身で日本代表の井上愛里沙が攻守にわたり活躍した。

大同生命SVリーグ2024-25女子第3節 2025年2月23日@つくばカピオ
Astemoリヴァーレ茨城 1-3 ヴィクトリーナ姫路
18ー25
18ー25
25ー23
24ー26

第1セット、多彩なトスをあげる筑波大出身の倉田朱里

SVリーグ女子は全14チームが各44試合をホームアンドアウェー方式で対戦する。上位8チームがチャンピオンシップに進出し、2戦先勝のトーナメントで頂点を狙う。22日はリヴァーレがセットカウント1-3でヴィクトリーナに敗れた。

続く23日の試合、リヴァーレは第1セットをヴィクトリーナに先取され、第2セットもヴィクトリーナにリードを許す苦しい展開。リヴァーレは、マッケンジーメイ、長内美和子を中心に果敢に攻め逆転するも、ヴィクトリーナの攻撃を止めることが出来ず、続けてセットを失う。

第1セット、スパイクを放つ佐藤黎香

このままでは終われないリヴァーレは、第3セットに一進一退の攻防から何とか意地を見せ、オクム大庭冬美ハウィのサービスエースに佐藤黎香のアタックで流れをつかむと、最後は長内が決めて1セットを取り返した。

第4セットは筑波大出身の高間来瞳がサービスエースを決め、ジュースに持ち込み、粘りを魅せると、会場に詰めかけた751人の観客を大いに盛り上げたが、ヴィクトリーナの攻撃を止めることが出来ず、セットカウント1-3で敗れ、連敗となった。

第2セット、得点を決め喜ぶリヴァーレの選手たち

試合後、リヴァーレの長内美和子は「昨日の敗戦から具体的にチームの攻撃をどうするか、コミニケーションをとり、変化をつけられたことは良かったが、それが勝ちにつながらなかったのが悔しい。残りのレギュラーラウンドを一戦一戦しっかり戦い抜きたい。変化をつけてプラスに向いた部分はあったので、試合を通じてチームとして成長していきたいし、個人としても課題としっかり向き合うことが必要」とチャンピオンシップ進出を目指し、力を込めた。

中谷宏大監督は「ホームで2連敗して悔しい。いろいろな面で力が足りなかったと思う。1、2セット目の状況から、選手は解決策を自分たちで生み出そうとして少しずつに前に進めた。今日のゲームの中で成長できたと思う。今後のプレーオフ進出を目指しての戦いでは、8位以内に入ることを最低限果たさなければならない。あと12試合を一戦一戦、どう試合に挑むか、目の前の試合に集中したい」と語った。

試合前、コートに整列するリヴァーレ茨城の選手たち

お世話になった多くの人が応援

大学時代をつくばで過ごしたリヴァーレ茨城の高間来瞳は「大学の時に見慣れた景色を見て大学時代を思い出し、気が引き締まる思いだった」と語り、1学年後輩の倉田朱里も「駅、街の雰囲気、景色を見て、久しぶりに帰ってきて良い意味で気が引き締まった。大学時代にけがで附属病院でお世話になった先生方、ママさんバレーの皆さんが見に来てくれていたので、コートの中でプレーする姿を見せることが出来て良かった」と話した。

筑波大出身で2022年に日本代表に選出され、昨年、ヴィクトリーナ姫路をVリーグ2部で優勝、昨年12月の皇后杯を優勝に導いた井上愛里沙は「大学時代を過ごし懐かしい。多くの方が応援に来てくれて大学時代に学んだつくばで筑波大出身の(高間来瞳と倉田朱里の)後輩と対戦できてうれしい」と語った。

第3セット、スパイクを打つヴィクトリーナの井上愛里沙(黒のユニフォーム)

リヴァーレ茨城の通算成績は17勝15敗で順位は8位。レギュラーラウンドは4月13日まで続く。(高橋浩一)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

1コメント

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

1 Comment
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

下水道使用料引き上げなど提案 つくば市 水道料金に続き2年連続

9月議会が開会 つくば市議会9月定例会議が2日開会。五十嵐立青市長は、来年4月から下水道使用料を平均18.1%引き上げる条例改正案など議案32件、認定6件、報告12件の計50件を提案した。 下水道使用料の引き上げが議会で可決されれば、2006年8月以来、20年ぶりの引き上げになる。一方、同市では今年4月、水道料金が平均15%引き上げられたばかり(24年7月30日付、9月3日付、10月4日付)。市民は水道料金と下水道使用料を2カ月ごとに合算して支払っており、2年連続で上下水道料金が引き上げられることになる。 7月30日に市上下水道審議会(会長・白川直樹筑波大システム情報系准教授)から五十嵐市長に下水道使用料の引き上げを求める答申が出され、答申通りの額が議会に提案された。 引き上げ額は、利用者全世帯が一律で支払う「基本使用料」が現在の550円から3.4倍の1870円に引き上げられる。使用水量に応じて支払う「従量使用料」はこれまで三つの区分だったが、1人世帯など小口利用者の負担増を緩和するため10立方メートル以下の区分を新たに設けて区分を四つにし、1立方メートル当たりの従量使用料を10円ずつ(税抜き)引き上げる。 世帯別の引き上げ後の下水道使用料の目安は、1人世帯が2カ月分で現在の1980円から38.9%値上げとなる2750円、2人世帯が3410円から25.8%値上げの4290円、3~4人世帯が6270円から17.5%値上げの7370円になる見通しだ(いずれも消費税込み)。 同市では2024年10月に中長期の経営基本計画「市下水道事業経営戦略」を策定し、将来にわたり安定的に事業を継続していくため、26年度に平均20%、31年度に17%下水道使用料の引き上げを行うとしていた。 実際の引き上げ額の検討については25年1~7月に市上水道審議会を開催し、経営戦略の値上げ計画通り、来年4月からの値上げを答申した。ただし平均引き上げ額は経営戦略の20%から18.1%になるという。 市下水道総務課によると、2024年度の下水道事業の1年間の経営成績である収益的収入は105億1000万円、それに対し収益的支出は98億2000万円と6億9000万円の黒字だ。市によると黒字なのは、総務省が定める基準を超える6億9000万円を市独自に一般会計から繰り入れているためで、6億9000万円の基準外繰入金のうち5億円を削減したいとする。基準外繰入金の内訳は、汚水以外の雨水や地下水など不明水の処理費が4億4000万円、雨水施設の建設負担金等が2億5000万円。一方、下水道施設への投資である24年度の資本的収入は37億2000万円なのに対し、資本的支出は55億3000万円と、借金である企業債に頼っている状況があるという。 こうした状況から、市の下水道事業の課題として①経費の回収率が98.5%で、汚水処理費を下水道使用料でまかなえてない原価割れの状況がある②汚水処理は利用者の使用料でまかない、雨水処理は公費でまかなうという原則を超えて、汚水処理を一般会計からの繰入金に依存している➂施設への投資を企業債に依存しており、30年後には企業債残高が現在の350億円から2倍以上の766億円になるーなどの課題があり、今後さらに下水道未整備地区への敷設や、管路の老朽化対策などが求められることから、課題を解消するために引き上げが必要だなどとしている。 引き上げられれば、つくば市の下水道使用料は県内47団体(市町村ほか)のうち、10㎥の使用料は43番目だったのが28番目に高くなり、20㎥は9番目から4番目に高くなる。40㎥は21番目から6番目に高い使用料となる。(鈴木宏子)

ひろしまのピカ《くずかごの唄》151

【コラム・奥井登美子】私が宝物にしている絵本がある。丸木位里さんと丸木俊さんの、2人のサインの入った「ひろしまのピカ」だ。 「私には子供がいないから孫もいません。でも、これは、孫たちへの遺言なのです。描いたり、消したり、破ったり、ずいぶん長い間かかってしあげました。丸木俊」と、後書きにある。 丸木位里さんの故郷は広島市。広島に原子爆弾が落ちたという報道で、やっと手に入れた汽車の切符で、ふるさとについたとき、広島市は文字通り死の街となってしまっていた、という。 1945年8月6日。世界で初めての原爆は、想像を絶する放射性熱線と爆風によって、広島市民35万人のうち10万人以上の命を奪った。 一般の市民は、戦争中のあくどく強い報道規制で、写真機など、報道につながるものを持って行けなかった。カメラを持っていただけで、警察に連れていかれてしまう。 焼け焦げた残骸だらけの街。何もない中、放射線の熱線を浴び、心臓は細々と機能しているのに皮膚がベロベロに焼け、垂れ下がってしまっている人たち。顔の皮膚、手の皮膚、皮膚がたれ下がったまま、よたよたと歩いている人たち。 放射線を浴びた人間の究極の姿を、丸木位里・俊夫妻は、現実に、自分の目で見てしまったのだ。写真などない中、位里さんはやや抽象的な水墨画、俊さんはそれを油絵に描いた。 うちの2階で丸木位里・俊展 2人はその絵をぐるぐる巻きの巻紙にして、世界中を回って歩いた。土浦にも来てくださった。薬局2階の画廊で、「丸木位里・俊展」。お2人は我が家に泊まり、楽しい時を過ごすことができた。人間の究極の悲劇を見てしまった人の深い優しさは、格別の味がある。 私が霞ケ浦湖岸の葦(アシ)を刈り取って、その繊維で作った粗末な和紙をお見せしたら、俊さんが河童(カッパ)の絵を画いてくださった。私のコラムのイラストの元絵は、この河童たちなのである。(随筆家、薬剤師)

市役所の壁突き破り「つちまる」現る 土浦駅前

新たな撮影スポットに 土浦駅西口前の市役所1階の壁を突き破って1日、同市のイメージキャラクター「つちまる」が現れた。駅前の新たな撮影スポットにしてもらおうと描かれたトリックアートで、高さ3.2メートル、幅3.5メートルのつちまるが、壁を突き破って出てきたかのように描かれている。 トリックアートの制作で知られる企画制作会社エス・デー(栃木県那須町)のアートディレクター、赤塚博文さんが描き、1日お披露目された。赤塚さんは昨年、市役所1階のシャッターに、つちまるがシャッターを持ち上げているようなトリックアートを描いた。今回は2作品目で、つちまるは昨年の2倍の大きさ。駅前のバスターミナルや駅と市役所を結ぶペデストリアンデッキからも見ることができる。事業費は55万円。 中心市街地の活性化に取り組んでいる同市は2016年から、高校生らが空き店舗のシャッターに絵を描く取り組みを実施し、これまで5作品が描かれた。今年1月にはTBSテレビ「プレバト!!」の番組企画で、同市川口のショッピングモール「モール505」の空き店舗のシャッターに芸能人らが絵を描き、テレビ放送され「相当な人が見に訪れた」(市商工観光課)。 安藤真理子市長は「プレバトで芸能人の皆さんがモール505に描いたスプレーアートや、土浦駅前通りに高校生が描いたシャッターアートと併せて、駅前のつちまるのトリックアートを楽しんでほしい」と話す。 列車に乗るため駅に着き、完成したつちまるのトリックアートを見た市内に住む女子大学生は「つちまるがちゃんと飛び出しているように見える。かわいい」と話していた。

筑波大・図書館情報系講師の大庭さん《ふるほんや見聞記》8

【コラム・岡田富朗】筑波大学の図書館情報メディア系講師を務める大庭一郎(おおば いちろう)さんは、図書館情報大学(現・筑波大)大学院・図書館情報学研究科(修士課程)を修了後、海外での経験も経て、筑波大の教員として教壇に立ち、「図書館情報学」という領域の教育と研究に携わっています。 大庭さんと図書館との出合いは、熊本で通っていた小学校でした。そこには珍しく2つの図書館があり、紙の書籍だけでなく、教育番組などを収録したカセットテープの音声資料も収蔵されていました。本を読むことも好きでしたが、それ以上に、さまざまな資料にアクセスできる図書館という場所に興味を持ちました。 大庭さんは現在、「記録による知識共有の重要性」を理解し、「知識共有の制度や技術」に熟知した人材養成をしています。共著に、『図書館情報学を学ぶ人のために』(世界思想社、2017)、『読書教育の未来』(ひつじ書房、2019)などがあります。 壺井栄『二十四の瞳』展 軽井沢タリアセン内の旧朝吹山荘「睡鳩荘(すいきゅうそう)」で開催された特別展「戦後80年 壺井栄『二十四の瞳』~図書館情報学の世界から~」(6月28日~8月31日)は、大庭さんの企画・資料協力により実現しました。 戦争と平和を見つめる文学作品として、親から孫の3世代にわたり読み継がれてきた壷井栄(1899~1967)の小説『二十四の瞳』(1952)を、図書館情報学の視点で収集された網羅的コレクションによって、多角的に紹介。壺井栄は1956年に中軽井沢に山荘を建てて以降、晩年まで毎年5月から11月ごろまで山荘で仕事をしていた、軽井沢にゆかりの深い文学者です。 この企画では、①直筆原稿(複製)②作品の初出掲載雑誌③初版本から各種の単行本・全集・児童書④研究書・研究論文⑤映画化・テレビ番組化された映像資料⑥映像資料の脚本・シナリオ・スチール写真⑦海外で翻訳出版された図書⑧『二十四の瞳』に関する観光グッズ―などの資料が一堂に展示されました。 昨年秋に同会場で開催された展覧会「石井桃子とクマのプーさんの世界」は、大庭さんの貴重なコレクションの提供を受けて実現しました。 ヴォーリズが設計した山荘 展示会が開かれた「睡鳩荘」は、軽井沢別荘建築史の中でも最上質なものとされています。1931(昭和6)年にW.M.ヴォーリズの設計により建てられ、帝国生命や三越の社長をつとめた朝吹常吉の別荘であったのち、常吉の長女でありフランス文学者でも有名な朝吹登水子が夏場を過ごすための山荘としてこの建物を引き継いで使用しました。2008年に軽井沢タリアセンに移築され、現在一般公開されています。(ブックセンター・キャンパス店主)