月曜日, 2月 24, 2025
ホームスポーツSVリーグがつくばで初の公式戦 リヴァーレ茨城は連敗

SVリーグがつくばで初の公式戦 リヴァーレ茨城は連敗

筑波大出身選手が活躍

バレーボールの日本最高峰リーグ、SVリーグ女子の公式戦が22、23日の2日間、つくば市竹園、つくばカピオで初めて開催された。ひたちなか市を本拠地とし筑波大出身選手2人を擁するAstemo(アステモ)リヴァーレ茨城がヴィクリーナ姫路と対戦、リヴァーレは2連敗した。ヴィクリーナは、筑波大出身で日本代表の井上愛里沙が攻守にわたり活躍した。

大同生命SVリーグ2024-25女子第3節 2025年2月23日@つくばカピオ
Astemoリヴァーレ茨城 1-3 ヴィクリーナ姫路
18ー25
18ー25
25ー23
24ー26

第1セット、多彩なトスをあげる筑波大出身の倉田朱里

SVリーグ女子は全14チームが各44試合をホームアンドアウェー方式で対戦する。上位8チームがチャンピオンシップに進出し、2戦先勝のトーナメントで頂点を狙う。22日はリヴァーレがセットカウント1-3でヴィクリーナに敗れた。

続く23日の試合、リヴァーレは第1セットをヴィクリーナに先取され、第2セットもヴィクリーナにリードを許す苦しい展開。リヴァーレは、マッケンジーメイ、長内美和子を中心に果敢に攻め逆転するも、ヴィクリーナの攻撃を止めることが出来ず、続けてセットを失う。

第1セット、スパイクを放つ佐藤黎香

このままでは終われないリヴァーレは、第3セットに一進一退の攻防から何とか意地を見せ、オクム大庭冬美ハウィのサービスエースに佐藤黎香のアタックで流れをつかむと、最後は長内が決めて1セットを取り返した。

第4セットは筑波大出身の高間来瞳がサービスエースを決め、ジュースに持ち込み、粘りを魅せると、会場に詰めかけた751人の観客を大いに盛り上げたが、ヴィクリーナの攻撃を止めることが出来ず、セットカウント1-3で敗れ、連敗となった。

第2セット、得点を決め喜ぶリヴァーレの選手たち

試合後、リヴァーレの長内美和子は「昨日の敗戦から具体的にチームの攻撃をどうするか、コミニケーションをとり、変化をつけられたことは良かったが、それが勝ちにつながらなかったのが悔しい。残りのレギュラーラウンドを一戦一戦しっかり戦い抜きたい。変化をつけてプラスに向いた部分はあったので、試合を通じてチームとして成長していきたいし、個人としても課題としっかり向き合うことが必要」とチャンピオンシップ進出を目指し、力を込めた。

中谷宏大監督は「ホームで2連敗して悔しい。いろいろな面で力が足りなかったと思う。1、2セット目の状況から、選手は解決策を自分たちで生み出そうとして少しずつに前に進めた。今日のゲームの中で成長できたと思う。今後のプレーオフ進出を目指しての戦いでは、8位以内に入ることを最低限果たさなければならない。あと12試合を一戦一戦、どう試合に挑むか、目の前の試合に集中したい」と語った。

試合前、コートに整列するリヴァーレ茨城の選手たち

お世話になった多くの人が応援

大学時代をつくばで過ごしたリヴァーレ茨城の高間来瞳は「大学の時に見慣れた景色を見て大学時代を思い出し、気が引き締まる思いだった」と語り、1学年後輩の倉田朱里も「駅、街の雰囲気、景色を見て、久しぶりに帰ってきて良い意味で気が引き締まった。大学時代にけがで附属病院でお世話になった先生方、ママさんバレーの皆さんが見に来てくれていたので、コートの中でプレーする姿を見せることが出来て良かった」と話した。

筑波大出身で2022年に日本代表に選出され、昨年、ヴィクリーナ姫路をVリーグ2部で優勝、昨年12月の皇后杯を優勝に導いた井上愛里沙は「大学時代を過ごし懐かしい。多くの方が応援に来てくれて大学時代に学んだつくばで筑波大出身の(高間来瞳と倉田朱里の)後輩と対戦できてうれしい」と語った。

第3セット、スパイクを打つヴィクリーナの井上愛里沙(黒のユニフォーム)

リヴァーレ茨城の通算成績は17勝15敗で順位は7位。レギュラーラウンドは4月13日まで続く。(高橋浩一)

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