【コラム・椎名清代】私たちは2023年秋から「けんがく ふらっと カフェ」を始めました。商業施設イーアスつくば(つくば市研究学園)内のスターバックスコーヒー店で、月1回開いています。だれもがフラットな立場、進行役もいない、テーマもない、決まりもない―そんな集まりです。毎回、20人近くの人が集まり、おしゃべり、笑顔があふれる空間になっています。
最初はイーアス内
研究学園エリアは2万余の人が暮らす大きな街になりました。でも、自由に利用できる交流センターのような公的な集会施設がありません。どこか借りられるところはないかと、3人の民生委員で考え、チェックアウトからチェックインまでの時間、ホテルの一角を貸してもらえないか聞いたこともありました。
そんなとき、テレビで見た町田市のスターバックスで開かれている認知症カフェのことを思い出し、町田市役所に問い合わせました。市から当時の店長さんを紹介してもらい、スターバックスは社会貢献を社の方針としており、つくばでもサロン活動を実現できることを知りました。
しかし私たちは、お店の方に「利用させてください」と話すことができませんでした。そんな状況を社会福祉協議会の生活支援コーディネーターに話したところ、市の地域包括支援センターにつないでもらい、サロンを実現することができました。スターバックスは従業員と地域とのつながりを大切にしており、席の設定や他のお客への配慮など、とても感謝しています。
学園の森や大学内にも誕生
参加者は研究学園エリアのシニアの女性が中心で、その多くが県外や他市町村から移って来た人たちです。ここでは、新たなつながりが生まれたり、意外な発見があったりします。多世代にも広がったらと思いながら活動しているうち、「がくもり ふらっと カフェ」(スターバックス学園の森の店、つくば市学園の森3丁目)も誕生しました。
子育て現役世代の情報交換の場になればと思っており、小さなお子様連れも大歓迎です。小さな子を連れてカフェに行くのは気が引けてしまうママたちの憩いの場になったらと思っています。もちろん年齢層は幅広く、70代の先輩ママもご参加しています。男性も数名いらしています。
私たちの活動は、「つくばセンター ふらっと カフェ」(つくば市吾妻、トナリエキュート内)、「キャンパス ふらっと カフェ」(つくば市天王台、筑波大学中央図書館内)へと、市内にある他のスターバックスにも広がっています。
民間会社の方たちに集会の場を提供してもらい、これからも「ふらっと カフェ」活動を広げられると希望を感じています。でも、そもそもの始まりは「研究学園には公的な集会施設がない。交流センターが欲しい」でした。こういった市の施設の実現はこれからの課題です。(ふらっとカフェ実行委員)