プロバスケットボールB1リーグの茨城ロボッツを運営する茨城ロボッツ・スポーツエンターテインメント(水戸市)は16日、通信制高校のN高(沖縄県うるま市)やS高(つくば市作谷)などN高グループを運営する角川ドワンゴ学園と、通信制大学「ZEN大学」設置者の日本財団ドワンゴ学園との3者で、スポーツと教育を推進する連携協定を締結した。バスケットボールを起点とした地域の発展と、次世代の人材育成などを目指す。
N高グループはN高とS高から成り、3万人超の生徒数を擁する国内最大の通信制高校で、今年は新たにR高を群馬県桐生市に開校する予定。ZEN大学は神奈川県逗子市に今年開学予定。いずれもインターネットを通じた学習だけでなく、企業や地域と連携したプロジェクト型学習や体験学習にも力を入れている。
茨城ロボッツの川崎篤之社長は「地域社会との向き合い方に、われわれと同じ強い思いを抱いていると感じた。ロボッツの創業地であるつくば市にS高の本校があるという縁も、協定締結の基盤になった」と話す。
具体的な連携事例としては、ロボッツが取り組む地域貢献活動に両学園の学生や生徒が参加したり、スポーツがもたらす地域活性化効果について学んだり、最新のテクノロジーを導入したスポーツ・エンターテインメントビジネスを模索したり、実際のスポーツや健康づくりの機会を提供するーなどが構想されている。
第1弾として現在、N高、S高などの生徒がロボッツの新ユニフォームをデザインする体験学習プログラムが進行中だ。ロボッツのスポンサーでもあるアパレルメーカーのアダストリアが協力し、5日間にわたる特別授業や試合観戦を経てコンテストが行われ、最優秀デザインは製品化され選手が実際に試合で着用する。
さらに来年4月には、ロボッツユース選手を対象にN高やS高などへの進学を支援する特別奨学生制度も始まる予定。学びの自由度が高い通信制のメリットを生かし、日中の練習やトップチームの練習への参加など、一般の高校生ではかなわない練習環境が得られ、プロを目指そうとする選手にとっては大きなアドバンテージとなるとする。
「これらの連携はBプレミア26チーム中でも他にないユニークな取り組み。面白い事例をたくさん育て、全国や世界へ展開していきたい」と川崎社長は構想する。(池田充雄)