土曜日, 2月 7, 2026
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牛久入管問題について意見交換 市民団体が年間活動報告 土浦

法務省出入国在留管理庁 東日本入国管理センター(牛久市久野町、牛久入管)に収容されている外国人の処遇改善に取り組む市民団体「牛久入管収容所問題を考える会」(つくば市、田中喜美子代表)の年間活動報告会が1日、土浦市大和町の県県南生涯学習センターで開かれ、入管問題について意見交換した。市民や外国人ら約100人が参加した。

集会では考える会が、牛久入管の2024年の被収容者数は、年間で約50人前後ではないかと報告した。2020年のコロナ禍以前は年間で約300人前後だったことから、被収容者数は6分の1にまで減少している。

一方、被収容者は一時的に牛久入管から仮放免され一時的に収容を解除されたものの基本的に「就労禁止」の条件が課せられ、生活費に困窮しているのが実情だという。国民健康保険に加入できないため、仮放免中の外国人が病気やけがで医療が必要になった場合には、高額の医療費負担がかかりさらに生活に困窮する事例があるとの報告があった。

また考える会の会員から、昨年末から今年にかけて、成田空港で入国拒否された外国人難民申請者が牛久入管に収容された事例の紹介があった。報告によると、西アフリカや中部アフリカ諸国から正規のパスポートと正規の短期滞在ビザを持って来日した外国人難民申請者が、成田空港で入国を拒否されたが帰国を拒否したために成田の入管施設に収容。収容後に難民申請をしたが、1カ月足らずで却下されると同時に退去強制令書が発布されて牛久入管に移送されたという。

この件を受けて、伊藤しのぶ弁護士は「空港での当番弁護士制度ができればと思う」と述べ、難民申請者への空港での法的保護の必要性を訴えた。

記念講演する駒井知会弁護士

報告会では入管問題に取り組む駒井知会弁護士が「在日外国人の弁護活動を通して入管法と入管体制を考える」と題して記念講演し、今年6月10日施行された改正入管法について問題点を指摘した。「3回目以降の難民申請者に対して強制送還も可能」とした改正点に対しては「(迫害の危険に直面している人を保護する国際法上の原則である)ノン・ルフールマン原則=メモ1=違反の送還を防ぐためにも訴訟をやっていかないといけない」との姿勢を示した。

また新しく導入された、監理人による監理の下で、収容しないで退去強制手続きを進める「監理措置制度」=メモ2=については「弁護士の守秘義務と入管当局への報告義務との相反がある」と制度自体を厳しく批判した。

同会の田中代表は「今は嵐の前の静けさ。来年は大変な事になりそう」と述べ、改正入管法による悪影響が来年以降本格化することを懸念した。(崎山勝功)

【メモ1】ノン・ルフールマン原則 難民など生命や自由が脅かされかねない人々が、入国を拒否されたり、迫害を受ける国や場所への追放や送還を禁止する国際法上の原則。1951年の難民条約と1967年の議定書で成文化され、日本では難民条約を批准した1982年から発効された。
【メモ2】監理措置制度 監理人が仮放免中の外国人の生活の面倒を無報酬でみる傍ら、「就労をしていないか」「逃亡の恐れがないか」などを監視し、入管当局に報告する制度。通報を怠った場合は罰金刑などが課される。

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

【コラム・奥井登美子】お正月には誰も故郷に帰りたくなる。私が育ったのは荻窪のみどり幼稚園。緑の名の通り、生垣に囲まれた家と野原の、のんびりした緑色の住宅街だった。 しかし今の東京の町はどこも高いビルばかりで、緑がない。故郷という言葉とはかけ離れた風景になってしまっている。私の故郷と呼べるような所は、もうどこにもなくなってしまったのだ。 幼い時、父の故郷、新富町へもよく連れて行ってもらった。父は歌舞伎座が新富座であった頃の、鉄砲洲小学校出身。「菅原伝授手習鑑」などに寺子屋の子役として駆り出されて、よく出演させられたそうだ。台詞(せりふ)も筋もよく覚えていて、よく私に語って聞かせてくれた。 隅田川のほとりに町があって、父は「〇〇ちゃんの店でノリを買おう」などと、昔の友達の家に寄っておしゃべりするのを楽しみにしていた。父の故郷はいま、日本ではない、高いビルばかりのどこか架空の空間になってしまっている。 タケちゃんの文が朝日に載った 1月27日の朝日新聞「折々のことば 鷲田清一」に、加藤尚武の文が載っていた。「個人の間の平等は、ある程度まで…自然の平等に支えられているが…国力の差は、ネズミとゾウの違いよりも大きい」 加藤尚武は私の弟のタケちゃん。京都大学の哲学教授を務めた後、鳥取に環境大学を創り、環境問題を、哲学のまな板の上に載せた人。「環境問題のすすめ」という著書もある。生活者として、医療と環境を意識して生活している。 加藤家の男たちはみな食べるのが好きで、父も、兄も、タケちゃんも、好きなものを自分で作って食べるのが趣味だ。 私はせめてせめて、お正月くらいは、おしゃべりの好きな弟のタケちゃん、母の昔の味の料理を作ってくれる妹、姪たちに会って、亡くなった父、母、兄の個性を偲(しの)びながら、今の子供たちと比べて、大笑いするしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)