木曜日, 2月 5, 2026
ホームつくば自動車盗難被害 つくば市が全国ワースト1 住宅駐車場が5割

自動車盗難被害 つくば市が全国ワースト1 住宅駐車場が5割

自動車の盗難被害が多発する茨城県内で、県南地域での被害が顕著だ。特につくば市は、10月末時点で年間75件を数え、全国市区町村別でワースト1位となっている。県内で2番目に多いのは38件の土浦市で、両市の合計は2024年の県内自動車盗難件数461件の約4分の1を占める。県警は、市民の防犯意識を高めようと啓発活動に力を入れているが、大きな変化に結びついていないのが現状だ。

「11月9日夕方から11月10日の朝方までの間に、茨城県つくば市筑穂で盗難に遭いました」ー。

10日午後5時、トヨタ・ハイエースの写真と共にX(旧ツイッター)に情報提供を求めるメッセージが流れた。投稿したのは北海道空知郡奈井江町の土木関連会社、剛健工業(浜島剛社長)のアカウントだ。北海道からつくば市内の建設現場に出張中の同社社員が車両盗難の被害に遭った。同社の柴田大輔さん(40)が異変に気づいたのは10日早朝。滞在する市内のアパートから外を見ると、目の前の駐車場にあるはずの車がない。「まさかと思った」と振り返る。すぐに警察へ届けるも、「見つかるか分からない」と言われたと話す。

住宅地での被害が相次いでいる=つくば市筑穂

柴田さんら社員4人がつくばに来たのは今月6日。市内の工場現場で、来年4月末までの予定でフェンスの基礎や縁石ブロックの設置工事にあたるためだった。陸路とフェリーを利用し、2台の車で茨城に来た。被害にあった日、前日は休みで午後9時ごろには就寝し、10日は朝6時に起床した。車内にはドライバーやつり金具、グラインダーなど40万円相当の工具が積まれていた。盗難後は急場をしのぐため必要最低限の工具を買いそろえ、車両は再度、北海道から呼び寄せた。「会社でも盗難は初めて。全く気づかなかった。盗られたのはしようがない」と気持ちを切り替える。

夜間から早朝にかけ連日

県内の犯罪情報を知らせる県警による防犯アプリ「いばらきポリス」によると、11月だけでもつくば市内では他に▽2~3日にかけて妻木付近▽6~7日に陣場付近▽7~8日に小野崎付近▽9~10日に蓮沼付近▽11~12日に学園南付近▽12~13日の間に二の宮付近と、連日、車両盗難が起きている。土浦市内でも今月、都和、神立、真鍋などで発生している。被害に遭うのは夜間から早朝にかけて。乗用車はトヨタのプリウス、ランドクルーザーなどが、貨物車ではトヨタ・ハイエース、いすゞ・エルフなどが被害の上位を占めている。その他にアルファードやレクサスなどの高級車の被害も目立つ。県内では貨物車の被害も多く、盗難全体の約半数が住宅の駐車場などで起きている。

県警ではホームページ(HP)やSNSで啓発活動を行っている(茨城県警HPより)

茨城県は、人口10万人あたりの車両盗難件数が、2023年まで17年連続で全国1位を記録している。首都圏に近く港湾へのアクセスが良いことや、広い土地を比較的安く使用できることから盗難車を解体する「ヤード」がつくりやすいことなどが背景にあるという。盗難車は解体後に部品として国内外で販売されていく。つくばや土浦で特に被害が多い理由について県警の担当課は「被害が増えている県南や県西地域は人口が多く、相対的に車の保有台数が多い」ことだとし、犯罪グループの活動が広域化、組織化していることが検挙を難しくしていると話す。

2022年2月に福島県内で工事用車両を盗んだとして逮捕されたつくば市の自動車整備工の男ら2人は、関東、東北、東海で計280台を盗んだグループのメンバーとみられる。他に23人が同グループメンバーとして逮捕されている。また同年8月に高級車「レクサスLX」を盗品と知りながら取引し、保管した疑いで逮捕された筑西市の自動車整備会社経営の男ら5人は、大阪や愛知で盗まれた高級車約200台を引き取り輸出目的で解体した。被害総額は10億円超に上るとされる。今月7日には潮来市の男ら4人が関東5県で車両110台超を盗み、被害は約1億円に及んでいる。これらの事件は日本人、外国人を含む犯罪グループによるもので、犯行が複数の都府県に及ぶため合同捜査体制が組まれている。

防犯意識向上を

県警は「盗難場所として最も多いのは、住宅等の駐車場で全体の約5割。その他、会社や事務所、月極駐車場、工事現場や資材置き場などが続いている」とし、「犯人は物理的に時間がかかることを嫌う。バー式ハンドルロックや鍵でタイヤを固定するタイヤロックなどが有効。防犯カメラやセンターライトの設置も推奨している。複数組み合わせることでより効果的になる」と、二重、三重の防犯対策を呼び掛け、「個人では費用的に難しいこともあると思うが、防犯意識の向上につなげてほしい」と語る。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

36 コメント

36 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

もん泊実現へ情報共有 14日「第2回長屋門サミット」 NPOつくば建築研究会

長屋門の維持と活用について各地の関係者と議論する「第2回長屋門サミット」が14日、つくば駅前の同市吾妻、つくばセンタービル内 コリドイオで催される。NPO法人つくば建築研究会(坊垣和明理事長)が「長屋門の情報共有と維持継承活用に向けて」をテーマに開催する。 同市には200を超える長屋門が現存する。同研究会はこれまで、市内と周辺地域に残されている江戸時代から明治、昭和初期に建てられた長屋門を、建築文化として維持活用する研究を重ね、市民シンポジウムで意見交換したり、実際に長屋門を訪ねる「みち歩き」イベントを開いてきた。 目標は、長屋門に民泊機能を加味した「もん泊」の実現。しかし家主の理解を得ることが前提である上、長屋門の風情を損なわず宿泊性能や水回り設備などをどのように追加させるか、それらに必要な費用のねん出をどうするかなどの課題があり、市内ではまだ実例がない。 同研究会事務局の若柳綾子理事によると「4年ほどの研究活動は地元を主体に進めてきた。さらに全国に視野を広げて他地域の事例を調べてみると、やはり同様の悩みを抱えるところが多い中で、我々以上にテーマを絞って研究している具体例があった。それらをネットワーク化したいと考え、昨年2月につくばで第1回サミットを開き、東北や近畿地方で行われている長屋門の保存、活用研究について情報交換を行った」。第1回は、宮城県栗原地域をはじめ、栃木県宇都宮市、愛知県渥美半島に点在する長屋門の特徴を生かし維持保存活動に取り組むグループを招き、近世以降、各地域で長屋門を整備してきた武家勢力、地域ごとの自然環境に対応した家屋としての機能などを紹介した。 一方、つくば地域の長屋門は、歴史的成り立ちや自然の豊かさなどから、全国の他地域の長屋門よりも残存数、状態が良好だ。若柳理事は「その反面、注目されることもなく長い年月が経ち、所有者には代を重ねるごとに維持負担が重くのしかかっている。事業としてのもん泊をそれらの課題解決に役立てたいと考えている」とした上で、「今回の第2回サミットで画期的な事例を紹介できることとなった」と話す。 第2回は新たに、和歌山県紀の川市で具体化した全国初の長屋門での宿泊事業者となる「門リトリートサロン/門泊」を営む有薗光代さんを招く。さらに昨年に引き続き宮城県栗原地域と、茨城県桜川市で進む歴史的伝統建築物に関連した街づくり事例紹介を行う。 「有薗さんは陸上自衛隊にいらした方で、災害派遣や国際協力などを通じてインフラ整備に従事した経験を持つ。2023年から紀の川市を拠点に歴史的建築物と地域資源の活用をテーマに発信しているが、このスピード感に驚かされる」と若柳理事。 「つくばでの活動は、長屋門に宿泊するという『もん泊』構想から始まったが、紀の川市でついに具体例が実現した。多くの課題をどのようにクリアしてきたのか助言をいただけるのが今回のエポックとなる」と説明する。 紀の川市の事例におけるつくばとの違いは、事業化を念頭に置いた活動の一手だと考えられる。つくばが何もしていないわけではないが、これまでの活動は長屋門の周知というテーマを掲げながらも、文化研究色の強い集まりであり、事業化=ビジネスとして扱う段階には至っていない。先進事例を積極的に取り入れられるかどうかが今後の成果を左右するだけに、第2回サミットに期待が寄せられている。 今回登壇するのは▽桜川市の「ディスカバーまかべ」吾妻周一会長が「真壁地区-30年に及ぶ街並み保存・活用等の紹介」について話すほか▽同研究会の坊垣和明理事長が「つくば地区-つくばの長屋門の紹介、みちあるき報告」▽和歌山県紀の川市、門リトリートサロンの有薗光代さんが「もん泊構想、関連イベントの紹介」▽宮城県栗原市、くりはらツーリズムネットワークの大場寿樹代表理事が「栗原地域における取組の現状、課題等の紹介」をテーマに話す。その後、会場参加者などを加えて意見交換などする。(鴨志田隆之) ◆第2回長屋門サミットは14日(土)午後1時から、つくば市吾妻1-10-1 つくばセンタービル内 市民活動拠点コリドイオ3F大会議室で開催。定員100人。参加費は無料。参加申し込みは11日まで、つくば建築研究会ホームページの申込フォームで受付中(先着順)。

ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

【コラム・奥井登美子】お正月には誰も故郷に帰りたくなる。私が育ったのは荻窪のみどり幼稚園。緑の名の通り、生垣に囲まれた家と野原の、のんびりした緑色の住宅街だった。 しかし今の東京の町はどこも高いビルばかりで、緑がない。故郷という言葉とはかけ離れた風景になってしまっている。私の故郷と呼べるような所は、もうどこにもなくなってしまったのだ。 幼い時、父の故郷、新富町へもよく連れて行ってもらった。父は歌舞伎座が新富座であった頃の、鉄砲洲小学校出身。「菅原伝授手習鑑」などに寺子屋の子役として駆り出されて、よく出演させられたそうだ。台詞(せりふ)も筋もよく覚えていて、よく私に語って聞かせてくれた。 隅田川のほとりに町があって、父は「〇〇ちゃんの店でノリを買おう」などと、昔の友達の家に寄っておしゃべりするのを楽しみにしていた。父の故郷はいま、日本ではない、高いビルばかりのどこか架空の空間になってしまっている。 タケちゃんの文が朝日に載った 1月27日の朝日新聞「折々のことば 鷲田清一」に、加藤尚武の文が載っていた。「個人の間の平等は、ある程度まで…自然の平等に支えられているが…国力の差は、ネズミとゾウの違いよりも大きい」 加藤尚武は私の弟のタケちゃん。京都大学の哲学教授を務めた後、鳥取に環境大学を創り、環境問題を、哲学のまな板の上に載せた人。「環境問題のすすめ」という著書もある。生活者として、医療と環境を意識して生活している。 加藤家の男たちはみな食べるのが好きで、父も、兄も、タケちゃんも、好きなものを自分で作って食べるのが趣味だ。 私はせめてせめて、お正月くらいは、おしゃべりの好きな弟のタケちゃん、母の昔の味の料理を作ってくれる妹、姪たちに会って、亡くなった父、母、兄の個性を偲(しの)びながら、今の子供たちと比べて、大笑いするしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)

消費期限切れ食品を冷凍自販機で販売 つくばまちなかデザイン

保健所が販売停止を指導 つくば市のまちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市吾妻、内山博文社長)が設置、管理する冷凍食品自動販売機で、1月9日から14日までの間、消費期限切れの食品が販売されていたことが分かった。つくば保健所の指導を受けた同社は、該当食品の販売を17日から停止し、現在までに同自販機による全食品の販売を停止している。 同社は購入者に対し返金対応を行うとしているが、同社による事態の告知は自販機への貼り紙と、冷凍食品製造事業者を含む飲食店経営者による有志グループ「旨がっぺTSUKUBA(つくば)」のインスタグラムとフェイスブックなどに限られ、つくば市が出資する第3セクターとしての説明責任が問われる。 販売が停止された自販機は、つくば駅前のつくばセンター広場ペデストリアンデッキ上に設置されている。同社がSNSと自販機に掲示した「お知らせ」によると、販売された消費期限切れの食品は「8大アレルゲンフリー 米粉の焼き菓子おまかせ3点セット」。1月9日、12日、14日の3日間に計4点が購入されていたことが確認されている。消費期限は、購入された時で最大で1週間が過ぎていた。その他に、消費期限が最短で1日以内だった1月1日と6日に購入された2点についても返金するとしている。 コロナ禍発 同自販機が設置されたのは2023年。つくばまちなかデザインが、市内などの飲食店経営者などによる有志グループ「旨がっぺTSUKUBA」とともに立ち上げた実行委員会のプロジェクトとして設置した。同グループは、コロナ禍による外出自粛が呼び掛けられた2020年に、県内飲食店のテイクアウト情報をフェイスブックで発信していた活動を母体としている。冷凍自販機設置に際して同実行委は、PR費用などに充てるとしてクラウドファンディングを実施し、46人の支援者から56万9590円を集めた。 告知は貼り紙と飲食店グループのSNSのみ 消費期限切れ食品の販売が発覚したのは1月17日。まちなかデザインは同日、「旨がっぺTSUKUBA」のインスタグラムとフェイスブックに掲載した同社名義の「消費期限切れ商品の販売に関するお詫びとお知らせ」で、問題が起きた経緯について「弊社による商品管理不足とコミュニケーションの不調」によるなどと説明し、返金対応を行うとした。同時に、自販機に貼り紙を貼り、購入者に連絡を呼び掛けている。一方で、食品の自販機の設置者であり、商品の管理責任を負うまちなかデザイン自身の公式ホームページや、会社のSNSアカウントでは、2月2日時点で、消費者に対する説明や購入者への呼び掛けは行われていない。 社長「大きな問題は起きてない」 取材に対して同社の内山社長は、今回の経緯について、「旨がっぺTSUKUBA」のSNSに公表した文書を念頭に、「あそこに書いてあることが全て」とし、「体調が悪くなったなど、特段、消費者から問い合わせもなく、大きな問題が起きているということはない。問題等があれば、しっかり発表する」と述べ、問題発生に関する詳細な経緯の説明を避けた。 また、市民からの疑問と不安の声を受けて取材を始めたことを伝えると、「『市民の方から』と言えば、なんでも話さなければいけないのか。その方から直接問い合わせをいただければ、私どもも真摯(しんし)に対応する」と述べた。今後については「保健所の指導を受けながら、誰の責任で、どう行うべきか考えていきたい。再開については、はっきりした段階でお伝えしたい」とした。 複数業務兼ね管理行き届かず つくば保健所によると、保健所が事態を把握したのは、問題が発覚してから2日後の19日。問題となった冷凍自販機に食品を納入している業者からの通報がきっかけだった。この時点で該当食品の販売は停止されていたが、まちなかデザインから保健所への連絡はなかった。そのため保健所は同日、同社に電話連絡し、同社が保健所を訪問。保健所は食品衛生法に基づき、施設の衛生管理状況や取扱者の衛生教育などを評価する「食品衛生監視指導表」を交付し、事態改善に向けた指導を同社に対して行っている。 同保健所は「自販機の設置者であるつくばまちなかデザインが、納入された商品の管理と自販機への補充を行ってきた」と、設置だけでなく、商品管理もまちなかデザインが担っていたとした上で、問題が起きた経緯については「自販機販売の担当者が、他の複数業務を兼ねていた。人手不足の中で、商品管理が行き届かず、期限切れの商品が販売された」と原因や背景を分析する。 今後、まちなかデザインから提出される改善案を見た上で、改善措置が図られたと判断した段階で、販売再開が可能になるとしている。 今回の「消費期限切れ」について保健所は「食品表示法により、健康被害の恐れから消費期限が切れた商品を販売することはできない。期限が切れた食品は、もう食べられない状態」にあるとし、厳格な管理が必要との認識を示した。一方で、今回販売されたのが冷凍食品であることから重大な健康被害に直結しにくいとの見方を示し、より期限に猶予期間のある「賞味期限」表示が適切だった可能性にも言及した。 市がどう考えているか知りたい  今回販売された焼き菓子をこれまでたびたび購入してきたという、ブックカフェ「本と喫茶サッフォー」(同市天久保)を経営する山田亜紀子さんは「丁寧に作られていて、安心して食べられるお菓子。美味しくて、好きで食べていた」と話し、自身も食品販売に携わる立場から「食品管理は食中毒を出せば営業できなくなり、経営に直結する問題。一番気を使う部分だ」と指摘する。 さらに「自販機は市民以外も含め誰でも購入できる場所にある。本来、安全を最優先しなければならないはずなのに、食べ物をずさんに扱っている印象を受ける」と不安を口にした。さらに「こうした会社に市が税金を出資している。市としてどう考えているのか知りたい」と話した。 市と会社に説明責任ある これまで市議会でたびたび同社の経営状況や将来負担などについて質問してきた山中真弓市議は「市は、まちなかデザインに6000万円を出資し、指定管理者に指定して、自販機が設置されている場所を含むつくばセンター広場の管理を任せている。市民の税金が投入されている以上、同社は市民に対して問題を説明する責任がある」と指摘する。 その上で、「自販機が設置されている場所は市の土地であり、市職員が同社の取締役に入っている。市が無関係とは言えない」とし、「市にも、市民に対して説明する責任がある。また、まちなかデザインが食品を扱うノウハウがあるのか、確認する必要がある」と述べた。 市は保健所に委ねる姿勢 一方、つくばまちなかデザインを担当する同市学園地区市街地振興課は今回の件について「(まちなかデザインは)保健所の指導に従ってもらいたい」との認識を示すにとどまっている。(柴田大輔)

人の意見を聞く勇気《続・気軽にSOS》169

【コラム・浅井和幸】言葉は、その発する人の思いを相手に伝えるための道具です。そして、その言葉を受け取る人の解釈によって意味が変わることがあります。さらに、その人が相手に伝えるときに使われて、会話が成立します。 「白くてふわふわしている」という言葉も、発信した人と受け取った人とが思い浮かべるものが全く同じであることはほとんどないでしょう。経験も、その時の気分も、何を優先順位とするかも違う、それぞれの人生を生きているのですから。 相手との違いが分かっていると、より分かってもらおうと発信側も工夫するものです。違うことが分かっていると、より分かろうと受け取る側も考えます。初めて会う、違う文化の人には、ていねいなコミュニケーションを取ろうとするものです。 以前、学者の方から笑い話で聞いたことがありますが、世界各国から研究者が集まる学会などで、たどたどしい英語でコミュニケーションをとっているときは気持ちが通じ合う感覚があるのに、長年連れ添った妻とは同じ日本語で話をしているにもかかわらず、お互いが相手の言っていることが分からなくなることがある、と。 ていねいな対話とか情報交換 私たちは、関係性の距離によって、コミュニケーションがていねいになったり、雑になったりします。もちろん、ある程度お互いの癖が分かっているのに、ていねい過ぎるやり取りは無駄な時間を使います。簡単にした方がよいこともあるでしょう。 うまくいっているときは、コミュニケーションは端折(はしょ)ってもよいと思います。しかし、コミュニケーションがうまくいかないときは、自分の言いたいことを分かってと我を通すだけでなく、ていねいな対話とか情報交換が必要になります。 意外なことではありますが、ケンカをしている両者が実は目的や希望が相反することでないことは多いものです。それどころか、同じであることも珍しいことではありません。ケンカしている相手の言葉は聞きたくないでしょうが、相手の話したいことを理解することから始めましょう。(精神保健福祉士)