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eBookでも英語著作を刊行しました《文京町便り》34

【コラム・原田博夫】先月、学術出版社スプリンガー社から、編者の1人として英語著作を刊行しました。「Jaeyeol Yee, Hiroo Harada, and Masayuki Kanai, eds., Social Well-Being, Development, and Multiple Modernities in Asia, Springer Nature Singapore, October 2024」 です。

訳せば、ジョエル・イー(国立ソウル大学<社会学>教授)、原田博夫(専修大学名誉教授)、金井雅之(専修大学人間科学部教授)編著の『アジアにおける社会的安寧(ソーシャル・ウェルビーイング)、発展、多様な近代化』です。執筆者は6カ国(日本、韓国、モンゴル、台湾、インドネシア、フィリピン)29名に上ったため、全18章、総ページ数342に及びました。値段はハードカバー版が1万2154円、eBook(電子書籍)版は9723円です。

このテーマでの研究者ネットワークは、文部科学省私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に採択された専修大学の社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)研究センター(2009~13年度)およびソーシャル・ウェルビーイング研究センター(2014~18年度)から始まりました(いずれも研究代表者は私)。

その後は、日本学術振興会の研究拠点形成事業(若手研究者ワークショップ)<2022~24年度、研究代表者は嶋根克己・専修大学人間科学部教授>などが引き継いでくれました。とりわけ、ソーシャル・ウェルビーイング研究センター(2014~18年度)当時、アジア7カ国での(ほぼ共通の)サーベイ調査を実施したことが、今回の刊行につながりました。

当時の研究コンソーシアムで、今回の執筆陣に諸般の事情で加われなかったのはバンコク・チュラロンコン大学とハノイ・ベトナム社会科学院の2チームですが、モンゴル研究所(IRIM)のメンバーは途中からの参加にもかかわらず、意欲的に貢献してくれました。この大所帯を取りまとめ進行管理してくれたのは、事務局長役の金井雅之さんです。彼の献身ぶりには頭が下がりました。

eBookの利便性と値引き率

ハードカバー版とeBook版を同時に刊行して気づいたのは、eBook版の値段の高さです。実は、Kindle版は定価(市場価格)の5割以下ではないかと、漠然と思っていました。それがこの場合は、2割引きなのです。改めてAmazonなどでチェックすると、eBook版が利用できる場合でも、多くは1割引き程度です。現状では、中古本より割高です。

eBook版のメリットは、現時点では書籍管理・スペースの節約、検索の利便性の2点ですが、既存出版社や書店の意向・利害関係もあり、紙媒体の相対的な優位性はまだ維持されているようです。しかし近い将来、eBookの利便性(紙媒体の学術書では不可欠だった「索引」を不要にするなど)と値引き率はさらに高まる気がします。(専修大学名誉教授)

<参考>アマゾン掲載場所はこちら

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