日曜日, 7月 20, 2025
ホームコラム北海道は北京郊外の山とそっくり《医療通訳のつぶやき》12

北海道は北京郊外の山とそっくり《医療通訳のつぶやき》12

【コラム・松永悠】10月末に初めて北海道に行ってきました。うちには犬も猫もいるため、家を空けることがなかなか難しく、北海道に行くなんて夢のまた夢でした。

今回はご縁があって、札幌や函館といった有名な観光地ではなく、稚内まで飛んだ後、さらに浜頓別というオホーツク海に面した小さな町に行くので、この旅はどんなものになるか予想もつきませんでした。

結論を言うと、最高の思い出が出来ました。観光シーズンが終わったこと、そして観光地ではない場所として、ディープな北海道の一面を見ることができました。

滞在中、毎日車で移動して、オホーツク海側も日本海側も見て回ることができて、いろいろ感無量です。同じ海でも、東京付近の海と全然雰囲気が違うんですね。オホーツク海も日本海も荒く、そして力強く、とにかく圧倒されっぱなしでした。海沿いに道路があって、高速ではないのに、交通量が少ないから信号なしでスイスイ行けます。

もちろん、海だけじゃないです。広大な平原と山林が途切れることなく延々と広がっています。実はここで意外な収穫がありました。初めて行ったのにも関わらず、この景色を見て私はとても懐かしく感じたのです。

「何もない」を楽しむ時間

この懐かしさはいったいどこから?としばらく観察したら、理由が分かりました。この風景、実は北京郊外の山とそっくり。目の前に広がっているのは子供の時から慣れ親しんだ景色そのものです。緯度的には、北海道が北京より北の方ですが、植物の種類も広大な感じも紅葉の色も驚くほど似ています。

今回の行き先は北海道の最北端に位置するため、行く先々で「最北端の〜」と出合います。土地が広いのに人口が少なく、出合ったエゾジカの数が人間より多いほどです。こんな場所ですから、夜になると文字通り「真っ暗」になります。ナイトサファイアに出かけたら、ここでも感動が待っていました。

これほどきれいな川が目の前に広がっていると気づいたとき、涙が出そうになりました。記憶の中で空一面に広がる星を見たのは、30年ほど前に北京郊外の山に行ったときでした。まだ大学生だった私が、山頂のゲルに泊まって、友人たちとふかふかの草の上で寝転がって、天の川に見とれていた記憶がよみがえりました。

とにかく、今回の旅は「何もない」を楽しむ時間でした。人も人工的な建造物もほとんどない代わりに、豊かな自然、たくさんの野生動物、パワーいっぱいの海を目いっぱい感じて、心を空っぽにすることができました。都会に住む人間にとっては、これほど贅沢(ぜいたく)なことはありません。(医療通訳)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

茨城県内の花火大会は見どころ満載(下)《見上げてご覧!》42

【コラム・小泉裕司】平成の大合併から20年。昨年から今年にかけて、全国あちこちで「市制施行20周年」を冠したイベントが催され、もちろん茨城県内も例外ではない。前回(6月22日掲載)に続き今回も、合併して誕生した筑西市や常総市の花火大会の見所を紹介しよう。 常総市合併20周年記念 第58回常総きぬ川花火大会 9月20日(土)午後6時35分から約85分間、鬼怒川河川敷を会場に、例年1万3000発のところ、合併(2006年に1市1町が新設合併)記念として、今年は約2万発(最大8号)に増量する。 山﨑煙火製造所、野村花火工業、紅屋青木煙火店(長野市)、北日本花火工業(大仙市)など、著名な煙火業者が一堂に会する大会には、全国からコアな花火好きが集う。昨年の人出は約13万人。公共交通は、関東鉄道常総線を利用。車でのアクセスは、無料駐車場は用意されていないため、チケット購入と同時に有料駐車場の確保が必要。 名物となったナイアガラ富士でのオープニングや個人申込によるメッセージ花火は定番の人気。日本煙火芸術協会会員によるコンテストは、例年、高品質の凝った作品が持ち込まれ、花火大会になじみのない人にも見応え十分。打ち上げ幅はそれほど広くないので有料の協賛席が良席。チケットの販売は7月18日から始まっている。 大会発展の最大の功労者である澤辺悦雄氏(元常総市商工会)は、煙火業界では著名人。本人とは盃を交わす仲だが、「澤辺悦雄物語」の記事を打診したところ、かたくなに首を横に振り続けている。 筑西市誕生20周年 ちくせい花火大会2025 10月18日(土)19時から約60分、道の駅グランテラス筑西周辺を会場に約2万発を打ち上げる。担当は、山﨑煙火製造所(つくば市)、野村花火工業(水戸市)、森煙火工場。昨年の人出は17万人。道の駅会場には下館駅や無料駐車場からのシャトルバスが便利。ちなみに筑西市は2005年、1市3町が新設合併して誕生した。 すべて県内の煙火業者だけで打ち上げる大会はここだけ。野村花火や山﨑花火の安定感と高いクオリティは言うに及ばず、森煙火工場は地元筑西市の花火会社で、土浦全国花火競技大会で毎回、競技の基準となる10号の審査標準玉の製作を30年以上担当する実績十分の業者。 約1時間に凝縮した2万発を超えるスターマインは、すべて音楽付き。グランドフィナーレのワイドスターマインは、3社共同のプログラム。最大幅400メートル、3カ所から打ち上げられる大パノラマを満喫できる。 筑西市と同じ20周年を迎えた人気アイドル育成ゲーム「アイドルマスター」とのコラボレーション花火は、昨年の大好評で今年も実施。IPコンテンツとのコラボは各方面で耳目を集めるが、観客参加型のプログラムとして成功した希有な事例だ。チケットの一般販売は、8月下旬を予定している。 ちなみに、サブタイトルの「時速20,000発」は、担当職員のアイデアとのこと。 茨城県は魅力的な大会がいっぱい! 前回から2回にわたり、6つの花火大会を紹介したが、県内にはまだまだ魅力的な花火大会がいっぱい。9月13日(土)利根川大花火大会(境町)、9月27日(土)大洗海上花火大会、10月4日(土)おみたま花火大会、10月11日(土)鹿嶋市花火大会、10月25日(土)サンセットフェスタIN天王崎2025(行方市)。 いばらきの花火は、7月26日の水戸偕楽園花火を皮切りに、11月1日の土浦へとまっしぐら! 本日は、これにて打ち留めー。「いばらきの夜空に どどどーん」。(花火鑑賞士、元土浦市副市長)

幼稚園の給食に異物混入 つくば市

つくば市は18日、市内の市立幼稚園に同日提供された給食に、長さ5ミリくらい、太さ1ミリくらいの金属片と見られる異物が混入していたと発表した。18日時点で健康被害の報告はなく、他校から同様の異物混入の報告もないという。 市教育局健康教育課によると、同日午前11時30分ごろ、給食の配膳をしていた同幼稚園の配膳員が、給食のデザート「レモンゼリー入りフルーツナタデココ」を配膳中、異物が混入していることに気付いた。 デザートは同日、市ほがらか給食センター谷田部で他のメニューと合わせて調理され、市立幼稚園4園、小学校6校、中学校3校に計3317食が提供された。デザートは調理前、フルーツの黄桃とパイナップル、ナタデココ、レモンゼリーがそれぞれ別々のパウチ袋に入っており、給食センターで混ぜて、各校に提供された。 異物混入を受け、市は幼稚園4園と小中学校9校に対し、デザートの提供を停止するよう連絡。小中学校は間に合って停止できたが、他の幼稚園で園児3人がすでに食べてしまっていた。18日までに3人に体調不良などはないという。提供を停止したデザートは廃棄処分とした。 異物の混入経路については18日午後、給食センター、幼稚園、食材納入業者それぞれで混入経路を調査し、幼稚園では保健所による立ち入り調査が行われたが、同日時点で混入経路は不明という。市は22日以降、検査を行い成分を分析する。保護者に対しては18日付でお詫びの通知文を出したとしている。

クモの巣とメジロ《鳥撮り三昧》3

【コラム・海老原信一】クモの巣とメジロにいったいどんな関係があるって言うのかしら?そんな疑問が浮かんでくれたら、話し手としてはこの先の展開がしやすくなります。 10年以上も前になりますが、相も変わらず重めの機材をセットした三脚を担いで林道を「鳥さんヤーイ」と念じながらテクテクと。少し視界が開けた所に出たので三脚を下ろし、一息深く呼吸。目の前の風景に視線を向けていました。 すると、樹間を1羽のメジロが飛びぬけようと左手から右手へ。直後にはその姿が見えるはずと見ていたが、「あれ、出てこないぞ、どうして?」。途中で止まるような飛び方ではなかったのですが…。 不思議に思い、少し立ち位置を移動してみる。ありゃー、何てことだぁ~。こんなことってあるのかぁ~。なんとそこには、クモの巣に引っ掛かり、羽をばたつかせながらもがくメジロの姿が。鳥は見かけよりずっと軽量とは言うものの、この光景には驚くばかりでした。 こちらが手を出せるような場所ではないので、ハラハラしながら見守る以外には手だてなし。30秒(私の感覚的な時間)ぐらいしたところでクモの糸が切れたらしく、かの鳥は無事飛び去って行きました。体長11~12センチぐらい。体重も10グラムちょい程のメジロですから、クモの糸にからめとられたのも納得と、後から思うのでした。 羽に糸がへばり付いてしまい、飛行が困難になっていたらと思い、そうならなかったことに一安心した顛末(てんまつ)でした。(残念ながら写真はありません) 花と鳥、どっちが主役? 写真展開催時、持参したポストカードの一枚をご覧になった方の「花と鳥とどっちが主役?」の質問に一瞬戸惑いました。一呼吸おいて「確かに言われる通りかもしれないですね」。花の蜜に上からアタックするメジロ、歓迎するかのごとき妖艶な赤い花(上の写真は花と鳥の取合わせは同じですが別のものです)。 鳥を主役に撮ったつもりの私には、思いもよらない感想をいただいた訳です。人々の風雅をめでる心持ちを思えば、花と鳥はよい組み合わせと言えます。花鳥風月といった言葉もありますから、花と鳥、どっちが主役でもよいのかな。 その経験が、後々の鳥を撮影する際の心構えに大きく影響しています。誰かの一言が新しい発見となったり、自身の指針となったりって、「やっぱりあるんだなあ」と思います。耳や目をもう少しだけ動かしてみようかな。心も体も動くかもしれないから。(写真家)

土浦三 水戸葵陵に逆転負け【高校野球茨城’25】

第107回全国高校野球選手権茨城大会は18日、3球場で3回戦6試合が行われた。J:COMスタジアム土浦の第2試合では土浦三が水戸葵陵と対戦し、9回に逆転され2-3で敗れた。 18日 3回戦 第2試合 J:COMスタジアム土浦水戸葵陵 000000012 3土 浦 三 000000200 2 序盤は緊迫した投手戦が繰り広げられたが、土浦三が最後に力尽きた。「接戦を予想していて、2点ビハインドくらいまでは想定内だった。だから0-0で来たのは上出来。しかしミスからピンチを招き、全体のあせりにつながった。選手たちには5回後のグラウンド整備の時間に『受け身ではなく捨て身で行こう』と声掛けしていた」と竹内達郎監督の振り返り。 土浦三はこの日も2回戦と同様、左右のダブルエースを早いイニングで継投した。先発は左の池田翔。「後ろにもいい投手が控えているので、後を考えず1イニング1イニング全力で行く意識で投げた」と池田。3回まで散発3安打ではあったが、四球や暴投などで毎回走者を三塁まで進めてしまい、球数がかさんできたため、4回からは右の黒田広将がマウンドに上がった。 「うちは守備のチーム。打たれてもバックには頼れる仲間がいっぱいいる。ここまで1戦1勝で、遠くを見据えるのではなく目の前の1試合1試合を全力で戦ってきた」と黒田。4回は野手の送球ミス、7回には四球で走者を一人ずつ出すものの、ノーヒットのピッチングを続けてきた。 打線は相手投手の丁寧なピッチングを打ちあぐね、6回までわずか1ヒット。だが7回裏、待望の得点機が土浦三に訪れた。2死から3番・鈴木大芽が左前打、4番・黒田が右翼への二塁打。ここで相手投手が交替したが、代打の葉梨叶悠が死球で満塁とし、6番・星典蔵が左翼への二塁打を放って2点を先制した。「得意のまっすぐが来たら思い切り振ろうと思っていたら、インコースの一番打ちやすいところに来た。チームに勢いを付け、流れを持ってこれるバッティングができてうれしい」と星。 8回表には水戸葵陵が逆襲。3番打者の単打と4番打者の二塁打で1点を返し、5番打者は死球で無死一・二塁。だがここからの黒田がすごかった。6番打者を三球三振、7番打者には左前に打たれるが打球が浅いため走者はホームを狙えず満塁に。8番打者は三ゴロで本塁封殺、9番打者を三振でこの回を乗り切った。「同点までOKと言われていたが、同点にするとあせってしまうと思い、何としてもこの1点で抑えようと。自分の最大の武器であるコントロールを生かし、外を突くまっすぐと落とすスプリットを投げ分けた」と黒田。 だが9回を戦う余力は黒田に残っていなかった。順調に2死までは来たものの、3番打者に2ストライクからボール球を連発し歩かせてしまう。4番打者に左翼への適時二塁打、5番打者には左前適時打を許し、ついに逆転された。「脚がつっていたが責任感でマウンドを守らないとと思っていた。交替したときもまだ裏がある、あきらめないという気持ちだった」と黒田。竹内監督は「チームをここまで連れてきてくれたのは黒田の功績。最大の賛辞でねぎらいたい。あと一歩のところで勝利に導けず、監督として申し訳ない」と無念の表情を浮かべた。 霞ケ浦は下妻一に完封勝ち 18日の土浦、つくば地区の高校の試合結果は、J:COMスタジアム土浦の第1試合で霞ケ浦が下妻一に6-0と完封勝ちを収めた。 18日 3回戦 第1試合 J:COMスタジアム土浦霞ケ浦 000102003 6下妻一 000000000 0