土曜日, 12月 13, 2025
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自民、立憲、共産の三つどもえに 茨城6区 衆院選公示

第50回衆院選は15日公示され、27日の投開票に向けた12日間の選挙戦が始まった。茨城6区(つくば、土浦、石岡市など)で立候補を届け出たのは立憲前職で3期目を目指す党副幹事長の青山大人氏(45)、共産新人で党南部地区委員を務める元つくばみらい市議の間宮美知子氏(77)、自民前職で3期目を目指す元総務政務官の国光あやの氏(45)の3氏。

コロナ禍の前回2021年は、野党共闘により、国光氏と青山氏の一騎打ちとなったが、国光氏が約12万超と、青山氏を約1万2000票上回る得票を得て逃げ切った。青山氏は比例で復活当選した。今回と同じ三つどもえだった前々回2017年は、国光氏が約10万票超で初当選、青山氏(当時は希望の党)は約9万7000票ときん差で敗れたが、比例復活で初当選した。古沢喜幸氏(共産)は約2万票だった。

「望まぬ用途に税が使われるのを正す、大切な選挙」

青山大人 45 立憲前② 党副幹事長
【略歴】土浦市出身、土浦一高、慶応大学経済学部卒。国会議員秘書、県議2期、2017年比例復活で初当選。党県総支部連合会代表、党幹事長部局副幹事長
【公約】①時限的消費税減税など内需主導型経済対策②危機管理に投資しリスクを最小化②教育無償化、看護・介護・保育・教育現場の処遇改善など人への投資

青山氏は午前11時半、土浦市乙戸の街頭で第一声。土浦市議の下村寿郎氏、奥谷崇氏、矢口勝雄氏、栁澤健二氏らが応援に駆け付けた。

青山氏は今回の総選挙を「税の配分を問う重大な選挙」と位置付け、「物価、税金、社会保険などの負担がずるずると上がっている。政治全体を大局的に見て、一旦歯止めをかけるべき」と訴えた。一例が5年間で防衛費を43兆円増やす政府方針。「日本をとりまく安全保証環境の変化は承知しているが、必要に応じてではなく中身を何も決めていないうちに増額だけを勝手に決めるのはおかしい。霞ケ浦医療センターなどの旧国立病院はどこも老朽化で建て替えが必要で、国立病院機構では貯金を進めてきたが、それを防衛費に回すのは納得がいかない」

過去最高を更新する国の税収をどう経済再生に結び付けるか。その切り札が立憲民主党の消費税還付法案だという。「一度消費税をしっかり下げ、実質賃金が物価高を超える段階までは内需拡大を目指す」教育・子育てでは独自の国債発行を、農業では個別補償制度の充実を唱え、「裏金で脱税した議員らが自民党の公認をもらえずに出馬を取りやめたが、政治家とはそんな軽いものじゃない。政党のためではなく地元の声を国に届けるのが役割」と話した。この日は坂東市など県西方面を遊説後、土浦市のホテルで出陣式を行った。

「一人ひとりの懐を良くすれば経済は回る」

間宮美知子 77 共産新 党南部地区委員
【略歴】つくばみらい市出身、東京都立大卒。東京都江戸川区、足立区の中学校教員。茨城県立養護学校教員。JICAシニアボランティア。つくばみらい市議1期。
【公約】①戦争準備でなく平和構築を②物価高騰から暮らしと経済を立て直す改革を➂原発推進止め原発ゼロ、脱炭素社会に切り替え④人権が大切にされるジェンダー平等社会

間宮氏は午前10時、つくば市竹園の大清水公園で第一声。二見伸明元衆院議員が応援に駆け付け「間宮さんと一緒にやりたいことが3つある。東海第2原発の廃炉を実現する、日本を核武装に巻き込まない、食を守る、農業を守る」ことだと話した。

間宮氏は「石破さんが首相になった途端、解散総選挙をするのは、自民党候補が受かってしまえば裏金事件はちゃらになるという思惑から」だと批判。自身について「38年間教員をやって、50歳の時、母の介護のため教員を辞めた。介護のため自分の全財産を使ったので、10年間JICAのシニアボランティアをやった。大変だったが自分の支えになっている」などと話した。

さらに「今。物価高で、買い物の金額に驚く。年金は少しずつ減らされ、この夏暑くてクーラーの電気代に驚いた。庶民の生活実態を自民党の政治家に何としても分かってほしいという思いで立候補した」と述べ、「(共産党は)国民の生活、国民の暮らしを良くする方向に税金を使う。大幅な賃上げをし、消費税を5%に戻し、学費を値下げするなど、一人ひとりの懐を良くすれば経済が回っていく。自公政権はアメリカ言いなり、大企業言いなりで、軍事費の倍増計画を進めている。国民の生活と安全を守ることが政治」だなどと訴え支持を求めた。

「6号渋滞緩和、霞ケ浦医療センター整備など仕事する」

国光あやの 45 自民前② 元総務政務官 公明推薦
【略歴】山口県出身、長崎大学医学部卒。勤務医、厚労省医系技官、同保険局医療課課長補佐。2017年、丹羽雄哉氏の後継者として初当選。第2次岸田内閣で総務政務官。
【公約】①物価等に連動した年金受給額のさらなる引き上げ②国道6号バイパスの整備促進➂霞ケ浦医療センターの整備実現

国光氏は午後3時から、土浦市藤沢、新治運動公園で出陣式。上川陽子前外相が応援に駆け付けた。厳重な警備体制が敷かれた中、上川氏は国光氏について「声なき声を聞ける人」と持ち上げ、「2期で大きな仕事をやってきた。大丈夫だろうでなく、3期だからこその壁を乗り越えさせていただきたい」などと支持を求めた。自民党の加藤明良参院議員、伊沢勝徳元県会議長のほか、公明党県本部幹事長の八島功男県議らも駆け付けた。

国光氏は「コロナから日常が戻ったが、次なる危機がやってきた。物価高にすべての人が困っている。何とかしたいと取り組んできた。バブル期以降、過去最大の年金引き上げを成し遂げたが、まだまだ足りない。来年4月もしっかり引き上げたい」などと述べた。地元の課題に対しては「県南は人口が伸びている地域だが渋滞がひどい。国道6号の渋滞を緩和したい。霞ケ浦医療センターの整備はコロナ禍で遅れてしまったが予算を確保することができ、内部から整備が始まっている。恋瀬川や桜川の河川整備も進めている」などと話し「私は皆さんの課題を解決する職人。しっかり仕事をしてなんぼのもの。仕事をする力はだれにも負けない」などと訴え支持を求めた。16日は岸田文雄前首相がつくばに駆け付ける。

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