金曜日, 12月 26, 2025
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雨情とつくばセンタービル《映画探偵団》81

【コラム・冠木新市】2025年にやる『雨情からのメッセージⅢ』のイベントを準備中である。10月26日には、依頼を受け『つくつくつくばの七不思議/つくばセンタービルの事件簿』の講演をする。一見、雨情とつくばセンタービルとは関係ないようだが、私の中では七不思議とつながっている。

当初11月の開催予定が10月になった。26日は、つくば市長・市議選挙の前日に当たる。きっと各候補者がセンタービル付近に集まりにぎやかになることだろう。

1985年、つくば科学博覧会が開かれた年に、ロバート・ゼメキス監督のSF映画『バック・トゥ・ザ・フュ一チャ一』が公開された。時は1985年、所はカリフォルニア州ヒルバレー(架空の都市)。高校生のマ一ティは、ドク博士が全財産をつぎこみ製作した車型タイムマシーン・デロリアンで過去へとタイムスリップする。

その記念すべき日が10月26日なのだ。また着いた1955年の町では、市長選の真っ最中である。講演日と市長選の現実が映画の内容と偶然に重なる。

雨情との対話

そんなある日、夢を見た。センタービルでタバコをのむ小柄なちょびひげの壮年を見かけた。

「あのー、もしかして野口雨情さんではありませんか?」

「いやぁ、これは初めまして。野口雨情でやんす。『筑波節』を広める活動をしているあなたがセンタービルの話をすると聞き、あの世からやって来たのでやんすよ」

「恐縮です。でも雨情さん、ここは禁煙なんですが…」

「おや、これは失礼。水戸芸術館には喫煙場がありましたがな」

「水戸芸術館にも行かれたのですか」

「行きやした。私は建築の専門家ではありませんが、磯崎新さん設計のセンタービルと水戸芸術館は対の構造になっている感じがしましたな」

「センタービルの印象はいかがですか」

「見た目は西洋風ですが、中心の何も無い虚(うつ)ろな広場を見ていると、極めて日本的な建物だと思いやんした」

「実は4年前、広場に屋根やエスカレーターを付けたり、外壁を変えたり、階段を削ったり、10億円弱かけた改造計画がありました」(映画探偵団33参照

「えっ、少しも古くなってないじゃありませんか。で、どうなりました」

「市民の反対を受けて、改造計画は撤回され、内装のみとなりました」

「それはようござんした。用意された改造費用もだいぶ節約になったんでござんしょう」

「それが、屋根やエスカレーターがなくなっても、予算は変わらずでした」

「う一ん、しかし選挙があるみたいですから、改造計画を進めた議員さんは、市民から批判を浴びるのではありませんか」

「さぁー、どうでしょうか。日本人は忘れぽいですからね。『筑波節』を作曲した藤井清水さんは、『私は地味でも(略)どこまでも日本人の音楽を創っていく。百年後には理解する人も出てくるであろう』と言われましたが、筑波節はあと5年、センタービルはあと60年ぐらいかかるのではないでしょうか」

「私の歌を知る人も少なくなりましたか?」

「雨情さんの童謡は今でも歌われていますよ」

「だが私の民謡を知る人は少ない」

「でも雨情さん、歌も建物も愛する人が1人でもいれば、いつかきっと理解する人が現れてくると思います」

「ありがとうさん。ところでセンタービルを設計した磯崎さんは?」

「2年前に亡くなりました。亡くなる前に、センタービルを守ってくれてありがとう、との伝言がありました」

「それはようござんした。今度、磯崎さんと会って話をしてみましょう。サイコドンハ トコヤン サノセ」

「あ、先に言われちゃった」(脚本家)

講演『つくつくつくばの七不思議/つくばセンタービルの事件簿』
 日時:2024年10月26日(土)10時30分〜12時
 場所:つくば駅前コリドイオ大会議室
 参加費:1000円
 申込先:cocolabo.2024@gmail.com 090-8315-3775(町田)

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つくば駅前に大型ディスプレイ登場 イルミネーションと共ににぎわいを

オフィスビル「T.S BUIL」 つくば駅前のオフィスビル「T.S BUIL」(同市吾妻)のペデストリアンデッキに面した2階部分の壁面に21日、縦2.5メートル×横4.4メートル、200インチの大型ディスプレイがお目見えし、クリスマス関連の映像が放映されている。 22日夜からは同ビル恒例のクリスマスイルミネーションも加わり、道行く人たちの目を楽しませている。駅前をもっとにぎやかにしたいと、同ビルを所有する不動産業の都市開発(塚田純夫社長)が新たに大型ディスプレイを設置した。 ディスプレイの設置工事は14日から始まり、1週間の工事期間を経て21日から放映が始まった。毎日正午から夜9時まで映像が流れる。クリスマスの現在は、クリスマスにちなんだクイズやイルミネーション点灯のお知らせなどが流れ、26日以降は年越しに関する映像に変わる。 今後は市の情報や警察関連情報、防災情報なども放映していく予定だ。「屋外広告物」という扱いのため、大きな音を出し大勢の人が集まるコンサートやパブリックビューイングを行うためには今後、市と相談しながらになるという。 イルミネーションは来年1月12日まで点灯する。3年前に始まり、昨年同様、同ビルのペデストリアンデッキに面する2階エントランスのガラス張り壁面全体がLEDで装飾され、ショーケースの中にはサンタクロースや雪だるま、トナカイ、クリスマスツリーなどが飾り付けられている。 ディスプレイに見入っていた市内に住む60代女性は「大型のディスプレイにびっくりした。世の中に季節感がなくなってきた時代なので、こんな感じでクリスマスなど季節を知らせてくれるのはありがたい。ディスプレイの前のペデストリアンデッキは広くなっているのでコンサートでもやってくれたら」と話す。近くの職場に通う50代の男性会社員は「ずっと殺風景だったので、とても良いと思う。どんどんにぎやかにすることをやってほしい」と話していた。 都市開発の霞学部長は「つくば駅前にあるつくばセンター広場のにぎわいづくりに協力出来たらということでやっている。防災も重要なので、行政の防災の取り組みに協力し、防災に関することも放映していきたい」と語る。また「今年、1階にスタジオを移転したラヂオつくばの中継も可能なので、ディスプレイで何が放映できるか考えていきたい」と述べる。 現在放映している映像の制作は20代の同社若手社員が担当した。管理部の藤沢花恋さんは「グラフィックデザインのソフトを使って動画を作ったが、初めてだったので大変だった。デザインなどは不慣れだが担当させてもらい、いい経験になった。今後の展開も考えたい」と話した。設置業者とのやりとりや申請業務など担当した営業部の高橋開人さんは「人が集まる場所が出来ればとてもうれしい」と述べた。(榎田智司)