関東サッカーリーグ1部第17節、ジョイフル本田つくばFC対ヴェルフェ矢板(本拠地・栃木県矢板市)の試合が22日、つくば市山木のセキショウ・チャレンジスタジアムで開催され、つくばが2-1で勝利した。つくばはこれで7勝5分5敗、勝ち点を26に伸ばし3位をキープ。次の最終節は10月6日、セキショウ・チャレンジスタジアムで桐蔭横浜大学FCと対戦する。
第58回関東サッカーリーグ1部 第17節(9月22日、セキショウ・チャレンジスタジアム)
ジョイフル本田つくばFC 2-1 ヴェルフェ矢板
前半1-1
後半1-0
今節を終えて、つくばは5戦負けなしで2連勝と好調を維持。4位の南葛SCに対し勝ち点5差をつける一方、上位では首位のボンズ市原FCが勝ち点43、2位の東京23FCが同39に伸ばしており、つくばは3位が確定。JFL(日本サッカーリーグ)昇格の望みもすでに断たれた。敗れた矢板は勝ち点13で最下位を脱することができず、6年ぶりの関東1部で苦戦中だ。
試合は前半5分につくばが先制。左サイドから仕掛けて相手守備を引き寄せたところで大きく右へ展開、MF河島雪大とのパス交換でDF石原大樹が抜け出し、ゴールライン際からマイナスのクロス。これをFW宮本英明が頭で叩き込んだ。
「石原ならあそこに出してくれるという共通理解があった。だからわざと入り過ぎず止まって待ち、思った通りのボールが来た。2人で1年間積み上げてきた形が出せた」と宮本。昨季はけがに悩まされたが、今季は良いコンディションを維持し、「自分の中で一番いいパフォーマンスを出せている」という。
この辺りの攻防について、左MFの郡司侑弥は「自分が中間ポジションを取ることで相手DFを中に寄せ、外にサイドバックが上がれるスペースを作るプランだった。だが相手は自分のサイドに蓋をしてきたので、右へ展開する形をとった」と解説。「相手の中央の守備が緩いときは、縦のドリブル突破やクロスなど、自分の持ち味も出すことができた」とも話す。
その後もつくばはチャンスを作るが追加点は得られず、34分に同点ゴールを奪われる。後がない矢板は球際をタイトにし、スピードに乗った攻撃で襲いかかってきた。「守備で相手にスペースを与えてしまい、失点場面ではパスの出し手へのプレッシャーが甘くなった」と副島秀治監督は悔やむ。
後半は全体をコンパクトにし、相手にスペースを与えない形に修正。守備の背後を突いてロングボールに河島が飛び出すなど、攻撃のバリエーションも増やした。すると12分、つくばに勝ち越しゴールが生まれる。コーナーキックの流れからDF高橋琉偉が中央でシュートを放ち、相手GKがこぼしたボールをDF今井涼成が左足で決めた。今井は今季移籍し初ゴール。「セットプレーでの得点は僕の役割。常に狙っている。目の前にいいボールが来たので流し込んだだけ。うまく反応できてよかった」との振り返り。
「もう少し点を取れるゲームだったが、相手も必死にプレーしてきた。隙を見せるとカウンターやセットプレーがあるので粘り強く守りながら、最後まで崩せるシーンをつくれた」と副島監督。「ホームの声援が後押しとなり、一人一人の積み重ねがゴールという結果になって表れた」という今日のようなゲームを、次の最終節でも期待したい。(池田充雄)