筑波大学芸術系の卒業制作作品のうち、特に優れた作品を展示する「筑波大学アート・コレクション展 TURNING POINT(ターニング・ポイント)」が土浦駅前の同市大和町、アルカス土浦1階市民ギャラリーで開かれ、絵画や造形など卒業生の力作16点が展示されている。同大アート・コレクション展の土浦市での開催は初めて。
決意表明の作品
日本画や彫塑(ちょうそ)、書、版画、総合造形など、14の領域を有する筑波大学ならではの多様なジャンルの作品が展示されている。第11回MOE創作絵本グランプリを受賞した絵本作家、塩満幸香さんの油彩画「Sit down, please.」や、多摩美術大学講師の陳芃宇さんの日本画「The End・Be Start」、宇都宮大学准教授の株田昌彦さんの油彩画「排気4000 Ⅰ,Ⅱ」など横幅2~4.5メートルの大作や、映像作家浅井佑子さんの映像作品「make-up」なども見ることができる。

いずれも同大で「芸術賞」と「茗渓賞」として1999年から2018年までに表彰された受賞作だ。「芸術賞」は1997年度、「茗渓会賞」は2006年度に始まった表彰制度で、これまで120点余りの作品が受賞している。受賞作品は毎年大学が買い上げ、「筑波大学アート・コレクション」として収蔵されている。卒業制作は、芸術を志す若者が、自身の今後の方向性を宣言する決意表明の作品でもある。
土浦市の友人と一緒につくば市から訪れた須藤スミ子さんは「これまでヨーロッパやアメリカなど16カ国の美術館を訪れているが、遜色なく、プロ並みの力作ぞろいで迫力があり、驚いた。若い人たちにがんばってほしい」と話し、展示された工芸作品などに見入っていた。

市民美術展、県内一の歴史
土浦市は、市民公募型の美術展「土浦市美術展覧会」が1947年に始まり、県内一の歴史ある美術展として知られるなど、県南の芸術文化の中心地となってきた。しかし少子高齢化が進む近年は、創作活動をする市民作家が減少しているという。若い感性で創り出された作品に触れることで土浦市の芸術文化振興の新たな萌芽のきっかけにしたいと同市が展示を企画した。
企画した同市文化振興課の若田部哲さんによると、ターニング・ポイントというタイトルには、展示された作品が学生の卒業後の方向性を決め、大きな転機となったという意味と、同展が土浦の芸術文化への意識を変える転換点になればという思いが込められているという。「芸術系を目指す若い人たちにぜひ見に来てほしい。土浦の高校生にも見てもらえたら」と来場を呼び掛ける。(田中めぐみ)
◆会期は10月20日(日)まで。開館時間は午前10時~午後6時。月曜日は休館(祝日を除く)。入場無料。土浦市民ギャラリーは、土浦市大和町1-1、土浦市立図書館1階。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)。