来春、普通科が新設され科学技術科と2学科になる県立つくばサイエンス高校(つくば市谷田部、石塚照美校長)で10日、夏の学校説明会が開かれた。つくば市や近隣の中学3年生と保護者など338組から参加申し込みがあり、約700人の親子連れが参加した。
人口増が続くつくば市で高校不足が指摘される中、同校は改編から2年連続で定員割れとなっていた。普通科新設により来春の志願者がどのくらいになるかが注目されている(5月24日付 )。
説明会では、普通科も科学技術科と同様、地元の国公立大学や都内の有力私立大学(GMARCH=ジーマーチ)への進学を目指すことのほか、入学願書出願時に普通科と科学技術科をそれぞれ第1志望、第2志望などとして出願できることが新たに示された。
石塚校長は、県内初の特徴として①科学技術科がある②ノーベル物理学賞受賞者の小林誠高エネルギー加速器研究機構特別栄誉教授が9日、同校の名誉校長に就任し、講演会などの特別授業がある➂現在2人いるサイエンスアドバイザーがさらに増える④普通科、科学技術科両方の志願が可能で、第1志望を科学技術科、第2志望を普通科などにできる、などと話した。
ほかに、普通科は「総合的な探求の時間」の代わりに1年次は「理数探求基礎」、2年次は「理数探求」を履修し、探求の過程を通して課題解決するために必要な基本的な資質や能力を養う、修学旅行は今年は沖縄だが来年は台湾に行くーなどと述べた。
参加者が多いことから、説明会は2グループに分かれて開催。参加者は16教室に分かれ、各教室に設置された大型のディスプレイで石塚校長らの説明や学校生活の様子を聞くなどした。
続いて校内の施設を見て回り、分析機器や顕微鏡など実験機器などが整った校内で、在校生らの案内を受けながら、ロボットを作る操作をパソコンで体験したり、ドローンの操作を見学したり、気象衛星の観測データを受信したりする様子を見るなどした。
つくば市内から母親と参加した男子中学生は「兄が(同高の)3年生で、学校の雰囲気がいいと聞いているので、普通科に入りたい」と話し、同じつくば市内の女子生徒は「第一志望は科学技術科。ちょっと難しそうだけど、ワクワクの方が勝っている。楽しそう」と話していた。牛久市から参加した男子生徒は「ロボットか、情報処理か迷っている。願書を出すまでに考えたい」などと話していた。
石塚校長は「皆さん、目を輝かせて説明会を聞き、施設をご覧いただいた。反応は良かったと思う」と話し、県教育庁高校教育改革推進室の増子靖啓室長は「普通科をつくるので、魅力ある学校を見ていただければ」と話していた。
次回の学校説明会は10月12日実施される予定。(鈴木宏子)