月曜日, 11月 17, 2025
ホームコラム恐竜の星《短いおはなし》29

恐竜の星《短いおはなし》29

【ノベル・伊東葎花】

眠れないのかい? そうだよね。窓の外はいつも真っ暗だ。
朝か夜かもわからない。宇宙旅行とは、そういうものだ。
どれ、父さんが話をしてあげよう。
いつかお前に話そうと思っていた話だ。

これは、ある星の話だ。
恐竜と人間が共存する、不思議な星の話だ。
ずっとずっと大昔に、地球の恐竜が絶滅した。
神様は、絶滅前に何頭かの恐竜を他の星に移住させた。
このまま絶滅させては可哀想(かわいそう)だと思ったんだろう。
共食いをされては困るから、草食恐竜ばかりを選んだ。

自然豊かなその星で、恐竜は穏やかに暮らした。
やがて人間が誕生して、暮らしも進化していった。
しかしその星の人間は、恐竜の領域を侵すことはしなかった。
先住民である恐竜を敬い讃(たた)えていたのだ。
また恐竜も、人間の暮らしを脅かすことはなかった。
お互いに、上手(うま)く共存していたんだ。

たくさんの時代を超えて、科学は進化した。
そしてその星に、地球人がやってきた。
地球人は驚いた。
絶滅した恐竜が、そこにいたからだ。
地球人は、恐竜を何頭か譲ってくれないか、と頼んだ。
しかしその星の住民は断った。どんなに大金を積まれても断った。
恐竜にとって、この星を出ることは幸せではないと思ったからだ。

地球人は諦めた。
しかしひとりだけ、どうしても諦められない男がいた。
恐竜が大好きな研究者だ。
男は恐竜の生息区域に忍び込み、卵を盗んだ。
そして何食わぬ顔で地球に帰ったのだ。

男は自分の研究室で、卵を大切に育てた。
やがて見たこともない恐竜が生まれた。
大変高い知能を持った恐竜だ。人間の言葉を理解し話すことができた。
恐竜も進化していたのだ。

男は、まるで我が子のように恐竜を可愛(かわい)がった。
恐竜も男を父親だと思った。
男にとっても恐竜にとっても、それは楽しい日々だった。
しかし恐竜は、どんどん大きくなった。
まだ1年足らずで男の背を追い越した。このままではいずれ天井に届いてしまう。
食べ物だって、あの星ほど豊富ではない。
研究室で育てるには、限界がある。

男は、自分の愚かさに気付いた。
愛(いと)しい。とても愛しいけれど、恐竜を故郷に返すことにした。
これ以上大きくなったら船に乗せることができなくなる。
だから急いで出発した。
最愛の息子と、最初で最後の宇宙旅行だ。

「お父さん、もしかして、その恐竜がボクなの?」

「ああそうだ。お前はやっぱり賢い子だな」

「もう一緒には暮らせないの?」

「暮らせない。父さんは罪人だ。罰を受けなければならない。ごめんよ。お前には本当に悪いことをした」

「でも、ボクはお父さんが好きだよ」

「ありがとう。さあ、もうすぐ到着だ。少し眠りなさい」

愛しい息子は、ざらついた舌で、私の涙をそっと拭った。

(作家)

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