第106回全国高校野球茨城大会は12日目の20日、4回戦4試合が行われた。ひたちなか市民球場ではつくば秀英が竜ケ崎一と対戦、7回コールド 9-0と投打で圧倒し、準々決勝進出を決めた。
つくば秀英は、前回の日立商業戦で9回を2安打無失点と完璧な投球で抑えたエース羽富玲央が、中二日で先発した。
羽富は初回に竜ケ崎一の先頭打者、植竹悠真に四球を与えたが、続く伊勢山禅をセカンド併殺打に打ち取り、さらに黒岩悠人を三振に仕留めた。2回には、ヒットで出塁した平沢陸斗にバントで2塁に進塁されるが、続く吉満大葵をサードゴロ、野口侑真を三振に仕留め、ピンチを切り抜けた。
その裏つくば秀英は、吉田泰規が死球で出塁すると、続く大石隼也がチーム初ヒットをセンター前に放ち、ランナー1、2塁とチャンスを広げた。続く稲葉煌亮がバントで送り、知久耀のサードゴロの間に吉田泰が先制のホームイン。さらに羽富が四球で1、3塁となり、佐々木将人がセンター前にタイムリーを放ち2点をリードする。
3回表終了後の午後1時50分、雷が近づき試合は中断。その後激しく降り出した雷雨で、試合は2時間5分中断した。午後3時55分にグランド整備を終えて試合が再開されると、待ちわびたスタンドから拍手が鳴り響く場面もあった。
つくば秀英は再開直後の3回裏、2四球で1、2塁のチャンスに、知久が右中間にタイムリー2塁打を放ち2点を追加。5回にも1点を追加し試合を決定付けた、6回には小久保良真、吉田泰、大石のタイムリーで駄目押しの4点を入れた。
投げては羽富が固い守りに助けられ、6回まで毎回走者を出しながらも粘り強く要所を抑え、竜ケ崎一打線を4安打無失点に抑えた。7回は石塚大志、中郷泰臣の完封リレーで準々決勝進出を決めた。
つくば秀英の櫻井健監督は「中断が入った難しいゲームだったが、再開後も変わらずいい試合だった。中断開けに2点入ったのがよかった。前回(日立商業戦)ロースコアのゲームをものにでき、守備をしっかりしていれば点は入る。0に抑えたのが大きい。コールドになったが次の試合は入りが難しい。守りをしっかりして、振りが大きくならないようにコンパクトにいきたい」と話した。
羽富、石塚、中郷の3人の投手を好リードで支えた捕手の稲葉は「チーム内で全試合3失点以内に抑えることを目標にしていて、羽富はヒット、四球を出したが粘り強いピッチングが出来た。3人とも難しく考えず、ゾーンの中でそれぞれ自分の長所を活かした投球が出来た。次の試合も先を見ず一戦必勝で全力で勝つ」と意気込みを語った。
知久に代わって4番に入り2安打1打点と活躍した吉田泰規は「いつもと変わらずしっかりチームに貢献出来た。中断中は継続試合も考えたが、再開してからも気持ちを切らさなかったのがよかった。次もこれまでと同じく一戦必勝で勝ちにいく」と抱負を語った。
つくば秀英は23日の準々決勝で、茨城キリストと下妻一の勝者とノーブルホーム水戸で対戦する。(高橋浩一)