第106回全国高校野球茨城大会は10日目の17日、4つの会場で3回戦8試合が行われた。ひたちなか市民球場ではつくば秀英が日立商業にサヨナラ勝ちし、4回戦進出を決めた。
日立商業は1回戦で茨城高専に延長11回タイブレークの末4−3でサヨナラ勝ちし、2回戦では東海高校に13−3で6回コールド勝ちと勢いがある。つくば秀英は日立商業を相手に「うちで一番いい投手を出す」(櫻井健監督)と決めて、エース羽富玲央投手が先発のマウンドに上がった。
羽富は1、2回を三者凡退に抑え、完璧な立ち上がりを見せると、打線は2回2死から稲葉煌亮がセンターにチーム初安打を放つ。が、続く石塚大志が凡退。6回には先頭の佐々木将人が四球で出塁すると、バントと相手投手のボークで1死3塁のチャンスをつかんだ。しかし続く吉田泰規、明石理紀斗が凡退。7回にもエラーで出塁した大石隼也が3塁に進みチャンスを広げるも、あと1本が出ず無得点に終わった。
7回まで日立商業打線を無安打、無四球と完璧に抑えていた羽富は8回、先頭打者 檜山にレフトへ初安打を許すが、後続を抑え、9回にも2死2塁とピンチも切り抜けた。
つくば秀英はその裏、吉田泰、明石の連続安打で無死1、2塁のチャンス、代打河嶋玲凰がバントで送ると、続く大石がライトにタイムリーを放ちサヨナラ勝ちを決めた。
大石は「代打河嶋がバントを決めてくれたので自分で決める気持ちで打席に入った。打ったのはスライダーの抜け球。感触はあった。打てて良かった。守備からリズムをつかみ、落ち着いてやり、みんながつないでくれた。最後まで自分たちの野球を貫けたし、羽富がしっかり投げてくれた」とほっとした表情で話した。
9回102球を投げ、被安打2、5奪三振、無四死球と見事な投球を見せた羽富は「最後の夏。負けたら終わりなのでハラハラした。カーブを中心に投げ、うまくコントロール出来た。点を取られないことを意識した。打たれても守ってくれるので安心して投げられた」と鉄壁な守備をたたえた。佐々木主将は「羽富が良いピッチングをしてくれた。最後は自分たちの気持ちが勝った。次の試合も今まで通り一戦必勝で頑張る」と意気込んだ。
櫻井健監督は「結果的に勝ててほっとした。初戦はコールド勝ちしたので次の試合は難しくなると想定はしていた。羽富は集中してしっかり投げてくれた」と話した。
つくば秀英の4回戦は20日、竜ケ崎一高と対戦する。(高橋浩一)