水曜日, 10月 9, 2024
ホームスポーツ土浦工業、清真学園に敗れる【高校野球茨城'24】

土浦工業、清真学園に敗れる【高校野球茨城’24】

第106回全国高校野球茨城大会は4日目の9日、1回戦最後の試合が行われた。ノーブルホーム水戸では、土浦工業が清真学園と対戦、7回コールド 0-8で敗れた。

捕手、投手としてチームを引っ張った山口泰人主将 

土浦工業は昨秋と今春の地区予選は合同チームで出場。今夏は1年生が多く入部し単独での出場を果たした。チームを支えるのはエースの渡辺心輝と主将の山口泰人の3年生バッテリー。「気持ちをしっかり出し、チームとして最高の状態で清真学園に挑んだ」(山口)。

初回、土浦工業は、先発のエース渡辺が3安打と四球で1点を先制された。その裏、1死後四球で出塁した川野彪雅が2塁盗塁に成功し、渡辺がライトにチーム初ヒットを放って1死1、3塁と好機を広げた。しかし後続が凡退。渡辺は2回にも1失点し2点のリードを許すが、その後は走者を出すものの要所を押さえ味方の反撃を待った。

ベンチから声援を送る土浦工業の選手たち

4回、土浦工業は四球3つで2死満塁の好機に助川誓哉がセーフティスクイズを試みるも凡退。5回には渡辺が2本目のヒットを放ち2死1、3塁とチャンスを広げるが、あと1本が出ず無得点に終わった。

これに対し清真学園は7回に4安打、4四球、1エラーで大量6点を追加し、試合を決めた。

土浦工業の久保田昌倫監督は「3年生2人、2年生3人での合同チームの時の保護者、先生が見に来てくれた。週末、長期休みは合同で練習してくれて感謝している。平日は合同練習での課題を全体で練習してきた」と関係者に感謝の意を表した上で、「清真学園の先発、川口投手が良いのはわかっていたが勝負できるところで点が入れられなかった。相手は守備がしっかりしていてバントをしっかり決めて一枚上手だった」と振り返った。さらに「2人の3年生がいなければ野球部はつぶれていた。2人が礎を築いてくれた。1、2年生が今日の経験を生かして来年につなげてくれれば3年生への恩返しになる」と語った。

試合後スタンドへのあいさつを終えて引き上げる土浦工業の選手たち

先発した渡辺心輝投手は「無駄なボール、四球を多く出してしまって悔しい。自分が取られた点は自分のバットで取り返そうとしたがランナーを返せなかったのが悔しい。相手が上回った。自分たちの力負け。来年は1、2年生に悔しさを晴らしてほしい」と後輩たちにリベンジを託した。山口泰人主将は「これまでの厳しい練習に1年生が付いてきてくれた。監督とこの環境で野球を続けてこられて幸せだった」と涙にくれながら話した。(高橋浩一)

声援を送る土浦工業の応援席

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

コメントをメールに通知
次のコメントを通知:
guest
最近NEWSつくばのコメント欄が荒れていると指摘を受けます。NEWSつくばはプライバシーポリシーで基準を明示した上で、誹謗中傷によって個人の名誉を侵害したり、営業を妨害したり、差別を助長する投稿を削除して参りました。
今回、削除機能をより強化するため、誹謗中傷等を繰り返した投稿者に対しては、NEWSつくばにコメントを投稿できないようにします。さらにコメント欄が荒れるのを防ぐため、1つの記事に投稿できる回数を1人3回までに制限します。ご協力をお願いします。

NEWSつくばは誹謗中傷等を防ぐためコメント投稿を1記事当たり3回までに制限して参りましたが、2月1日から新たに「認定コメンテーター」制度を創設し、登録者を募集します。認定コメンテーターには氏名と顔写真を表示してコメントしていただき、投稿の回数制限は設けません。希望者は氏名、住所を記載し、顔写真を添付の上、info@newstsukuba.jp宛て登録をお願いします。

0 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img
spot_img

最近のコメント

最新記事

稲敷市の「江戸崎まんじゅう」店《日本一の湖のほとりにある街の話》28

【コラム・若田部哲】1929年創業、稲敷市の老舗和菓子店「青木菓子店」。看板商品である、農林水産大臣賞受賞の「江戸崎まんじゅう」をはじめとする様々なお菓子が、稲敷市の代表的銘菓として広く親しまれています。今回は、現在の当主である3代目の青木利浩さんにお話を伺いました。 江戸崎まんじゅうは、一見するとお土産ものでおなじみの茶色い温泉まんじゅう。ですが、一口食べれば違いにビックリ。しっとりしつつ、ふうわり柔らかな皮と、こし餡(あん)のバランスが絶妙です。一度に大量に購入していくお客さんが多いのも、さもありなんというもの。 そのおいしさの秘密を伺うと「一般的なおまんじゅうの3~4倍、手間と時間をかけて丁寧に製造しているところです」と青木さん。味はもちろんのこと、蒸籠により強く蒸し上げる昔ながらの製法でないと作れない、しっとりとした食感も重要なポイントだそうです。 夏は1日1500個、寒い時期には2000個以上も売れるというこのおまんじゅう。それだけの手間がかかるものを作り続けるのはさぞ大変なことと思いますが、青木さんは「自分が食べておいしいと思うまんじゅうになるように」と、日々さらなる技術の向上を心がけているとのこと。 どら焼き、黒どら、青栁も 他にも様々な定番商品と季節商品があり、江戸崎まんじゅうに次いで「どら焼き」「黒どら」「青柳」の順に人気とのことですが、私のイチオシはどら焼き! おいしいパンケーキのような皮と、餡のコラボレーションは、ワンダフルなおいしさです。草餅や水無月(みなづき)といった季節ごとのお菓子もおいしいので、ぜひ折々にお求めになり、コンプリートしてみてください。 ご家庭で甘味を心ゆくまで楽しむも良し、贈答にも良しと、使い勝手バツグンな稲敷市の名店。茨城県南の味として、ぜひお楽しみください。(土浦市職員) <注> 本コラムは「周長」日本一の湖、霞ケ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。 ➡これまで紹介した場所はこちら

名称変更し「筑波嶺会」美術展開幕 筑波銀行ギャラリー

油彩画、水墨画など70点を展示 筑波銀行の退職者でつくる筑波嶺会 土浦支部美術展が9日、つくば市竹園の筑波銀行つくば本部ビル2階ギャラリーで始まった。今年6月に会の名称を筑波銀行OB会から筑波嶺会に変更して初めての開催となる。同会に所属する22人が、退職後に制作した油彩画、水墨画、写真、書、彫刻、陶芸など約70点を展示している。 これまでのOB会という名称は男性を対象とする言葉であることから、名称を変更した。筑波山は男体山と女体山の二つの嶺からなる名山であり、男女等しく活躍する組織を目指すという意味から「筑波嶺会」とした。 同銀行は2010年に関東つくば銀行と茨城銀行が合併し誕生した。水戸支部、下妻支部、土浦支部の3支部があり、今回、昨年に引き続き土浦支部が主催した。メンバ―は60代後半から70代後半が中心という。 糸賀士さんは、彫刻「七福神一刀彫」を3点展示する。1本の小刀で彫る一刀彫という技法を使いた。1体出来上がるまで2カ月かかるという労作だ。「(七福神なので)全部で7体作らなければならないので、これからもずっと続けていきたい。七福神は福を寄せると言われていることからも、作品を作り、みんなに幸せになってもらえれば」と語った。 松葉統子さんは陶芸部門で「落ち葉皿セット」など9点を展示する。「小学校のPTAをやっている時に陶芸と出合った。今では窯が使われなくなり、作ることが出来なくなった作品も展示している。今回は還元焼成や酸化焼成など、いろいろな手法を使ったものを並べている」と語る。 筑波嶺会会長の徳宿彰さんは、水墨画の作品「カラマツの全景」など3点を制作し展示する。「水墨画は退職後に始めたが、奥が深いのでこれからも続けていきたい」と語り、「数ある銀行の中でもこうした芸術を愛好する退職者の会があるのは稀有(けう)なこと。親睦を深める中で作品の質も高めていけたら」と述べた。 同土浦支部美術部会長の染谷則嘉さんは「今年も昨年に引き続き開催出来て大変うれしい。ただ、高齢になったり、引っ越したりして会員が減っており、昨年より3名減となった。今後は新しいメンバーをもっと発掘したい」と述べる。(榎田智司) ◆会期は15日まで。会場はつくば市竹園1-7。開館時間は午前9時30分~午後4時30分(最終日は午後3時まで)。期間中無休。入場無料。

共生社会創成学部を新設 筑波技術大 2025年度から

「手に職」から社会創造へ 聴覚と視覚に障害のある学生を対象とした国内唯一の国立大学、筑波技術大学(つくば市天久保、石原保志学長)が2025年度から新しく、共生社会創成学部を開設する。定員10人の視覚障害コースと、5人の聴覚障害コースの2コースを設ける。新学部は、障害者を含む多様なマイノリティが活躍できる社会システムをつくる人材の育成を目指すとし、専門技術を持つ職業人の養成に取り組んできた同大にとって新しい取り組みとなる。 一方、定員割れとなっていた学科で定数を減らす。保健科学部保健学科鍼灸学専攻が定員10人減、産業技術学部産業情報学科が3人減、同総合デザイン学科は2人減とする。 石原学長(67)は「学生の希望職種が多様化する中で、大学で高度な技術を身に付け就職しても、職場での障害に対する理解不足から力を発揮できずに体調を崩すなどして離職してしまうケースを見てきた」とし、新学部では「総合的な教養と権利意識を身につけ、自信を持って意志を伝え、障害があっても生き生きと能力を発揮できる社会を主体的につくっていける人材を育てたい」と語る。 国は企業や公的機関に対して一定の割合で障害のある人の雇用を義務づけ、今年4月からは、音声読み上げソフトや筆談の導入など、障害の特性に応じた配慮をする「合理的配慮」が民間企業にも義務化された。障害者が社会に参加するための制度が整備されつつある一方で、「障害者を採用する企業の人事は合理的配慮の意味を知っていても、配属される現場での理解が進んでいない」と石原学長は言う。 障害者政策をつくる人育てる 新学部で重視するのは、必要な支援と権利を自ら説明する「セルフアドボカシー」と、意見を伝えるために自分に自信を持つための「エンパワーメント」だと石原学長は説明する。在学中は、誰もが必要とする情報に簡単にたどり着き利用できる「情報アクセシビリティ」や、障害と社会の仕組みを学ぶ「障害社会学」などの授業を通じて人権意識を身に付ける。一般的なインターン制度よりも長期間、企業や公官庁で就業体験をすること通じて、より実践的な職場体験を積むカリキュラムも設ける。 さらに、バリアフリーに対応する企業に障害当事者として意見を伝えるなどし、社会の一員としての意識を育てるとする。他大学と共同で授業を行うなどの連携や、新学部内で視覚障害学生と聴覚障害学生が同じ教室で学ぶ授業を通じて自分の障害を客観的に知る機会を積極的に設けるなどするという。 石原学長は「周囲との関係の中で、適切な環境を自発的に作るための具体的なスキルを在学中に身に付けさせたい」とし、「障害のない人と障害者が同じ暮らしを送ることができる環境作りを、国や自治体の中に入り、政策として築いていける人材を育てたい」と話す。 「昔は(障害者は)かわいそう、自分の身内に生まれるとできるだけ隠しておこうという時代があり、障害があることで、どうしても遠慮してしまう人もいる」とし、「これからは、それぞれが身を置く場所で生き生きと能力を発揮できる、自信を持って自分から前に出ていける学生を育てていきたい。今は、社会環境が整備され、将来の可能性はますます広がっている。障害があってもなくても、誰もが幸福に生きられる社会の実現を目指し、それぞれの社会環境に合わせて能力を発揮できるような意識と意欲をもってこの大学に入ってきてほしい」と呼び掛ける。(柴田大輔)

広告宣伝に取り囲まれている生活《ハチドリ暮らし》42

【コラム・山口京子】家にいて本を読む時間が増えています。関心のある問題については、もっと知りたいと、その問題に取り組んでいる団体の通信やブックレットを購読しています。そうして感じることは、「さまざまなメディアが発信する広告のイメージと、実際の商品や企業の実態との隔たり」です。 わたしたちの暮らしは広告宣伝に取り囲まれているといっても過言ではないでしょう。また、テレビのニュース番組は、ニュースを報道しているというより、娯楽番組になっているような気がします。どんどん新しいニュースが流れ、情報として消費されるだけで、その背景や構造について問うことはないまま、知るべきことが知らされていないのでは…。広告が伝えることではなく、事実がどうなっているのか…。 たとえば、毎日の営みである食べること。テレビのコマーシャルではさまざまな食品が”おいしい・たのしい・お手軽・お得”といったイメージで流れています。ですが、違和感はありませんか。 次々あふれ出る疑問 こんなにたくさんの食品があれているのはなぜかしら? 原材料はなにかしら? 生産地はどこかしら? どんな作られ方をしているのかしら? 農薬や成長ホルモン、抗生物質や添加物、遺伝子組み換えやゲノム編集などはどうなっているのかしら? 国が定める基準はどうなっているのかしら? 個別単体では基準値以下でも、複合的に多くの食品を長期間摂取すると人体への影響は大丈夫なのかしら? その作物や家畜を育てるために必要な水や肥料、エサなどはどのくらいなのかしら? 流通にはいくらかかっているのかしら? 製造段階・輸送段階などで消費するエネルギーや排出する二酸化炭素はどうなっているのかしら? この食品を食べた場合のカロリーや糖分、脂質、塩分はどのくらいなのかしら? ゴミとしてどんなものが、どのくらい廃棄されているのかしら? この商品価格の場合、生産者が得られる取り分は何割くらいなのかしら? 企業の利益はどのくらい出ているのかしら? この商品価格に占める広告宣伝費はいくらなのかしら? その業界団体はどんなロビー活動をしているのかしら? これからも食品は十分に供給されるのかしら? 自分で調べることが大事 ですが、現実に買い物に行けば、深く考えることなく、商品をカゴに入れている自分がいます。多様多彩な映像に覆われて、世界がカモフラージュされ、現実の商品の実際のところが分からなくなっているような…。 自分で調べるという習慣がますます大事になっています。そんなとき、農林水産省ホームページ(HP)の、新たな国民運動「食から日本を考える。ニッポンフードシフト」の記事が目に留まりました。(消費生活アドバイザー)