第106回全国高校野球茨城大会は4日目の9日、1回戦最後の試合が行われた。ノーブルホーム水戸では、土浦工業が清真学園と対戦、7回コールド 0-8で敗れた。
土浦工業は昨秋と今春の地区予選は合同チームで出場。今夏は1年生が多く入部し単独での出場を果たした。チームを支えるのはエースの渡辺心輝と主将の山口泰人の3年生バッテリー。「気持ちをしっかり出し、チームとして最高の状態で清真学園に挑んだ」(山口)。
初回、土浦工業は、先発のエース渡辺が3安打と四球で1点を先制された。その裏、1死後四球で出塁した川野彪雅が2塁盗塁に成功し、渡辺がライトにチーム初ヒットを放って1死1、3塁と好機を広げた。しかし後続が凡退。渡辺は2回にも1失点し2点のリードを許すが、その後は走者を出すものの要所を押さえ味方の反撃を待った。
4回、土浦工業は四球3つで2死満塁の好機に助川誓哉がセーフティスクイズを試みるも凡退。5回には渡辺が2本目のヒットを放ち2死1、3塁とチャンスを広げるが、あと1本が出ず無得点に終わった。
これに対し清真学園は7回に4安打、4四球、1エラーで大量6点を追加し、試合を決めた。
土浦工業の久保田昌倫監督は「3年生2人、2年生3人での合同チームの時の保護者、先生が見に来てくれた。週末、長期休みは合同で練習してくれて感謝している。平日は合同練習での課題を全体で練習してきた」と関係者に感謝の意を表した上で、「清真学園の先発、川口投手が良いのはわかっていたが勝負できるところで点が入れられなかった。相手は守備がしっかりしていてバントをしっかり決めて一枚上手だった」と振り返った。さらに「2人の3年生がいなければ野球部はつぶれていた。2人が礎を築いてくれた。1、2年生が今日の経験を生かして来年につなげてくれれば3年生への恩返しになる」と語った。
先発した渡辺心輝投手は「無駄なボール、四球を多く出してしまって悔しい。自分が取られた点は自分のバットで取り返そうとしたがランナーを返せなかったのが悔しい。相手が上回った。自分たちの力負け。来年は1、2年生に悔しさを晴らしてほしい」と後輩たちにリベンジを託した。山口泰人主将は「これまでの厳しい練習に1年生が付いてきてくれた。監督とこの環境で野球を続けてこられて幸せだった」と涙にくれながら話した。(高橋浩一)