日曜日, 12月 21, 2025
ホームスポーツ守備からリズムつくる 優勝候補筆頭 常総学院 島田監督【高校野球展望’24】㊦

守備からリズムつくる 優勝候補筆頭 常総学院 島田監督【高校野球展望’24】㊦

県南強豪チームの名監督インタビュー最終回は常総学院の島田直也監督。常総学院は昨秋の県大会で優勝し関東大会では4強入りを果たした。センバツ甲子園では初戦を突破したが、のちに準優勝した報徳学園に2回戦で敗れた。今春の県大会でも優勝し、関東大会では準優勝と県外でも勝てるチームに仕上がっている。今夏の優勝候補筆頭に挙げられる常総学院はこの夏をどう戦うのか、心境を語ってもらった。

―春のセンバツは島田監督として2回目の出場になりました。今回も初戦を突破し、のちに準優勝した報徳学園に1対6と敗れました。センバツで2試合を経験した所感をお聞かせください。

島田 センバツは優勝を目指して戦っていました。1回戦は日本航空石川と1対0の良いゲームができました。2回戦は報徳学園と1対6で負けてしまいましたけど、点差ほど力の差はないと感じました。うちは守備からリズムをつくることを信条としていますが、守備にミスが出てしまいいつも通りにできなかったことが敗因です。逆に、報徳さんはやるべきことをきちんとできていました。この差だと思います。

島田直也監督

―春の県大会と関東大会を振り返っていかがですか。

島田 選手は大会ごとに成長しています。関東大会で準優勝できたことは本人たちも自信につながったのではないかと思います。センバツでできなかったことが関東大会ではしっかりできた。これが結果につながったのではないかと思います。

―関東大会ではセンバツ優勝校の健大高崎を破りました。これもかなり自信になったのではないですか

島田 去年から試合に出ている選手が多いので、大きい舞台に慣れているというのはあります。強豪校と大きな舞台で対戦できて、結果が出たということは自信になるのではないかと思います。

音の感覚変わる

―春のセンバツから新基準のバットに変わりましたが、戸惑いなどはありますか。

島田 僕は就任当初からセンター返しを意識して低く強い打球を打つように指導しています。バットが変わったからといってやることは変わらないので、戸惑いや違和感はありません。

―攻撃時は意識が変わらないのは分かりましたが、守備時はどうでしょうか。

島田 音の感覚が変わって戸惑うことはありました。飛距離については若干飛ばなくなったという気はしていますが、しっかり打てば打球は前と変わらず飛ぶので、守備位置を前にすることはしていません。選手達もちょっとずつ慣れています。

春の県大会で采配を振るう島田直也監督(ベンチ内右)=ノーブルホームスタジアム水戸

状況に応じたバッティング出来る選手ぞろい

―今年のチームはどのような特徴があるかご紹介をお願いします。

島田 今年のチームは守備力が高く守備からリズムを作ります。打線はしっかりと状況に応じたバッティングが出来る選手がそろっており、何とかつないでいこうというチームに仕上がっています。

―打撃の中心を担う武田勇哉選手は昨年から4番を打っていましたが、昨年は好不調の波が激しいと仰っていました。最上級生になってからの様子はどうですか。

島田 好不調の波がなくなりコンスタントに打ってくれています。春の大会でもチームで1番打った印象がありますね。かなりの成長を感じますし頼りにしています。

U-18日本代表候補として注目される武田選手

―ショートでキャプテンの若林選手はどうですか。

島田 僕の考えていることをしっかりと受け止めてチームに還元してくれています。

―キャッチャーの片岡選手は新チーム発足当初にキャプテンだったと記憶していますが、どういった経緯で若林選手にキャプテンが変わったのでしょうか。

島田 新チーム発足当初は片岡がキャプテンだったのですが、片岡自身はチームをまとめようと一生懸命やってくれていました。ですが、自分のプレーを見失っているところがあり、県南選抜大会終了後に片岡にはもう少し余裕を持って楽にプレーしてもらいたいという思いから、キャプテンは若林に交代しました。片岡自身はレギュラーキャッチャーなので、試合は片岡がまとめなくてはなりません。片岡だけに責任を負わせるのではなく、ショートで守備の要である若林にも分散させる目的でこの形を取りましたが、上手くことが運んでいます。

秋以降、強烈な自覚

―ピッチャー陣については小林芯汰投手を中心に今年もタレントぞろいです。エースの小林投手については、3年間どのような変遷をたどって現在に至っているでしょうか。

島田 入学当時から良いピッチャーなので大事に育てようと思って、小林とも育成方針について話し合いながらやってきました。下級生の頃から実戦経験を積ませて、最上学年になったらエースとして成長してもらいたいというプランのもとにここまで来ましたが、上手く成長していると思います。欲を言えば去年あたりから長いイニングをもっと経験させようと思っていたのですが、その経験は積めませんでした。入学当時から本人はストレートには自信があったのですが、それ以外のボールがまだ実戦で使えませんでした。ストレートを生かすための変化球を磨くという取り組みは最初からしてきたのですが、自分でももう一つ武器になるボールが欲しいという強烈な自覚が秋以降に芽生え、冬場は重点的に取り組んでいました。春にはこれが上手く出来るようになったのでピッチングの幅が広がり、本人としてもここでこれを投げれば抑えられるという感覚が生まれているようです。

エースとして期待がかかる小林芯汰投手

―ほかに大川慧投手や平、中村、鍛冶とタレントぞろいです。

島田 みんな一本立ちしてもらいたいと思っていますが、小林に続くピッチャーがなかなかね。それなりにはやってくれるのですが、僕が求めているレベルが高いというのもありますが、この選手に任せたら大丈夫というレベルには到達していません。

―昨夏は4回戦で茨城高校に敗れました。勝つことが宿命づけられている常総学院としては厳しい結果だったかと思います。この結果を受けて今年のチーム作りで特に力を入れたことはありますか。

島田 勝負ごとなので勝つこともあれば負けることもある。負けた時は相手が上だった、うちに力がなかったということなので、4回戦で負けたからといって次の世代のチームづくりを変えようという風にはなりませんでした。また原点から基本を大切に一からのやり直しという感じです。勝たせられなかったのは監督である僕の責任なので僕が未熟だったということに尽きます。そのほかに僕も2020年秋から高校野球の監督になってまだ4年目ですので勉強中の身です。こういう流れでやれば良いのかなという手応えはちょっとずつつかんできたように思います。

普段通りできれば結果付いてくる

ー今年の夏は優勝候補の筆頭に挙げられています。今年優勝すると常総学院として実に8年ぶりの夏の甲子園となり、島田監督としても就任以来初めての夏の甲子園です。夏の組み合わせをみると、結構手強そうなチームが同じゾーンに入っていているように思いますが、夏の大会に向けての意気込みをお聞かせ願います。

島田 3年生にとっては最後の大会であり、秋も春も公式戦で県内負けなしの代なので、なんとか夏も頂点に立ちたいという思いです。春のセンバツでの悔しい思いもありますので、甲子園の借りは甲子園で返すしかありませんので、どんな相手でも必死に食らいついていきたいと思います。また、このチームには秋の関東大会、センバツ、春の関東大会という上位大会に出場し、いずれも勝ちを収めた経験値がありますので、それが強みなのではないかと思います。

―夏に向けて選手にはどういう話をされていますか。

島田 特に大会前にこれといって話をするわけではないです。練習をしっかりやれば結果が付いてくると思っていますので、しっかり練習していく環境に気を遣っています。相手も打倒常総で来るかもしれませんが、うちは普段通りにできれば結果が付いてくると思います。

―お忙しい中、今年もお時間をいただきありがとうございました。(聞き手・伊達康)

終わり

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職員2人を懲戒処分 土浦市

土浦市は19日、職務上の義務を怠ったなどとして納税課主任の男性職員(50)を3カ月間 減給10分の1の懲戒処分に、個人情報を漏えいしたなどとして神立消防署消防指令の男性消防職員(60)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。 市人事課によると、納税課主任は2024年度に国民健康保険税、翌25年度は市・県民税を担当した。国保税を担当した24年度については、所得や世帯構成の変更によって国保税を納め過ぎた場合の過誤納金の返還事務に関し、主任は24年度に確認された過誤納金のうち169件138万88円分について、加入者に返還する還付処理を行わず、未処理案件の存在を上司に報告せず、後任の担当者に引き継ぎを行わなかった。翌年、後任の担当者が還付処理を行っていないのに気付き発覚した。169件のうち7件については還付通知が遅延し、市が5300円を追加で払う還付加算金が発生した。 主任はさらに、国保税に未納などがあった場合、過誤納金を未納や延滞金などに充当する充当処理に関して、還付処理を行わなかった169件とは別に、24年度に確認された過誤納金のうち235件について、上司の決済を受けずに未納税額に充当処理を行っていた。 市・県民税の担当になった25年度には、地方税ポータルシステムのeLTAX(エルタックス)を用いて事業者が毎月電子納付する従業員の市・県民税について、事業者がうっかり会社に割り振られた指定番号を入力しないで納税した場合、担当者は納付事業者を特定する確認を行った上で、収納管理システムに入力し、未収を消す消込作業を行うべきだったにもかかわらず、主任は、指定番号が無かった電子納付のケースについて、事業所を特定するための確認を怠り、納付金額が同額だった別の事業者から納付されたと思い込むなど、誤った納付情報を収納管理システムに登録した。その結果、7事業所が月々電子納付した11件について、実際には納付されていたにもかかわらず、督促状が発送された。 同課によると主任は処分理由を認め、「未熟だった」などと話しているという。ほかに、25年度の管理監督者だった課長と係長、24年度の課長を厳重注意とした。 安藤真理子市長は「市民の信頼を損なったしまったことを心よりお詫びし、二度とこのようなことがないよう、法令遵守はもとより、これまで以上に適正な事務処理の執行に取り組み市民の信頼回復につとめます」などとコメントした。 家族に注意喚起するため 一方、神立消防署の消防指令は、2024年10月ごろ、匿名で電話があった野焼きの通報について、知人の声と似ていたため、着信履歴の番号と自分の携帯電話に登録されている連絡先の番号を突合して知人だと確信し、自分の家族に通報者が知人だと口頭で伝え、通報者の名前を漏えいした。 さらに今年8月、非番の日に発生した救急搬送について、出勤日に、同署内の救急隊員に確認して知人がけがをしたことを知り、自分の家族に知人の名前とけがの内容を口頭で伝えるなど個人情報を漏えいした。 11月4日、消防に匿名の電話があり、個人情報の漏えいが判明した。その後の消防本部の調査で、今年発生した3件の火災についても、発生場所の所有者の名前などを家族に口頭で伝えていたことが分かった。 消防本部によると消防指令は、漏えいした相手と利害関係などは無く、家族に対し、火事や事故に注意するよう伝えるためだったと話しているという。消防指令は消防隊をつかさどる立場の管理職だった。ほかに、管理監督者である同署署長を厳重注意とした。 安藤市長は「法令を遵守し個人情報を保護すべき立場にある公務員としてあってはならない行為であり、市民の信頼を損なってしまったことを心よりお詫びします。二度とこのようなことがないよう職員の綱紀保持や法令遵守の徹底などにこれまで以上に取り組みます」などとするコメントを発表した。