土曜日, 1月 17, 2026
ホームコラムあの痛みは突然やってくる…尿路結石症《メディカル知恵袋》5

あの痛みは突然やってくる…尿路結石症《メディカル知恵袋》5

【コラム・小峯学】尿路結石症、中でも尿管結石症は七転八倒して嘔吐(おうと)・発汗などの自律神経症状も伴い、救急車で来院される方も珍しくありません。「あんな思いはもうしたくない」「死ぬかと思った」と多くの方がおっしゃいます。今回は上部尿路結石症(腎および尿管)の診断と治療、原因と予防法について説明します。

尿路結石症の症状と診断

腎結石・尿管結石の症状としては、突然に片側のわき腹や背中が痛くなることが多く、時に血尿を伴います。このときの激痛は『疝痛発作(せんつうほっさ)』と呼ばれ、嘔吐・発汗などを伴い、胃腸の病気と間違われることもあります。結石が膀胱(ぼうこう)近くまで、あるいは膀胱内に移動すると、トイレが近いあるいは残尿感といった膀胱炎症状が出現することもあります。

一方、無症状で、他の疾患の検査や人間ドックなどで偶然発見されることもあります。症状がない場合でも、結石が尿の流れを止めてしまって、腎臓が腫れる『水腎症』とよばれる状態になると、腎臓機能低下を引き起こすため治療が必要となります。

医療機関での検査は、主に尿検査や超音波検査・レントゲン検査が行われます。CTスキャンが必要になることもあります。

上部尿路結石症の治療

結石が薬物治療によって溶解することは特殊な場合に限られ、非現実的です。おおむね8ミリ程度までは尿と一緒に自然に体外に排出されることが期待できるため、水分摂取を心掛け、痛みを伴う場合には鎮痛剤を服用することになります。自然排石しない場合や10ミリ超の結石の場合には手術的治療が推奨されます。

38度以上の発熱を伴う場合には、重篤な細菌感染症(閉塞性腎盂じんう腎炎→敗血症)を併発している危険性があり、この場合には緊急処置や集中治療が必要になります。手術的治療としては、開腹手術・腹腔(ふくくう)鏡下手術はほとんど適応とならず、以下にご紹介するESWL・TUL・PNL(併用含む)が診療ガイドライン上、推奨されています。

ESWL(体外衝撃波結石破砕術)

体外から衝撃波を結石に当て結石を破砕する治療です。鎮痛剤投与による治療が可能で1~2日の短期入院治療で行えるメリットがあります。1センチ程度の腎および上部尿管の結石が適応となりますが、2~3回の治療を要することもあります。当院にはESWL機器はなく、ご希望される方には対応可能な施設へご紹介しております。

TUL(経尿道的腎尿管砕石術)

細径の内視鏡を尿管内に入れ、結石に直接ホルミウムレーザーなどを当て細かく砕石、可能な限り砕石片も回収する治療です。麻酔および数日の入院が必要となりますが、確実性の高い治療となります。治療後には尿管ステントという細いカテーテルを留置して、1~2週後に外来で抜去となります。治療機器および高度の技術が必要で、数年前までは他の施設へ紹介しておりましたが、現在では当院でもTULが可能となり、多くの施設よりご紹介いただいております。

画像提供:ボストン・サイエンティフィックジャパン

PNL(経皮的腎砕石術)

背中から腎臓に内視鏡のルートを作成して、直接腎臓の結石を砕石して回収する方法です。他の治療法では時間および期間を要する大きな結石も短時間で治療可能ですが、出血などのリスクがあります。腎臓へ直達できる特殊な内視鏡機器が必要であり、整備され次第、速やかに導入したいと考えております(時期は未定)。

上部尿路結石症の疫学と予防

誰しも結石の痛みは経験したくないものですが、上部尿路結石症の患者さんは急増しています。いわゆる生活習慣病の増加と比例しています。肥満の方に多い傾向であることもわかっています。40年前の3倍となっており、男性は7人に1人、女性は15人に1人の割合で、生涯に一度は尿路結石症に罹患するといわれています。

また、再発率の高い疾患でもあります。尿のミネラル濃度が濃くなると結石ができやすくなるので、水分摂取を心掛けて十分な尿量を確保するとよいでしょう。しかし、ビールなどのアルコール類、糖分入りのソフトドリンクは結石のもとになる成分が多めに含まれており、逆効果になってしまいます。

最も多い尿路結石はシュウ酸カルシウム結石であり、尿中のシュウ酸排せつを少なくすることが結石予防において重要です。シュウ酸はカルシウムと結合しやすいため、不足しがちなカルシウムを意識して摂取し、腸管からのシュウ酸吸収を抑制すること、また脂肪摂取を少なくすることもシュウ酸吸収の抑制につながり、結石の予防となります。

次に多い結石が尿酸結石であり、尿酸値が高い「痛風(高尿酸血症)」の方にできやすい結石です。プリン体を多く含む食品を過剰に摂取すると尿酸値が高くなり、尿中の尿酸濃度も濃くなるため結石ができやすくなります。これらの食品摂取を控えることが高尿酸血症の予防、ひいては尿酸結石の予防につながりますので心がけてみてください。(筑波メディカルセンター病院 泌尿器科 診療科長)

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

5 コメント

5 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

研究者、経済人、政治家が集い つくばで賀詞交歓会

つくば市商工会主催による「つくば市新春賀詞交歓会」が17日、市内のホテルグランド東雲で開かれ、国や民間研究機関の関係者、市内に支店を置く大手企業や地元企業の関係者、国会・県会・市会議員など約400人が参加した。恒例の賀詞交歓会は昨年まで、市、商工会、研究機関交流協議会、筑波大学の4者共催だったが、今年から商工会の単独主催になった。 今年から商工会が主催 最初にあいさつした桜井姚商工会会長は、研究学園の可能性について「熊本県に半導体工場が集中しているが、これは水の質がよいからと聞いている。市内にある研究機関の技術力を動員すれば、自然と同じぐらいの質の水は人工的にできる。今やつくば市は、世界が必要とする半導体を全部つくれるぐらいの学園都市に育った」と述べ、研究力を駆使した事業地域化構想をぶち上げた。 また、五十嵐立青つくば市長は、主催を商工会に移譲した理由について「行政が主催すると、(ビジネスなど)次につながらず、形式的なところで終わってしまう。これだけ地域の皆さんが集まるところだから、地域経済の糧になる、市の魅力を形にできるような賀詞交歓会にするには、主催者は市でない方がよいのではないかと思い、桜井会長に相談したら『まかせておけ』と引き受けてくれた」と説明した。 立ち話の話題は衆院総選挙 国会議員で開会時から参加したのは、いずれも茨城選挙区の上月良祐、加藤明良、桜井祥子の参院議員3氏だけだった。国光あやの衆院議員(比例)は副外相の仕事で外国訪問のため欠席、青山大人衆院議員(茨城6区)は開会式の途中で駆けつけた。 参加者の間では、総選挙が大方の予想より早まって2月になること、立憲民主党と公明党が一緒になり「中道改革連合」が誕生したこと―など中央政局の話題と、つくば市が入る茨城6区の票の行方に話題が集中、各種情報を基に票読みがなされた。6区では青山氏(立憲)と国光氏(自民)のほか、堀越まき氏(参政)の立候補も確実になっており、桜井議員と一緒に名刺を配る同氏の姿も見られた。 筑波大学長が「2つの約束」 国会議員のあいさつの後、永田恭介筑波大学長は「ここで2つの約束をしておきたい」とし、①つくば市には科学技術の研究所がたくさんあるが、それらが一堂に会して全体でパワーを示すシステムを4月にスタートさせたい、②大学には文学系の学生も体育系の学生もおり、多様な学生たちに参加してもらい、大学としてもつくば地域の未来に貢献したい―と述べた。しかし、新たなシステムの詳細は明らかにしなかった。(坂本栄)

今年からSNSへの試験問題投稿禁止 出願手続きオンライン化も 共通テスト始まる

2026年度の大学入学共通テストが17日、始まった。試験は18日までの2日間。会場の一つ、筑波大学(つくば市天王台)では、2日間で6093人が受験する予定だ。 今回から新たに、試験終了後であってもSNSなどインターネット上に試験問題を投稿することが禁止された。 また出願方法が「オンライン出願」に変更され、これまでの高校経由の郵送出願は廃止になった。それに伴い大学入試センターでは、受験生は自分で受験票を印刷し、本人確認ができる顔写真付きの身分証と併せて持参するよう呼び掛けた。万が一、試験当日に受験票を持参し忘れた場合には、試験場本部で身分証を確認の上で仮受験票が交付される。 初日の17日は、地理・歴史・公民、国語、外国語、2日目は理科、数学1、数学2、情報が実施される。体調不良者などへの追試験は今月24日と25日に予定されている。 受験予定者数は、筑波大学で昨年より160人少ない。県内では昨年とほぼ同数の1万2226人。全国では昨年より1066人少ない49万6237人が受験を予定している。減少の理由として少子化のほか、推薦入試を選ぶ受験生が増えていること、思考力を重視する方向に転換した共通テスト離れがあることなどが指摘されている。 いつもの力を発揮したい この日、最高気温16度が予想されたつくば市では、小春日和の青空の下、午前8時には開場を待つ受験生が筑波大学に集まっていた。 自転車で来たという市内在住の高校3年男子生徒は「おとといは緊張で眠れなかったが、昨日はよく眠れた。緊張とワクワクが混ざった不思議な気持ち。意気込みが空回りしないよう、いつもの力を発揮したい」と語った。市内から来た女子生徒は「オンラインでの出願や受験票の印刷は学校でみんなでやったので問題なかった。まだ本番を迎えた実感が湧かないが、会場に入っても緊張せずに頑張りたい」と話した。(柴田大輔)

土浦三高の生徒が考案 「まごころ弁当」21日からイオンで販売

県立土浦三高(同市大岩田、渡邊聡校長)の生徒とイオンリテール北関東・新潟カンパニー(永山久美子支社長)が共同で、弁当「愛の彩り まごころ弁当」を開発した。21日から27日まで、茨城、埼玉、群馬、栃木県内のイオンなど31店舗で販売される。 販売に先立ち、開発した生徒らが16日、土浦市役所を訪問し安藤真理子市長に報告した。弁当の開発は、イオンが2011年に茨城県と締結した地域活性化包括連携協定に基づいて実施され、同校商業科の3年生10人が授業の一環で1年掛けて取り組んだ。 販売される弁当は、単身の男性をターゲットに「子どものころ、家族が心を込めて作ってくれた愛情いっぱいのお弁当を再現」した。ご飯は、しょうゆを使っただし汁で炊いた茶飯にサツマイモとゴマをトッピングしている。おかずはカレーソースで仕上げた唐揚げをメーンに、ハート型オムレツ、菜の花とコーンのマヨマスタード和え、ポテトサラダ、昔ながらの赤いウインナーなど彩り豊かで多彩な副菜を取り入れた。メンバーで唯一の男子生徒、成嶋孝弘さんは「男性が好きなものばかり入っている。嫌いな人はいないと思う」と話す。 温かみ感じる商品を 開発メンバー代表の永島葵さんは「企画で大変だったのは、お弁当を買う人のターゲットを決めたり、コンセプトを考えたりすることだった」と振り返り、「単身の男性や忙しい方がお弁当を買うのではと考え、その中でコンセプトを練った。喜ぶメニューは何かを考え、人の温かみをお弁当や食材から感じる商品を作ろうと決めた」と話す。メニューはメンバーで案を出し合い、学校で試作品を作りながら決めていった。 同行した渡邊校長は「土浦三高商業科は1年生で商品開発、マーケティングの基礎を学び、3年生になると課題研究科目で学びの総まとめとして、調査や研究、実践、商品制作などを行う。今回は学校だけで終わる学びではなくイオンリテールさんの力を借りて実際に商品化し販売できる。真の生きる力を育めたのではと感じている」と語った。 試食した安藤市長は「おいしい。皆さんが一生懸命考え、高校生活の集大成だと思うと胸がいっぱいになる。ハート形のオムライスなど見た目も楽しめる。食べる人がホッとするというか、愛を感じると思う」と話した。 イオンリテールの中鶴英治エリア制作推進グループマネージャー代行は「茨城県との包括連携を通じて青少年の育成に寄与するものということで、実際に売り場で販売するなども生徒にとって役に立つと思っている。コンセプトを決めたり、ターゲットを決めたりといったところから始まっているのでおいしいお弁当ができたと思う。来週の発売が非常に楽しみ」と話した。 「愛の彩り まごころ弁当」は645円(税込み)。全部で1550個を販売する予定だ。24日午前10時30分からは同市上高津のイオンモール土浦1階お惣菜売り場の弁当コーナーで同校生徒による推奨販売が実施され、45個を販売する予定。予定数量に達し次第、終了する。(伊藤悦子)

初冬の池とカモと色付く水面《鳥撮り三昧》9

【コラム・海老原信一】木々の葉の色付きが割と遅れて始まる洞峰公園(つくば市二の宮)。12月でも紅葉が楽しめるなんて結構ぜいたくです。また、そのころには北からカモたちがやってきます。木々の林や、植え込み、ヨシの中などには小鳥たちが入ります。 シジュウカラ、ウグイス、メジロ、ホオジロ、コゲラ、ムクドリ、ヒヨドリ、スズメなどの常駐組に交じって、ジョウビタキ、ツグミ、シロハラ、アカハラ、アオジ、シメ、カシラダカなどが越冬のためにやって来るのです。 見かける機会が少なくなったルリビタキにも運がよければ出会えますし、公園に隣接する林や草地にはコジュケイ、カケス、トラツグミ、オオタカなどの姿を見ることもできます。近年、野鳥とは言えないものの、ガビチョウが目立つようになっていて、何ともにぎやかな鳴き声を一度は聞かれているでしょう。 また水辺に目をやれば、ゴイサギ、コサギ、ダイサギ、アオサギ、カワウ、カイツブリ、ヒクイナ、クイナ、バン、オオバンなど、多くの野鳥を見ることができます。「探鳥ガイド」のようになってしまいましたが、肝心なのはカモたちです。 洞峰公園の沼には、11月末ごろからカモたちが姿を見せるようになります。コガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、マガモ、ホシハジロ、トモエガモ、オカヨシガモ、キンクロハジロ、アメリカヒドリなどの珍客。季節を問わず見られるカルガモと、いろいろなカモたちを楽しめます。 「お、泥パックかい」 時期を同じくして、沼の周囲を囲む木々が赤や黄に色付き、常緑樹は緑を、建物は壁の色を沼の水面(みなも)へと送り込んできます。朝の柔らかい日差し、夕暮れ時の赤みある光がそれらの色と混ざり合い、とても美しい情景をつくり出します。そこに色とりどりのカモたちの姿が重なり、表現のしようがない程の眺めが出現します。 カモたちが泳げば波紋が起き、その波紋が色付く水面を不思議な世界に変えます。カモの中には、水底にくちばしを差し込んだりして食べ物を探すものもいます。洞峰公園の沼は浅いので、多くのカモが逆立ちしますが、潜水ガモと言われるホシハジロは別格です。水底の泥の中に顔まで入れて探すようで、上がってきた時の顔は泥まみれ。 それだけでも面白いのですが、美しい色合いの所へ顔を出した時は、周りとのギャップについ笑顔に。思わず、「お、泥パックかい」と、突っ込みを入れる自分がいます。人も「泥パック」をすると聞いていますから、そんなことを思い出しながら…。ホシハジロの泥パックは生きるためで、美容とは関係なさそうですけどね。 決して広くはない沼ですが、水が生き物にとって大切なものだと教えてくれる、多くの生き物たち。彼らの見せてくれる情景が寒さとともに美しさを増す、11~12月の洞峰公園が一番好きな私です。そのような場が身近にあり、その場に身を委ねることができる幸運を大事にしたいと思います。心と体を解放できる場として、いつまでもあって欲しいと願いながら。(写真家)