大岩剛監督「決勝進出めざす」
7月26日から8月11日まで開催されるパリオリンピック2024に向け、選手ばかりでなく競技役員を含め多数を輩出する筑波大学(つくば市天王台、永田恭介学長)の陣容が整ってきた。27日には、筑波大出身で男子サッカー23歳以下日本代表を指揮する大岩剛監督(51)がつくば市を表敬訪問し、五十嵐立青市長らの激励を受けた。
表敬訪問は、大岩監督がスポーツアドバイザーを務める関彰商事の仲立ちで実現した。在学中の恩師である同市の萩原武久スポーツ担当理事らが同席した。
大岩監督は「パリが会場となる決勝に進むこと。金か銀かいずれかのメダルが確定し、メキシコ五輪の銅以上の成績となる」ことを目標に掲げた。萩原理事は「五輪出場を決めたアジアカップの戦いは感動的だった。ある意味、五輪はワールドカップよりも注目度が高いイベントで、子供たちに夢を与える舞台にしてほしい」と激励した。
大岩監督は筑波大に1991年から94年に在籍し、卒業後Jリーグの名古屋や鹿島で活躍、日本代表にも選出された。2017年から鹿島の監督を務め18年にはアジアチャンピオンズリーグを制覇。22年に21歳以下の日本代表監督となり、今年のU23アジアカップで優勝してパリの切符をつかんだ。「いい準備ができている」という。
23歳以下日本代表は7月11日にフランスに旅立ち、マルセイユで事前キャンプの後、24日の初戦でパラグアイ、27日の第2戦でマリ、30日の第3戦でイスラエルと対戦する。24歳以上の特別枠オーバーエージ(OA)の有無などで注目される18人のメンバーは3日に発表の予定だ。
7月4日に壮行会
筑波大学は7月4日午後、大学会館に出場内定選手らを集め壮行会を開催する。今回の五輪選手団では団長、副団長を同大学出身者が務めるという陣容で、過去133個ものメダルを獲得した同大学の五輪への新たな挑戦が始まる。
これまでに内定した選手(敬称略)は、永瀬貴規(柔道、体育専門学群卒業)、柄本遼香(飛込、人間総合科学学術院人間総合科学研究群在籍)、森秋彩(クライミング、体育専門学群在籍)らで、有力なメダル候補を含む。内定者数は「7月上旬にかけさらに続々増えるだろう」と高木英樹体育スポーツ局長。
日本選手団は海外で行われる五輪では史上最多となる400人余りとなる見通し。選手団長を務める尾縣貢さんは陸上競技者で筑波大学大学院人間総合科学研究科教授。同大体育専門学群卒、同大学院修了、東京五輪2020では日本選手団の総監督を務めた。今回の選手団副団長は2004年アテネ五輪、08年北京五輪で金メダルの谷本歩実氏(柔道、体育専門学群卒業)が務める。
4日の壮行会には、これら内定選手に加え、パラリンピック競技の藤原大輔(パラバドミントン、体育専門学群卒業)、高橋利恵子(ゴールボール、人間総合科学学術院障害者科学学位プログラム修了)が出席する。同日午後3時からはフランス外務省と連携して、社会におけるスポーツの意味と可能性をテーマにした日仏討論会も予定されている。(相澤冬樹)
➡子供たちに向けた大岩監督のメッセージ