金曜日, 12月 26, 2025
ホームつくば農林団地で生まれた「庶民派」楽団 29日つくばで 35周年コンサート

農林団地で生まれた「庶民派」楽団 29日つくばで 35周年コンサート

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、つくば市観音台)がある農林団地で1989年に誕生したギターとマンドリンの楽団「アソシエ・ド・パンドラ」が、結成35年記念コンサートを29日、つくば駅前のノバホールで開催する。研究所の昼休みに練習する4人から始まった活動で、現在は、関係者ら約30人が仕事や家事と両立しながら切磋琢磨している。仲間と分かち合う感動を、節目の年に観客に届ける。

「当時は企業にこういうクラブがあった。研究所にもあればと思った」と振り返るのは、設立メンバーの1人でマンドリンを弾く丸山久子さん。昼休みに自分たちもできたらと職場の仲間に声を掛けて、昼休みの20分間を練習に充てることから始まった。当時、農林団地で行われていた夏祭りで演奏したり、クリスマスにちなんだ演奏会を開いたりしたのを皮切りに、毎年行うコンサートを目標に、共に歩む仲間を増やしてきた。

楽団の名称「パンドラ」には、「希望をもたらす仲間たち」という思いを込めたという。丸山さんは、「『パンドラの箱』には、開けると災いが出てくる悪いイメージがある。でも、全て災いが飛び出したあとに残るたった一つのものが『希望』。ギリシャ神話から名付けた」と話す。

空に伸びる青麦のように

楽団の最初のイメージキャラクターは、両手に音符を手にしたタヌキだった。お腹のところに描かれた4本の弦は、丸みを帯びた姿が似ているマンドリンを重ね合わせたもの。当時、農研機構の動物衛生研究所に勤務していたメンバーが考案した。

記念コンサートで着用するユニフォームに描かれる青麦は、元農研機構職員のメンバーによるもの (アソシエ・ド・パンドラ提供)

今回のコンサートでは、現役の他のメンバーが描いた青い麦をあしらうユニフォームを来てステージに立つ。「勢いよく、空に向かって元気に伸びていくという気持ちを込めた」という。

練習は毎週土曜日、市内の公民館などを利用し3時間ほど行っている。公演を控えて熱がこもる練習会場でメンバーは「仕事が忙しくてくたくたになるけど、この活動は手放さない。理想を目指してみんなで一生懸命やるのは面白い」「仕事を持ちながら、子育てしたりしながら、なんとか時間をつくって活動を続ける他のメンバーの姿を素晴らしいと思っている」「これまで毎年1回、必ずコンサートを開いてきた。ステージに上がるといつも以上によくできることがある。みんなのエネルギーに感動する。やってよかったという達成感が35年続けることになった」と、仲間と続ける活動へのやりがいを口々に話す。

野口雨情の名曲メドレーを演奏

ノバホールでのコンサート開催は、結成25周年を迎えた2014年以来。10年前の記念コンサートに合わせて企画したのが、今回も演奏する茨城県出身の童謡詩人、野口雨情作品13曲のメドレー「野口雨情の世界」だ。今回は新たに、市内の産業技術総合研究所職員らによる「産総研音楽倶楽部合唱団」、同じく同研究所関係者らによる合唱サークル「コールアイスト」と共演する。他にも映画のテーマ曲など馴染みのある曲をはじめ、作曲家の武藤理恵さんの作品「パラディソ」、リヒャルト・ワーグナーによる「タンホイザー」など全10曲が演奏される予定だ。

「アソシエ・ド・パンドラ」で部長を務める芝池博幸さん(60)は「今年、結成35周年を迎えるパンドラは、クラシックからポピュラ―、童謡まで、なんでも演奏する庶民派の楽団。ノバホールにお越しいただく皆さまと過ごす時間を大切に、パンドラらしい、活気に満ちた演奏をお届けしたい」と、来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆「ギター アンド マンドリンアンサンブル アソシエ・ド・パンドラ 35周年記念演奏会」は6月29日(土)、つくば市吾妻1-10-1 ノバホールで午後2時開演。入場無料。

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つくば駅前に大型ディスプレイ登場 イルミネーションと共ににぎわいを

オフィスビル「T.S BUIL」 つくば駅前のオフィスビル「T.S BUIL」(同市吾妻)のペデストリアンデッキに面した2階部分の壁面に21日、縦2.5メートル×横4.4メートル、200インチの大型ディスプレイがお目見えし、クリスマス関連の映像が放映されている。 22日夜からは同ビル恒例のクリスマスイルミネーションも加わり、道行く人たちの目を楽しませている。駅前をもっとにぎやかにしたいと、同ビルを所有する不動産業の都市開発(塚田純夫社長)が新たに大型ディスプレイを設置した。 ディスプレイの設置工事は14日から始まり、1週間の工事期間を経て21日から放映が始まった。毎日正午から夜9時まで映像が流れる。クリスマスの現在は、クリスマスにちなんだクイズやイルミネーション点灯のお知らせなどが流れ、26日以降は年越しに関する映像に変わる。 今後は市の情報や警察関連情報、防災情報なども放映していく予定だ。「屋外広告物」という扱いのため、大きな音を出し大勢の人が集まるコンサートやパブリックビューイングを行うためには今後、市と相談しながらになるという。 イルミネーションは来年1月12日まで点灯する。3年前に始まり、昨年同様、同ビルのペデストリアンデッキに面する2階エントランスのガラス張り壁面全体がLEDで装飾され、ショーケースの中にはサンタクロースや雪だるま、トナカイ、クリスマスツリーなどが飾り付けられている。 ディスプレイに見入っていた市内に住む60代女性は「大型のディスプレイにびっくりした。世の中に季節感がなくなってきた時代なので、こんな感じでクリスマスなど季節を知らせてくれるのはありがたい。ディスプレイの前のペデストリアンデッキは広くなっているのでコンサートでもやってくれたら」と話す。近くの職場に通う50代の男性会社員は「ずっと殺風景だったので、とても良いと思う。どんどんにぎやかにすることをやってほしい」と話していた。 都市開発の霞学部長は「つくば駅前にあるつくばセンター広場のにぎわいづくりに協力出来たらということでやっている。防災も重要なので、行政の防災の取り組みに協力し、防災に関することも放映していきたい」と語る。また「今年、1階にスタジオを移転したラヂオつくばの中継も可能なので、ディスプレイで何が放映できるか考えていきたい」と述べる。 現在放映している映像の制作は20代の同社若手社員が担当した。管理部の藤沢花恋さんは「グラフィックデザインのソフトを使って動画を作ったが、初めてだったので大変だった。デザインなどは不慣れだが担当させてもらい、いい経験になった。今後の展開も考えたい」と話した。設置業者とのやりとりや申請業務など担当した営業部の高橋開人さんは「人が集まる場所が出来ればとてもうれしい」と述べた。(榎田智司)