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農林団地で生まれた「庶民派」楽団 29日つくばで 35周年コンサート

農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、つくば市観音台)がある農林団地で1989年に誕生したギターとマンドリンの楽団「アソシエ・ド・パンドラ」が、結成35年記念コンサートを29日、つくば駅前のノバホールで開催する。研究所の昼休みに練習する4人から始まった活動で、現在は、関係者ら約30人が仕事や家事と両立しながら切磋琢磨している。仲間と分かち合う感動を、節目の年に観客に届ける。

「当時は企業にこういうクラブがあった。研究所にもあればと思った」と振り返るのは、設立メンバーの1人でマンドリンを弾く丸山久子さん。昼休みに自分たちもできたらと職場の仲間に声を掛けて、昼休みの20分間を練習に充てることから始まった。当時、農林団地で行われていた夏祭りで演奏したり、クリスマスにちなんだ演奏会を開いたりしたのを皮切りに、毎年行うコンサートを目標に、共に歩む仲間を増やしてきた。

楽団の名称「パンドラ」には、「希望をもたらす仲間たち」という思いを込めたという。丸山さんは、「『パンドラの箱』には、開けると災いが出てくる悪いイメージがある。でも、全て災いが飛び出したあとに残るたった一つのものが『希望』。ギリシャ神話から名付けた」と話す。

空に伸びる青麦のように

楽団の最初のイメージキャラクターは、両手に音符を手にしたタヌキだった。お腹のところに描かれた4本の弦は、丸みを帯びた姿が似ているマンドリンを重ね合わせたもの。当時、農研機構の動物衛生研究所に勤務していたメンバーが考案した。

記念コンサートで着用するユニフォームに描かれる青麦は、元農研機構職員のメンバーによるもの (アソシエ・ド・パンドラ提供)

今回のコンサートでは、現役の他のメンバーが描いた青い麦をあしらうユニフォームを来てステージに立つ。「勢いよく、空に向かって元気に伸びていくという気持ちを込めた」という。

練習は毎週土曜日、市内の公民館などを利用し3時間ほど行っている。公演を控えて熱がこもる練習会場でメンバーは「仕事が忙しくてくたくたになるけど、この活動は手放さない。理想を目指してみんなで一生懸命やるのは面白い」「仕事を持ちながら、子育てしたりしながら、なんとか時間をつくって活動を続ける他のメンバーの姿を素晴らしいと思っている」「これまで毎年1回、必ずコンサートを開いてきた。ステージに上がるといつも以上によくできることがある。みんなのエネルギーに感動する。やってよかったという達成感が35年続けることになった」と、仲間と続ける活動へのやりがいを口々に話す。

野口雨情の名曲メドレーを演奏

ノバホールでのコンサート開催は、結成25周年を迎えた2014年以来。10年前の記念コンサートに合わせて企画したのが、今回も演奏する茨城県出身の童謡詩人、野口雨情作品13曲のメドレー「野口雨情の世界」だ。今回は新たに、市内の産業技術総合研究所職員らによる「産総研音楽倶楽部合唱団」、同じく同研究所関係者らによる合唱サークル「コールアイスト」と共演する。他にも映画のテーマ曲など馴染みのある曲をはじめ、作曲家の武藤理恵さんの作品「パラディソ」、リヒャルト・ワーグナーによる「タンホイザー」など全10曲が演奏される予定だ。

「アソシエ・ド・パンドラ」で部長を務める芝池博幸さん(60)は「今年、結成35周年を迎えるパンドラは、クラシックからポピュラ―、童謡まで、なんでも演奏する庶民派の楽団。ノバホールにお越しいただく皆さまと過ごす時間を大切に、パンドラらしい、活気に満ちた演奏をお届けしたい」と、来場を呼び掛ける。(柴田大輔)

◆「ギター アンド マンドリンアンサンブル アソシエ・ド・パンドラ 35周年記念演奏会」は6月29日(土)、つくば市吾妻1-10-1 ノバホールで午後2時開演。入場無料。

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