【コラム・奥井登美子】土浦の自然を守る会で、今年の環境展に何を出品するか議論した。そのあと、相崎伸子さん指導の「わらべ歌」を8人で、踊って、歌って、お手玉を投げ合って遊んだ。
かっぱ かっぱ らった
かっぱ らっぱ
かっぱらった
とって ちって た
かっぱ なっぱ かった
かっぱ なっぱ いっぱいかった
かって きって くった
(谷川俊太郎)
明治、大正、昭和のはじめ、子供の集団での遊びは「わらべ歌」。わらべ歌のルーツは奥が深い。
地域でバラバラの唄と地域で共通の唄もある。なぜバラバラなのか、なぜ共通なのか? 人間の歴史と生活が複雑に関わっているらしい。唄いながら踊って、最後に笑う。
尾原昭夫著「日本のわらべうた」(文元社)。戸外遊戯歌、室内遊戯歌、歳時・季節歌。
図書館から4~5冊借りてきて一生懸命読んだが、読めば読むほど地域の不思議が増えてくる。
荻窪の景色の中で遊んだリズム
私は幼い時に荻窪で育った。井の頭公園の近くの「みどり幼稚園」。
そうめん にゅうめん ひやそうめん
かきがらちょうの ぶたやの おつねさん
5~6人で円をつくり、ぐるぐる回る。「そうめんにゅうめん」を唄いながら、自分の肘から手首にかけて、指先でくすぐる。
「かきがらちょう」で、隣にいる子の手か腕をかく。「ぶたや」で、次に来た子の腕をぶつ。「おつねさん」で次に来た子の腕をつねる。輪になって歌いながら、友達と互いに体を寄せ合って、つねったり、くすぐったりして、最後は皆で大笑いするゲームである。
野原の多かった昔の、のどかな荻窪の景色の中で遊んだリズムが、まだ私の中に残っている。(随筆家、薬剤師)