つくば市在住のスリランカ人らによる「スリランカお正月祭り」が28日、同市花畑の花畑近隣公園で開かれる。スリランカの新年は4月。正月祭りの主催団体「スリランカお正月祭り実行委員会」で活動する市内在住のニルマール・ペレラさん(46)は「たくさんのスリランカ人が住んでいるが、地域の人と交流する機会は限られている」と言い、「お互いの壁をなくせるような交流の場にしたい」と思いを語る。
2023年6月末時点で県内には3614人のスリランカ人が暮らしている。全国で3番目に多く、人口10万人当たりに換算すると国内最多となる。つくば市には昨年1月末時点で399人が暮らす。

留学生のレクリエーションが始まり
つくばでスリランカの正月祭りが始まったのは約10年前。筑波大学で学ぶスリランカ人留学生たちが集まり、食事をしたりレクリエーションをしたのが始まりだったとペレラさんは言う。当初は学生中心だったが、つくば市や周辺で働くスリランカ人たちにも輪が広がった。市内で妻と3人の子どもと暮らすペレラさんが参加したのは2018年から。その後コロナ禍で2年間開催できなかった。昨年3年ぶりに再開すると、100人余りの同胞人や日本人が参加した。
ミルクライス食べる儀式から
スリランカでは太陽がうお座からおひつじ座に移ったときに年が変わるとされており、占星術師たちが毎年その時間を国民に知らせる。4月中旬ごろになるが、今年は4月13日午後9時5分に新年を迎えた。
占星術師が年明けの時刻を予告すると、その前後に何もしてはいけない時間帯がある。年が明けてから初めてかまどに火を入れ、器にココナッツミルクとライスを入れて沸騰させ吹きこぼし、新年最初の食事はココナッツミルクで作るミルクライスを食べる。仕事を始める時間も、占星術師によって決められた時刻に行うのが慣習だ。「吹きこぼし儀式」「食べ始めの儀式」は、五穀豊穣を祈るものとされる。

つくばの正月祭りでも母国の儀式をもとに、ミルクを器に注ぎ、ココナッツオイルに火を入れて、ミルクライスを食べる儀式からスタートする。その後は、母国でするのと同様に、ダンスや綱引き、マラソン大会、パン食い競争、口に加えたスプーンにレモンを載せて走るなど、さまざまなレクリエーションを参加者同士で楽しみつつ、用意された食事に舌鼓を打つ。
10年以上続く中で地域の日本人との交流も少しずつ広がった。今年は家庭で備える防災について、外国人にもわかりやすくやさしい日本語と英語で表現した「防災かるた」を使い、考案者であるつくば市在住の防災士、水谷浩子さんを招いてカルタ大会を初めて開く。

子どもたちが母国文化と接する機会
ペレラさんは「日本で生まれたスリランカ人の子どもがたくさんいる。多くは地域の学校に通っていて、スリランカの文化に触れる機会が限られる。使う言葉も日本語が中心。一方で、つくばには沢山の外国人が暮らしているが、地域との関わりを持てずに暮らしている大人も多い。子どもたちにとってはスリランカ文化と接する機会に、大人たちにとっては地域との交流の場になるといい」と話し、「将来的には日本とスリランカ、互いの文化が持つ良い面が混ざり合い、つくばだからこその新しい文化が育っていくきっかけになれば」と思いを語る。(柴田大輔)
◆「スリランカのお正月祭2024+防災」は4月28日(日)午前9時~午後5時、つくば市花畑3-11-5の花畑近隣公園で開催。参加費無料。