筑波山山頂に近い御幸ケ原のカタクリの里で、春の訪れとともにカタクリの花が咲き始めた。「春のはかない命」(スプリング・エフェメラル)と呼ばれる春先に咲く草花の一つ。つくば観光コンベンション協会によると、今年は3月に積雪が3回あった影響で例年より開花が遅れ、見頃を迎えるのは4月中旬になる見通しだという。
筑波山はカタクリの群生地と知られ、標高約800メートルの御幸ケ原のほか男体山山頂周辺の自然研究路、ケーブルカー沿いなどに約3万株が自生している。カタクリ草はユリ科カタクリ属の多年生植物で、山野に群生して、薄紫色のかれんな花をうつむき加減に咲かせる。
カタクリの里は筑波山ケーブルカー筑波山頂駅から、山頂連絡路を女体山方向へ約100メートルほど進んだところに位置し、3月25日から5月19日まで「筑波山頂カタクリの花まつり」が催される。4月下旬には白色のニリンソウも咲き、二つのかれんな花のコントラストを楽しむことができる。
4日午前、カタクリの里で、50輪ほどが開花しているのが確認できた。観光客はまだまばらだった。
同協会観光推進課の本間良太さん(39)は「2月は暖かかったが、3月に雪が降ったため、ソメイヨシノと同じようにカタクリも開花が遅れ、見頃を迎えるのも遅れると思う。山頂付近は整備されているので、これからも多くの人に訪れてほしい」と話している。(榎田智司)
◆問い合わせは電話029-869-8333(つくば観光コンベンション協会)へ。