関東鉄道(本社土浦市、松上英一郎社長)は19日から、つくば中央、土浦、水戸の各営業所に新型の電気自動車(EV)バスをそれぞれ1台、計3台導入し、路線バスとして各地区で運行を開始すると発表した。昨年6月、守谷営業所に2台を導入したのに次いで、同社のEVバスは計5台となる。
定員80人の大型車で、フル充電した場合の運行距離は約240キロ。座席は26席あり、全座席にUSBの端末が付いている。床面はフラットで、障害者やベビーカーなどにも配慮した段差無く乗り降りできるノンステップバスとなっている。災害時には電源供給車としても使用できる。購入は国交省の補助金「訪日外国人旅行者周遊促進事業費補助金」を活用し、2分の1の補助を受けた。
運行路線は、つくば中央営業所(同市上横場)が市内循環と牛久、土浦、常総、取手、つくばみらい行き、土浦営業所(同市川口町)が市内循環と阿見、つくば、牛久行き、水戸営業所(同市住吉町)が市内循環と茨城町、小美玉市、石岡行きとなっている。各営業所1台がさまざまな路線を走行する。
EVバスは走行時に二酸化炭素や排気ガスを排出しない。エンジン音や振動などがほとんど感じられず、音が静かなのが特徴だ。車内にはカメラが配置され、運転席から客席がモニターできるようになっていて安全に配慮配備している。
3台のバスのデザインは昨年11月~今年1月にそれぞれの地域の観光をアピールしたものを公募し、社内で各1点を選考した。つくば営業所のバスは、EVの充電ケーブルをモチーフに、筑波山のシルエット、研究をイメージした六角形の幾何学模様、地球と太陽、宇宙を表現し、守谷市在住の税所(さしょ)早苗さんがデザインした。
土浦は、シンボルのオランダ風車や自転車、レンコン、ハスの花をちりばめ、牛久市在住の青木杏香さんがデザインした。水戸は、水戸黄門の着物の色を彷彿(ほうふつ)とさせるイエローに、水と緑の自然都市をイメージさせる青緑色の水玉模様と梅の花をちりばめた。流線は納豆の糸引きをイメージし、大阪府の小林咲希さんのデザインを採用した。
関東鉄道の廣瀬貢司常務(57)は「現在全営業所で338台のバスが走っているが、今後EVバスはさらに増えていくだろうと思う。EVバスの導入は、当社グループの経営理念や行動指針に基づいたもので、2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて取り組みたい。SDGs の目標である『エネルギーをみんなに そしてクリーンに』『気候変動に具体的対策を』に貢献していくことを目指したい」と話している。
17日には「新型EVバスお披露目撮影会」を開催し、試乗したり撮影したりできるので、応募してほしいという。(榎田智司)
◆記念イベント「新型 EV バスお披露目撮影会」は2月17日(土)開催。 集合は午前9時30分~10時、土浦駅東口。行程は午前10時、土浦駅東口を出発→水戸営業所→土浦営業所→つくば中央営業所を回って、午後4時つくばセンターに着く。荒天中止。募集人員40人、参加費7000円。①各営業所でEVバスと特徴ある車両を並べた撮影会②土浦営業所で新型EVバスに試乗③参加記念に限定バスグッズをプレゼントする。昼食付き。参加方法は、関鉄観光バス予約サイトで受け付ける。先着順。問い合わせは関鉄観光株式会社(電話0120-22-3725)へ。電話の受け付け時間は月曜~土曜日の午前9時~午後5時30分。