筑波大学蹴球部からプロ入りする4選手の合同記者会見が25日、つくば市天王台の同大大学会館特別会議室で開かれ、各人が抱負を語った。今季、関東大学サッカーリーグ1部で6年ぶり16回目の優勝、全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)では7年ぶりのベスト4と輝かしい成績を残した選手たちの次のステージでの活躍が期待される。
J1のヴィッセル神戸に内定した山内翔選手は、ゲームコントロールに長けたボランチで「戦術やゲームを認知する能力が高い。一人だけ見えている世界が違う」と小井土正亮監督の評。
プロへの抱負としては「中高の6年間を過ごしたチームに戻れてうれしい。筑波大での4年間がなければ成長できなかった。大学で学んだことを生かし自分が活躍することで、いろんな方々への恩返しになるよう、また大学サッカーの発展につながるよう頑張りたい」と話した。
同じく神戸に内定した高山汐生選手は、身長190センチの恵まれた体格を生かしたダイナミックなプレーが持ち味のゴールキーパー。シュートストップのみならずハイボール処理やコーチングでも小井土監督の評価は高い。
「J1のチャンピオンチームに加入できることをうれしく思う。セットプレーでは自分が前に出て相手に触らせず、コーチングでは声でチームを動かしたり鼓舞し、後ろに自分がいることでチームを安心させられる選手になりたい」
J3カターレ富山に内定した瀬良俊太選手は、テクニックとポジショニングに優れたファンタジスタタイプのサイドハーフ。「意外性やアイデアあふれるプレーで見る人のツボを突く。自分も好きなタイプ」と小井土監督。
「以前は自分のプレーを出したい、見てほしいという意識が強かったが、大学でいろんな人に出会い、チームが勝つために自分に何ができるかを考えられるようになった。今季は相手のプレッシャーを外して展開するだけでなく、自ら前へ出て得点することも意識した。この部分をもっと伸ばしていきたい」
J3のFC大阪に内定した林田魁斗選手は高さ、強さ、速さを兼ね備え、ゴール前でのシュートブロックに優れたセンターバック。「気持ちで戦える男。けがで試合に出場できないときも立ち振る舞いで他のお手本となった真面目な選手」と小井土監督。
「生まれ育った関西でプロのキャリアをスタートできることがうれしい。自分もサッカーからたくさんの夢や感動をもらったので、多くの人に夢や感動を与えられるようになりたい。FC大阪に欠かせない選手になり、J3優勝とJ2昇格に貢献したい」
大学での思い出として最も心に残っているのは、11月4日の関東リーグ東京国際大学戦だったと各選手は語る。同リーグは今季、初めてホーム&アウェー方式で開催され、筑波大はホーム最終戦で2000人超の観客を前に、見事に優勝を飾った。「1グラ(筑波大学第一サッカー場)に多くの人が応援に来てくれて、支えてもらっていると感じた。プロへ行ってもファンやサポーターへの思いを大切にしながらやっていきたい」と高山選手。
一方、最も悔しい思いをしたのは12月21日、流通経済大学龍ケ崎フィールドで行われたインカレ準決勝、明治大に0-1で敗れた試合。「紙一重の差だった。あれほど勝ちたい、負けて悔しい試合はない。この悔しさをプロで晴らしたい」と瀬良選手。
プロの世界では、これまで以上に結果が求められる。山内選手は「プロは大学と違って結果が全て。勝つことでチームはもちろん自分自身の価値も高めていきたい」、林田選手は「選手の価値は結果でしか示せない。常に結果を目指して、必要なことを考えながら成長していきたい」と、来季を見据える。(池田充雄)