アニメ「機動警察パトレイバー」に登場する「グリフォン」のフィギュアが15日、同アニメの聖地、土浦市の市役所2階共用スペースに展示された。大きさは高さ80センチ、翼を広げた幅120センチで、140センチの台座の上に設置された。
グリフォンはパトレイバーの強敵で、驚異的な性能を持つメカ。巨大多国籍企業が土浦研究所で製造した設定になっており、土浦はファンの間で「聖地」扱いになっている。アニメを活用したまちづくりに寄与したいと、土浦亀城ライオンズクラブが結成55周年を記念して同市に寄贈した。
同日は市役所2階共有スペースで、お披露目会が催された。5、4、3、2、1という掛け声でフィギュアが現れると、集まったアニメファンらから大きな歓声が上がった。
フィギュアを寄贈した同ライオンズクラブの佐藤三典会長(73)は「アニメを利用した地域活性化に協力する形で、フィギュアを制作した。全国にパトレイバーファンは2万人いるといわれる。市役所の入り口に常設するのでどんどん見に来てほしい。今日のお披露目会にもたくさんの人が来てくれてとてもうれしい」と語った。
安藤真理子市長は「パトレイバーに土浦が出てくることは前から知っていて、私が市議会議員の時代、(アニメを活用したまちおこしについて)提案したことがある。その時は誰も反応してくれなかったが、今回こういう形で実現出来てうれしい」と話した。
同日、フィギュアのお披露目に先だって、近くの市立図書館1階の市民ギャラリーで市が、グリフォンがデザインされたマンホールカードの配布を開始した。北海道から沖縄まで全国各地のアニメファンやマンホール蓋の愛好家のほか、香港や台湾などの海外からもファンが訪れ、同日は6000枚超えるカードが配布された。
パトレイバーは、ロボット技術による歩行式の作業機械「レイバー」が普及する近未来の東京を舞台に、新設された警視庁のレイバー部隊の活躍を描くアニメ。1988年から劇場版やテレビシリーズが制作され、35年たった今も根強い人気がある。
同市では2022年1、2月に市民ギャラリーで、パトレイバーの制作資料やイラストを展示するパトレイバー企画展を開催した。今年4月にはパトレイバーのキャラクターやロボットがカラーで描かれたデザインマンホールを中心市街地に設置したり、市役所内の売店きらら館や市観光協会のまちかど蔵に設置したガチャでオリジナルキーホルダーの販売を開始。7月には第一弾のマンホールカードを配布するなど、同アニメを活用して土浦のPRを展開している。(榎田智司)