運転手の時間外労働 上限規制受け
つくば市のコミュニティバス「つくバス」の運行本数が来年4月から、平日13.9%(44便)減便、土日祝日32.8%(104便)減便となる見通しであることが7日開かれた同市の第2回公共交通活性化協議会(会長・岡本直久筑波大教授)に報告された。全317便のうち平日は7分の1が減便、土日祝日は3分の1が減便となる。具体的にどの便が減便になるかなど運行ダイヤについては、来年1月開催予定の第3回協議会で確定する。市民生活への影響が大きいことから、確定後、直ちに市民に周知するとしている。
来年4月から、バス運転手などの時間外労働の上限が規制されること、運転手不足のため規制を補うだけの新たな運転手が確保できないことなどが減便の理由という。
同協議会委員で、つくバスを運行している関東鉄道は「路線バスもかなり厳しい状況で、現在(来年4月からの減便を)検討している。つくば市ばかりでなく、当社が(運行委託を)受けているコミュニティバスには同様の話をさせていただいている」とした。
市総合交通政策課によると、つくバスの運行に関し関東鉄道と締結している現在の契約が2025年度までとなっており、26年4月からは運転手不足によりさらなる減便の可能性があるという。市は24、25年度に運行路線の再検討に取り組むとしている。
筑波地区を運行する支線バス「つくばね号」は、運行時間が午前8時前から午後5時台、乗り合いタクシー「つくタク」は運行時間が午前9時台から午後4時台までとなっていることから、来年4月からの労働時間の上限規制の影響は受けない。
通勤、通学優先し日中と土日祝日を減便
7日の報告によると、運転手の長時間労働を防ぎ、安全を確保するため改正される労働時間の上限規制や休息時間の確保などにより、つくバスは、平日の運転手が7人減り、土日祝日の運転手が18人減る見込み。どの便を減便するかの考え方として市は、通勤や通学のための朝便と夜便を優先し、平日の日中と土日祝日の便を減便することで対応するとしている。(鈴木宏子)
各路線の減便本数の見通しは以下の通り。
▽北部シャトル(つくばセンターから天久保、大穂などを通り筑波山口までを往復)は平日の上り下り併せて8便を減便し、土日祝日は上り下り計16便を減便
▽小田シャトル(つくばセンターから春風台、大形などを通り筑波交流センターまでを往復)は平日は上り下り計8便減、土日祝日は計14便減。次の便まで平日の日中は最大2時間45分の間隔が空く
▽作岡シャトル(研究学園駅から東光台、北部工業団地などを通り寺具までを往復)は平日上り下り計6便減、土日祝日は計12便減
▽吉沼シャトル(研究学園駅から学園の森、大穂などを通りとよさと病院までを往復)は平日上り下り計2便減、土日祝日は計6便減
▽上郷シャトル(つくばセンターから東光台、豊里の杜などを通りとよさと病院を往復)は平日上り下り計4便減、土日祝日は計6便減
▽西部シャトル(みどりの駅から万博記念公園駅、上郷などを通りとよさと病院を往復)は平日上り下り計3便減、土日祝日は計10便減
▽南部シャトル(つくばセンターから松代、農林団地などを通り茎崎老人福祉センターまでを往復)は平日上り下り6便減、土日祝日は計20便減
▽谷田部シャトル(研究学園駅から島名、みどりの駅などを通り谷田部窓口センターまでを往復)は平日上り下り計3便減、土日祝日は計8便減
▽自由ケ丘シャトル(みどりの駅から観音台、森の里団地などを経由し富士見台までを往復)は平日上り下り計2便減、土日祝日計6便減
▽茎崎シャトル(富士見台から自由ケ丘、城山団地などを通り牛久駅西口までを往復)は平日上り下り計2便減、土日祝日は計6便減。
※つくばエクスプレスやJR常磐線のダイヤ改正によりさらに変更となる場合もある。