4日行われた第92回土浦全国花火競技大会(実行委員長・安藤真理子土浦市長)で10分間の中断があったことについて、安藤市長は6日の市長定例会見で、10号玉が上空で開かず落下し、地上で開いたためと説明した。一般人の立ち入りが禁止されている保安区域内に落下し、けが人が無かったこと、周囲に大きな損傷が無かったことなど安全が確認されたことから、会場の本部席にいた実行委員らで協議し再開を決めたとしている。
同実行委事務局を務める市商工観光課によると、同日午後6時6分、競技花火29番目の長野県、伊那火工堀内煙火店が、打ち上げ会場になっているイオンモール土浦の駐車場で10号玉を打ち上げたところ、約300メートル上空まで上がったが花火が開かず、そのまま落下し、地上で直径約300メートルにわたり花火が半球状に開いた。
落下場所や花火が開いた場所が保安区域内で、花火業者関係者や事務局の市職員らがいたが、けがは無かった。市職員らが直ちに、けが人の有無、打ち上げ会場の損傷、後続の打ち上げへの影響などを確認したところ安全性に問題が無かったことから、同実行委で協議し、10分間の中断後、同6時16分、打ち上げを再開した。
ただし落下地点のアスファルトに一部へこみが出たなどしたことから、実行委が修繕する。なぜ上空で花火が開かなかったのかについては現在、打ち上げ業者が原因を調べているという。
安藤市長は「けがが無かったので、正直心からほっとしている。過去に事故があって、途中で中断しなくてはならないことがあった。火薬を扱う花火大会は(立ち入り禁止など)保安距離を設け、何かあるかもしれないことを前提に準備を進めている。今回、地上で開いた時、事業者や関係者がきちんと対応してくれた」などと話した。
ドローン飛行、警察が捜査
一方、会場付近ではドローン2機が無許可で上空を飛行していることが確認されたとし、現在、警察が捜査を進めているという。市によると、警察は今年、ドローンに特化した対策チームを編成して対応に当たった。昨年はドローン1機の飛行が確認され、航空法違反の疑いでかすみがうら市の男性が書類送検されている。
4日は約2万発の花火を打ち上げて全競技を終えた。昨年より約15万人多い約60万人が観覧した。安藤市長は「新型コロナの行動制限はなくなったが、3年ぶり開催となった昨年の教訓を生かして、桜川の土手の上には屋台を設置しない、いす席を設けるなどして臨んだ。体感としてお客様が増えているなと感じた」などと話した。