学校法人つくば文化学園が運営する日本語学校「日本つくば国際語学院」(つくば市松代、東郷治久理事長兼校長)の後期入学式が26日、隣接する料亭、つくば山水亭で催された。中国、韓国、バングラディシュ、イランなど8カ国から計20人が入学し、出身国や地域の民族衣装やスーツ姿で式典に臨んだ。東郷理事長からは、新入生一人ひとりに学生証が授与された。
東郷理事長は「当校の教育理念は、日本語を楽しく学び、日本を好きになってもらうこと。学校で先生や友達と会ったら元気にあいさつし、たくさん日本語を使って上手になってください。つくばには多くの研究機関や教育機関があり、勉強に集中したいならつくばよりいい場所はない」などと祝辞を述べ、「当校のように多様な国籍の学生が在籍している日本語学校はほかにはない。私たちの学校は、世界をぎゅっと小さくしたような場所。さまざまな文化があり、さまざまな人がいる。自分の国で暮らしているだけでは得られない体験をすることができる。大いに交流を深め、心身ともに成長し、真の意味で留学を楽しんでください」などと語り掛けた。
新入生を代表して韓国出身のホン・ヨンギさん(24)があいさつし「先輩たちがそうだったように、新入生たちも皆、心配な気持ちで母国を出た。見知らぬ土地で生活するのは怖いが、日本の美しい風景ときれいな街、おいしい食べ物、親切な人たちを見れば日本に来てよかったと思う。入学した以上は、毎日の日本語の勉強を頑張り、流ちょうな会話力を身に付けること、友達との付き合いを大切にし、楽しい思い出を残すことの二つを目標として頑張っていきたい」などと述べた。
在校生を代表して歓迎の言葉を述べた中国 内モンゴル自治区出身のシェン・ウェンジェさん(23)は、2022年7月に中国の大学を卒業した。日本への留学を決めていたが、コロナ禍で出国できず、今春ようやく入学を果たしたばかり。当時を振り返り「コロナの影響で漠然とした不安と焦燥感でいっぱいだった。夢もなく、やりたいこともなく、日本に来るまでそんな思いを抱えたままだった」と話した。さらに「(留学が決まってからも)コロナの影響で国から出ることができなかったので、やりたいことをやるために目の前のやりたくないことをやる、学校が終わったら寝ないでアルバイトに行って、空いた時間を見つけて勉強する、そんな日々を過ごし、夢を追いかけるのを諦めようと思ったことが数えきれないくらいあった」と語った。しかし「諦めようと思った回数よりも、留学というたった1回のチャンス、将来への希望、夢を実現したいという気持ちが支えになった」と当時の思いを話し、新入生に向けて「人生はつらいことの方が多いが、やり直しはきかない、絶対、夢をかなえてみせる、そう思って頑張っている。自分のやりたいことを見つけてやり続けることに必ず意味はある」などと語った。シェンさんは卒業後は日本の大学院進学を目指しているという。
同校には4月に入学し2年間学ぶコースと、10月に入学し1年6カ月学ぶコースなどがある。