つくばの新しい文化拠点にー。そんな思いを込めて、つくば市竹園の複合商業施設デイズタウン1階西友跡に「TSUTAYA(ツタヤ)デイズタウンつくば」が17日オープンする。ちょうど1年前の昨年10月16日に閉店したLALA(ララ)ガーデン内のTSUTAYA LALAガーデンつくばの後継店で、約2300平方メートルの売り場に約18万7000冊の書籍と10万本以上の映像作品が並ぶ。
店のテーマは「つくばカルチャーベース」。「この店が、本、映画、音楽、それぞれの文化を発信できる場所でありたいという意味で掲げたテーマ。多様な趣味嗜好を持つ人たちが、それぞれ心に響く作品と出合う場になれば」と、同店店長の小松崎隆浩さんは来店を呼び掛ける。
このご時世にあえてレンタル
小松崎さんが「力を入れた」というのが、過去の名作から、世界各地の映画賞受賞作品など幅広い作品を取りそろえたレンタルDVDコーナー。オンラインでの動画配信が主流になりつつある中で、「ネットでは、自分の履歴を元に出てくる『オススメ』が中心になる。お店で新しい映画と出合って欲しいという思いでたくさんの作品をそろえた。棚を見るだけでも圧倒的に選ぶ幅が広がるはず。知らない作品でも、カバーを見て気になった作品を手に取ることも実店舗だからこその楽しみ方。映画の魅力を感じて欲しい」。
隣接のコミックコーナーでは新刊の販売とともに、市場では流通していない過去の作品をレンタル作品として多数取りそろえ、新しい試みとしてレコードのレンタル、販売も音響機器販売とともにスタートさせる。「このご時世にあえてレンタルに力を入れるのは、なんとしても映画、音楽、本も含めて文化を発信していきたいから。絶対に継続させたいと思っている」と小松崎さんは強調する。
研究機関と選書で連携、社会課題と向き合う児童書充実
「つくばを意識した店舗づくり」だというのがサイエンスコーナーだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)や国立科学博物館 筑波実験植物園など、市内にある各研究機関と選書などで連携し、専門書籍を取りそろえるだけでなく、一般的では流通していないJAXAのタブロイド広報誌などのバックナンバーも含めて取りそろえる。
市内で行った街頭アンケートを元に選書したという児童書も充実させた。「近隣の子育て世代から、今の社会問題について子どもたちにどうやって伝えればいいのかわからないという、戸惑いの声を聞いた。絵本の面白さとともに、子どもたちがきちんと学べるコーナーとして、戦争、ジェンダー、障害、SDGsなどの児童書を充実させた」
その他に店内では、トレーディングカードの販売コーナーを設けており、子どもたちが自由に交流できるスペースも用意され、そこで毎週トレーディングカードのゲーム大会が開催される。
LALAガーデン閉店時に店長を務めていたという小松崎さん。「再びつくばに戻って来られて、率直にうれしい。つくばには様々な個性ある方たちがいて、これまでも一緒にイベントなどを開いてきた。お客様、お世話になった方もたくさんいる街でまた一緒に楽しい企画をつくっていきたい。お客様にも喜んでいただき、私たちも楽しくお店を続けていけたら」とし、「つくばにはたくさんの研究所がある。世界の最前線で何を研究しているのかを、地元の子どもたちに知ってもらえるイベントも企画していきたい」と力を込める。(柴田大輔)
◆同店はつくば市竹園1-9-2、デイズタウン1階。営業時間は午前10時~午後10時。定休日無し。地元を応援する企画として来年3月末まで、書籍、雑誌、コミックの売り上げ1冊に付き10円を、市内小学校の図書室の蔵書充実のため市に寄付する。