山頂駅展望台に新アクティビティ
紅葉シーズンを前に、筑波山ケーブルカー(筑波観光鉄道運行)で10月1日から、車内に色付いたモミジやイチョウを飾り立て、声優らによる朗読劇が体験できる秋のイベント列車「ストーリーテラーズ・レールウェイ」が運行される。昨年に続いて2回目。
8分間の乗車時間の間に、つくばエリアで語り継がれる民話「しっぺいたろう」、宮沢賢治の「注文の多い料理店」、筑波山名物「ガマの油口上」を声優や劇団員らが朗読する。さらに今年から、標高約800メートルの御幸ケ原の筑波山頂駅隣りにあるレストランの展望台屋上に、絶景に浮かぶ的に向かってウォーターガンを発射させるアクティビティが導入される。「天空のガマスプラッシュ」と名付けられたストレス発散系アクティビティだ。

企画会社の担当者は「今年は朗読に女性声優も参加するなど、昨年よりグレードアップした形となる。また新しいメニューを加え、筑波山観光をグレードアップさせたい」と語り、筑波観光鉄道営業本部の須藤淳さんは「昨年から朗読列車を運行し、大変評判が良く、乗客数も増した。今年は企画がバージョンアップしたので、乗客数がさらに増加することを期待したい」とし、「筑波山ロープウェイの方も、10月から土日祝日に夜間運行がはじまるので楽しみにしてほしい」と話す。
29日、メディア向け内覧会が開かれ、筑波観光鉄道の枝村誠社長、つくば市の飯野哲雄副市長、筑波山神社の上野貞茂宮司、つくばエクスプレスを運行する首都圏新都市鉄道の渡辺良社長がそれぞれあいさつした。飯野副市長は「11月3日に筑波山ゲートウエイのオープンもあり筑波山を中心とした地域がさらに盛り上がることを期待したい」と話した。

3人の声優、上原悠希さん(22)、菊池将司さん(22)、水野谷泰我さん(22)も参加し、ケーブルカーの車内で上原さんが「しっぺいたろう」を朗読、山頂駅到着と同時に終わらせるという職人芸を見せた。この日、山頂駅近くの展望台の屋上では、強い風の中、筑波山ガマ向上保存会の筑波和弘さんが「ガマの油」のショートヴァージョンを披露したほか、3人の声優が「天空のガマスプラッシュ」のパフォーマンスをした。
筑波山ケーブルカーは筑波山頂駅と宮脇駅間の全長1634メートル、標高差495メートルを「もみじ号」と「わかば号」と名付けられた2つの車両が結ぶ。今回の企画は「もみじ号」の車両を朗読列車として使用する。(榎田智司)
◆朗読列車は10月1日(日)~29日(日)の土日祝日の午前11時台から午後2時台に出発する便で運行する。車内の装飾は12月3日(日)まで。乗車料金は往復で大人1070円▷「天空のガマスプラッシュ」は10月1日(日)~29日(日)の土日祝日の午前11時~午後3時。料金は1回700円▷山頂駅近くのコマ展望台レストランで10月1日(日)~12月3日(日)、名物の筑波山の形をした「つくば山カレー紅葉仕立て」(1100円)を販売する。