ー今回の勝ち上がりをどのように感じていますか。
丸林 監督さんが言うようにまさに甲子園で勝つことを目標にして取り組んできた世代で、秋と春の関東大会で勝ちきれなかったが、甲子園で結果が出て本当にうれしかった。一戦必勝で精一杯臨んだ結果が4勝につながった。(データ分析担当の)私としては対戦相手の地方大会からの全試合を見て、投手、打者それぞれの傾向を分析し対策を練って選手に伝える忙しい日々を過ごさせてもらった。99回大会と100回記念大会とで初戦敗退で帰ってきた時は「お疲れ様」と声をかけてもらったが、今回は「感動をありがとう」とか「元気や勇気をもらった」といろいろな人から熱く声をかけてもらった。ずっと大阪にいて茨城の熱量が分からなかった(笑)が、帰ってきて、改めて茨城県全体が盛り上がっていたことを知り、うれしく感じた。
ー学校関係者やOBからの反応はどうでしたか。
丸林 新たな歴史を築くことができ学校関係者やOBからも多数の支援や祝福の言葉をいただいた。99回大会や100回記念大会に出場した世代の子たちには、「君たちが甲子園に出場してくれたおかげで今の子たちが土浦日大を選んでくれたんだよ」と改めて感謝を伝えることができた。
ー8月21日に甲子園で準決勝を行い、翌22日には、新チームの秋季大会としてJ:COMスタジアム土浦での県南地区1次予選に出場するため、小菅監督と2年生の甲子園メンバーは息つく暇もなく21日のうちに茨城に戻りました。疲れが相当残っていたのではないでしょうか。
丸林 そうですね。甲子園でも2年生2人がほぼフル出場していましたので、疲れはあったと思いますし、何よりけがなどの故障が心配でした。1次予選に選手権出場校も参加する仕組みになったことは理解できるが、例えば、甲子園で準々決勝(ベスト8)や準決勝(ベスト4)まで残った場合には、県南地区予選を何日か後ろにずらしていただくとか、勝ち上がるほどに新チームがスタートできないので日程的な配慮はあってもいいのかなとは思う。
ー10月8日からの鹿児島国体にはどのようなメンバーで臨むのでしょうか。
丸林 甲子園に出場した3年生が中心になりますが、2年生は秋季大会の期間中にもなるため、勝ち上がり次第ではメンバー選考の調整が必要になると思います。
ー最後に始動したばかりの新チームの展望をお聞かせ下さい。
丸林 毎年のことだが、春先から秋を想定して1、2年生で県外遠征を続けてきた。甲子園組の2年生も加わってようやくチームがまとまってきたところ。県南地区1次予選の代表決定戦では石岡一に7対5と接戦となったが、甲子園の疲れもありまだ本調子ではなかった。その後、県外の強豪校と練習試合を重ねて勝ち切れているので新チームにも力はある。スケール感は旧チームとは違うが、その代に見合ったチーム作りを行っている。そのため今夏とはまた違ったチームとして、種類の異なる投手陣をはじめ、アグレッシブな攻撃陣を楽しみにして欲しい。
ざっくばらんにお話ししてくれた丸林直樹コーチ。たくさんの感動をありがとうございました。(伊達康)