茨城県営の都市公園、洞峰公園(つくば市二の宮)の無償譲渡をつくば市が県から受けることに対する市民説明会が28日、同公園内の筑波新都市記念館で行われた。説明会は、22日に3度開かれたのに続き4度目。会場には40人あまりの市民が訪れ、五十嵐立青市長や県担当者との質疑が交わされた。
参加者からは、グランピング施設建設を伴う従来のパークPFIによる公園管理案か、洞峰公園の無償譲渡のどちらかを受け入れるという、「二者択一」をつくば市民が迫られている現状と、譲渡後にかかる1億5000万円の維持管理費を念頭に「もう少し議論をするべきでは」との疑問が投げかけられた。
五十嵐市長はこれに対し、「様々な話を知事ともしてきた。その中で県は、パークPFIをやるか、無償譲渡をつくば市が受け入れるか、ということになった。事実として二者択一しかなかった」とし、県都市整備課は「我々はパークPFIが最良と判断した。無償譲渡がもうひとつの選択肢。二者択一と考えている」と他の選択肢は考えていないことを改めて強調した。
移管前に県、12カ所の修繕を検討
無償譲渡後の公園管理方法について、市長は「管理の仕方は決定していない」とした上で、「指定管理(者制度)でなく、しばらくは直接業務委託のような形をとる」とし、「その間に(市民や有識者による)協議会でどのような形がいいかよく話し合う。指定管理がいいのか、別の形がいいのか、パークPFIがいいのか、(公園の)一定の方向性を示した上で公募に入っていきたい」との認識を示した。また、これまでにも議題にあげられていた駐車場の拡張については、「満車になるのは週末一定の時間だけ。平日は空きがある」とし、「今の段階で拡張する計画はない」と説明した。
譲渡の際には、今年5月に実施した、公園内の新都市記念館、フィールドハウス、体育館、プールに関する状況調査において「早急な修繕が必要」と判断された外壁や煙突など12カ所について、市への移管前に、県が修繕を検討していることが伝えられた。
その他、参加者からは、「(洞峰公園は)つくばの都市としての公共デザインとして非常に重要。50年の間に成熟したこのデザインを守っていただきたい」などの要望や、「校外学習で現在の洞峰公園の環境を子どもたちに体験させるだけでなく、つくば市の歴史も伝えていくことで、自分の街への愛着をより抱くことができるのでは」「(公園内の)落ち葉を堆肥にしたり、剪定で切り落とした枝を薪にしたりし売ることで管理費の節約につながるのでは」などの意見が挙げられた。
市による説明会はこの日が最終日となる。今後のスケジュールは、8月にアンケート調査を実施し、その結果次第で国、県との必要な協議や、市民や有識者らによる協議会設置の準備に入る予定。9月議会では、県から無償譲渡を受ける条例改正案、予算案を市議会に提出、10月に市に移管になるとした。8月に市が実施するアンケートの設問や方法などはまだ決めてないとした。(柴田大輔)
➡22日の第一回説明会の質疑の概要はこちら