第105回全国高校野球選手権茨城大会は24日、ノーブルホームスタジアム水戸で準決勝2試合が行われ、霞ケ浦と土浦日大がともに逆転勝ちで決勝へ進んだ。霞ケ浦は4年ぶり3度目、土浦日大は5年ぶり5度目の夏の甲子園出場をかけた戦いとなる。両チームが決勝でぶつかるのは2017年以来6年ぶり。決勝は26日に同球場で行われる。
第1試合はノーシードから連覇を目指し、勝ち上がってきた明秀日立と大黒柱木村優人を押し立てた霞ケ浦が激突。霞ケ浦は1回、2死から菅谷冴樹が四球で出塁、木村の左前打などで二・三塁とし、羽成朔太郎の中前打で1点を先制した。
4回と6回に1点ずつ奪われ逆転されるが、6回裏に再逆転を果たした。新保玖和の左前打と菅谷の四球、木村の申告敬遠で1死満塁とすると、羽成朔の内野ゴロで2-2。途中出場の四條好誠が左翼線への適時打を放ち、3-2とした。
四條は6回表に守備固めで入った。「悪い流れになっていたので、自分が入ったことで雰囲気を変えようと思った」。その裏の打席では「勝ち越し点が欲しい場面。チャンスなので楽しんでいこうと打席に入った」。追い込まれても簡単に三振しないという意識でファールで粘り、フルカウントからの7球目、真ん中インコース寄りのストレートを思いきり振っていった。
7回には1死二・三塁の好機、まずはスクイズで1点を狙うが外され、走者が三本間で憤死。だが次打者、途中出場の前田虎太郎の内野ゴロが相手のファンブルを誘い、その間に新保が生還、1点を追加した。
投手は木村が先発完投。139球を投げて被安打4、奪三振は10。「股関節の踏ん張りがきかず手投げになっていたが、力を入れると球が上ずってしまうところを、彼のセンスで抑えて投げてくれた」と高橋祐二監督の評。
8回には二塁打と四球で無死一・二塁とされ、次打者にはフルカウントからファウル7球で粘られるが、二ゴロのダブルプレーで打ち取った。「絶対に1点以内で抑えたいと思い、その気持ちが相手を上回り、野手も応えてくれた」と木村。
新保主将は「明秀に勝ててうれしい。試合の入りでは細かくしっかりつないでいく野球をして、しんどかったが相手のミスもあり、チームメイクがしっかりできた。決勝も勝って高橋監督を胴上げし、甲子園では校歌を歌いたい」と目標を掲げた。(池田充雄)