木曜日, 4月 23, 2026
ホームつくば負担軽減へ 小中7校、洞峰公園のプール利用を検討 つくば市が3カ所で説明会

負担軽減へ 小中7校、洞峰公園のプール利用を検討 つくば市が3カ所で説明会

参加者4 そもそも何ために洞峰公園を守るかを皆で共有したい。洞峰公園の魅力は美しい緑と静かな環境だと思う。つくば市の持続可能都市ビジョンがあるが、洞峰公園はその方向性に沿った公園だと思う。それからつくば市SDGs未来都市計画がある。この中で「公園の中に街があるような緑豊かなゆとりある街並み」という表現がある。まさにつくばの魅力ではないか。赤塚から松見までペデストリアンデッキがあって、西大通り、東大通り、408号の並木道、これは世界に誇る美しい環境だ。洞峰公園はその中核にある象徴的な公園だと思う。洞峰公園を大事にすることは私たちの願い、ビジョンに基づくものだと思う。そこで、公園を守るということのつくば市のビジョン、SDGsとの五十嵐市長の思いを語っていただきたい。洞峰公園は(都市公園法上の)総合公園だ(という位置づけ)、周辺住民だけじゃない、つくば市全体のものである、という意味はとても参考になった。今の県の公園でも、つくば市だけじゃなくて、県全体の人と共有したい美しい公園だと思う。パークPFIをやらないことのメリットを考えると、PFIをやってしまったらグランピングをやって、にぎわいをやって、多くの人を呼び込んで、駐車場を拡張して、一説によると数百本の木を切ってしまうという計画があった。収益を上げるために自然を壊してしまうことがどんなにデメリットなのか、自然を守ることは金銭に換算できない大きなメリットがあると思う。

市長 総合公園について、都市公園法上はつくば市全域が対象という位置づけになる。持続可能都市宣言に書いたことで大事にしていることは、我々は先人から引き継いで今の環境を預かっている。その時の思い付き、はやっていることだけでやってしまうとしんどいことになる、次の世代に責任をもって伝えることができなくなることは大きな問題になる。つくばの市長として、先人たち、積み上げによって守られてきたものを、経営が厳しいから全部民間にということは、生態系や皆さんが積み上げてきたものが崩れてしまうと思う。ただコスト度外視ということはいかない。1億5000万円ではなくて毎年何十億だよと言われたら現実的には無理。今の市の財政状況を考えて、例えば学校のプールとして使うことで少しでも縮減させていくことができたら、総合的に考えた上で、さらに協議会をつくって少しでも収入を増やすことをやっていいと思っている。洞峰公園の設計思想に合う事業なら積極的にやるべきだと思っている。当面は市が管理することが考えられるが、いろんな方からいろんなお知恵をいただいて、どういうものが設計思想を生かしながら収入面でもプラスになるか、地域の皆さん、市内全域の皆さんも納得感のある事業を考えていきたい。1億5000万円はそういうことをしないで今のままやったマックスの数字。今回多くの方が「ボランティアで(公園の手入れ)やるよ」「寄付するよ」と言ってくださった。ある議員さんは「絶対反対」だと言っていた。しばらくしてお会いしたら「考えを変えました」と。「洞峰公園に行ってきました」ということだった。いろんな森の中でいろんな活動をしているのを見て、真逆になって、「これはわれわれが議員として守らなくちゃだめだ」となった。

参加者5 最初の方の質問のような指摘があると思って、行政とは違う地域住民としてコメントということで発言させてください。あの公園は有料で使っている人が年間27万人いる。散歩をしたり、通学路で使ったり、公園に園児を連れてくる保育園や幼稚園もいっぱいある。目の不自由な方が伴走者と安心してトレーニングで走ったり、多様な使われ方をしている。朝5時からお年寄りや体の不自由な人が集まってラジオ体操している。ある日突然(パークPFIの)ポスターが張られて、説明会といって「公園に空き地があるから儲けろと県に言われました」と言って、事業者がグランピング建てて、ビール工房でビール売って、昼間から飲めるようにします、という説明会が去年の5月にあった。それで皆びっくりした。洞峰公園は年間50万人から100万人使っている。大きく変わるということで地域がびっくりした。それをきっかけに去年の4月からボランティア団体を始めて、けさも20人くらいで掃除してきた。絶滅危惧種の植物も生えているので自主管理させてもらったり、調査活動を学校の先生とやったり、木の観察会を子供たちとやったりしている。お金の話になると本当に申し訳ないと思っている。ただ、どの地域にも心に残る風景や場所がある。そこに突然知らないものがやってきて、とにかく子供たちが嫌だと言っている、つくばに移住していた若いお母さんたちが、こんなはずじゃなかったっていう声がいっぱい集まってきてしまった。県に何回もお願いに行ったが、知事の定例記者会見をご覧のように基本的には「やります」「やります」とそこを変えていただけなかったので、こういう結果になったんだと思う。これがまた白紙に戻ったら地域としては県にアプローチをしていかなくちゃいけないので頭が痛いところはある。今回いろんなタウンミーティングに行って、各地域にいろんな問題があることを知った。道路がまだないとか、水道がきてないとか、本当に勉強になって、そういうところに足を運んで、できることをしたいという気持ちだけはある。そういう気持ちが私たちの周りにはできている。大穂の皆さんや北条の皆さんも一緒に考えてほしい。つくば市のど真ん中にある緑の木を切っちゃう、沼のアシ原を切っちゃうって聞いたら、ただの汚い池になっちゃう。今もかなりアオコが出始めている。そうなった時、だれがどうするのか、皆で考えるきっかけにしていただきたい。地域住民のエゴととらえられるのが苦しいのでそこだけは理解いただけたら。

参加者6 洞峰公園の周辺に住んでいる。感情論しか言えない、金額は議会、市長にお任せするしかないが、つくばは本当にいいところだと日ごろ思っている。息子がゼロ歳の時からほぼつくばで子育てをした。洞峰公園は、本当に子どもが安心して過ごせるいい公園。ゼロ歳から、妊婦から、年齢、年齢で過ごし方があって、過ごす時間帯がある。パークPFIの話を去年聞いて、公園でお酒、公園でどんちゃん騒ぎできちゃうのって、素朴な母目線で、嫌だなというので、周りのお母さんたちと話して、誰一人、洞峰公園周辺じゃなくても、「それはちょっと」という声がいっぱいあった。このままであってほしいという思いを去年はお伝えさせていただいた。今のままの洞峰公園であるためには大井川知事が提示した無償譲渡、市への移管を五十嵐市長が受け入れようとしていることに本当にありがたいと思っている。生きずらさを感じている子供たちいっぱいいる。そういう子たちが一人でも安心してのびのび過ごせる場所があちこちにあればいいなというのが子育て世代の願い。その一つに洞峰公園はなり得る公園。プールの話、なるほどと思った。コロナ前は洞峰公園を活用している学校がもっといっぱいあった。フィールドワークのできる公園として利用してほしい。自由に過ごせる場、安心して過ごせる場としてこのままであってほしい。質問だが、万が一つくば市議会で否決されることがあった場合、県の管理のままでパークPFIが再開するという認識でいいのか。

県都市整備課長 今のご質問に対して案は持ち合わせていないが、今までの議論の経過や、パークPFIをこれからどのようにやるかを含めてもう一度考え直すことになると思う。今一旦止めているので、立ち止まってもう一度考えるタイミングにはなると思う。ただ今は、移管を前提にいろんなことを進めているので、そういう段階にはないということで、答えになっているかどうか、申し訳ないんですけど、グランピングをやるかどうかは、もう1回、市と協議させいただいて、どういう形がふさわしいかということを当然協議するということになると思うのでご理解いただきたい。

市長 何ともわからないところだが、全体的な県の流れは、いろんなものを民間に売却する方針になっている。これまでのプロセスではゼロか百かの議論でずっと進んでいた。グランピングを含めたパークPFIは一度も揺らいだことは無いので、普通に考えるとその流れなのかなという気はする。

参加者7 市民説明会の周知について、洞峰公園の説明会が3カ所で4回行われるが、場所と回数がかなり少ない。このような回数と場所で市民の意見を聞いたことになるのか。7月7日にネットで知らされ、ほんの数週間で説明会、わずか4回。私たちの住む地域ではほとんどの住民が説明会の開催を知らない状況にある。特に7月22日、23日は地域の祭り等の行事が多く、住民は夏祭りに参加して、説明会に来たくても来られない住民が多くいる。なぜこのような大きな問題となっている洞峰公園の説明会をわずか4回、しかも地域の夏祭りが集中する日に設定したのか、伺いたい。

市長 説明会は通常は何かやるときは、その施設のエリアと市役所の2カ所というのが多い。洞峰公園は総合公園で市全域に関わる話なので通常より拡大して南と北でやる、真ん中でも時間帯を変えてやるということをした。周知は各公園施設などでご案内した。通常よりもより広い形で市民の意見を伺ったと思っている。市には大きな事業だが説明会をやらないケースもある。皆さんの関心がひじょうに高いのでアンケートをこの後、実施する。設問の作り方によって、いくらでも誘導できるので、どういう形で市が取り組むかということをきちんとお伝えして、正しく事実を伝えながらバイアスがかからない設問を用意したい。(説明会の日程は)場所が空いている時間、スケジュールを見ながら今日になった。

次ページに続く

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

54 コメント

54 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

「市民の応援が大きな励みに」油井宇宙飛行士、つくば市長を表敬訪問

国際宇宙ステーション(ISS)に約5カ月間滞在し、今年1月に帰還した宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙飛行士 油井亀美也さん(54)が22日、JAXAの宇宙飛行士養成施設がある地元のつくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。今回の油井さんの宇宙滞在は2015年以来、約10年ぶり2回目で、滞在日数は合計300日を超えた。「つくば市民の応援が大きな励みになった」と語った。 今回の任務では、約5.9トンの物資を輸送する能力を持つJAXAが開発した新型宇宙ステーション補給機「HTV-X」初号機を、ロボットアームを使ってつかむ操作に成功した。「国際的な協力と地上の支えのおかげで、すべてのミッションが大成功だった」と振り返り、作業については、「宇宙ステーションが秒速8キロで飛行する中で、静止しているように感じた。技術の高さを実感した」と語った。 また、JAXAが開発した実験棟「きぼう」では、将来の宇宙開発に向けた重要な成果として、将来の有人宇宙探査を見据えた新型二酸化炭素除去装置の技術実証を実施した。「宇宙飛行士が生活するために必要なもの。基礎技術を宇宙で実証できたことで、日本の技術力を示すことができた」と振り返った。 約166日間滞在した国際宇宙ステーションでの生活については、「10年経っても体が覚えていて適応は早かった」とし、「宇宙ステーションの環境が以前よりもすごく良くなっていた。日本食の数も増え、美味しいものが増えていた。インターネットの速度も速くなっていて家族と話をするのも比較的簡単に、しかも顔を見ながら話ができるようになっていた。非常に快適だった。一生住んでもいいかなって思うくらい」と話した。特に地上から届いた新鮮な野菜や果物のおいしさが印象に残ったと言い、「野菜やフルーツが苦手だったが、こんなにおいしいものを半世紀以上食べていなかったのかなと少し反省をした」と笑顔を見せた。 宇宙から見た地球については、火山活動や前回よりも大型化しているように感じた台風など自然現象が印象的だったとし、各地の夜間の明るさの違いから、国や地域による社会課題を実感したと言い、「新たな学びとなった」と語った。 つくば市については、「カメラの望遠レンズ越しに見ることができた。宇宙からも整然とした街並みがよく分かった」と話し、市内に設置された市による応援横断幕についても、「JAXAの職員から写真が送られ見ることができた。市民の応援が大きな励みになったし、普段から応援してくれる人たちを思い浮かべながら任務にあたった」と感謝を述べた。 宇宙飛行士育成に力を入れたい 今後については「再び月や火星を目指すには年齢的に難しい」としながら、「これまでの経験を生かし、後進の宇宙飛行士たちが胸を張って、立派に月や火星で任務を果たせるよう、育成に力を入れたい」と語った。 五十嵐市長は「極限環境の中でも宇宙の魅力や可能性を楽しく伝える姿に感銘を受けた。宇宙の街として、これからも宇宙飛行士を全力で応援していく街でありたい」と話した。 油井さんは1970年生まれ、長野県出身。92年に防衛大学校を卒業後、航空自衛隊に入隊し、小美玉市の百里基地に4年間、配属された。その後、自衛隊出身者初の宇宙飛行士として2009年にJAXA宇宙飛行士候補に選抜された。(柴田大輔)

対策必要な下水管 延長600メートル つくば市 八潮市の陥没事故受け特別調査

埼玉県八潮市で昨年1月に発生した道路陥没事故を受けた下水道管路の全国特別重点調査で、つくば市は21日、対策が必要な下水道管路は市内に延長約600メートルあると発表した。いずれも筑波研究学園都市の建設が始まった1970年代につくられた雨水管という。同時期に生活排水を流す汚水管も埋設されたが、今回の国交省調査の対象外という。 対策が必要な雨水管600メートルのうち、原則1年以内に速やかな対策が必要な緊急度Ⅰの管路は延長約100メートル、応急対策を行った上で5年以内を目途に対策が必要な緊急度Ⅱの管路は延長約500メートルだった。 特別調査は、八潮市の陥没事故を受け、国交省が全国に調査を要請した。調査対象は内径2メートル以上の大口径で、1994年度以前に布設され30年以上を経過した下水管。傷み、腐食、破損、たるみなどの程度や個所数などを調査した。市内では延長約23キロの雨水管が調査対象となった。昨年7~12月、調査員が雨水管内に入って管内の状況を目視で調査、今年1~2月に調査結果を診断した。一方汚水管については内径2メートル以上のものはなく、今回の調査対象にはならなかった。 調査の結果、対策が必要だと分かった延長約600メートルの雨水管の管路に軽微なひび割れなどが認められたが、土砂の堆積など道路陥没につながるような緊急性の高い異常は確認されなかった。市下水道工務課は、今回調査対象となった雨水管は、汚水管のように硫化水素が発生し腐食しやすい環境にないため、道路陥没のリスクは比較的低いとしている。 今後の対応として市は、1年以内に対策が必要な延長約100メートルについては、空洞化調査などの詳細調査をし、来年2月までに対策を実施するとしている。5年以内に対策が必要な延長約500メートルについては2031年2月までに対策を実施する。修繕完了までに一定期間を要することから、路面巡視などを適宜実施し、陥没の予兆となる道路異常の早期発見や事故防止に努めるとしている。 一方、内径が2メートル未満のため今回の調査対象にならなかった汚水管については、市の第1期(2019~23年度)ストックマネジメント計画で、延長3100メートルについて修繕対応が必要とされ、23年度までに1900メートルの修繕を実施してきた。現在実施中の第2期計画では、第1期で積み残した1200メートルと新たに判明した分を合わせた5700メートルについて対策を実施するとし、初年度の24年度末時点で220メートルについて修繕を実施したという。 県が管理する流域下水道の管路については、つくば市内などに布設されている霞ケ浦常南流域下水道の管路は、対策が必要な箇所は無かった。土浦市などに布設されている霞ケ浦湖北流域下水道については、原則1年以内の速やかな対策が必要とされる緊急度Ⅰの箇所が延長6メートル、応急措置を行った上で5年以内を目途に対策が必要な緊急度Ⅱの箇所は延長71メートルあった。

学校給食の牛乳に異味 土浦市 6校の12人が体調不良

土浦市教育委員会は21日、市内の小中学校の学校給食で出された牛乳を20日に飲んだ児童、生徒から「いつもと牛乳の風味が違う」など異味の申し出があったと発表した。そのうち6校の児童生徒12人から腹痛など体調不調の訴えがあった。 牛乳は、いばらく乳業(水戸市)が製造したもので、茨城県学校給食会から同市が購入し、市内24の小中学校に計約1万500食分を提供している。 発表によると、市内の全24校で「味がすっぱい」「薄い」「酸味がある」「薬のような臭いがする」など異味の申し出があった。24校は、土浦小、下高津小、東小、大岩田小、真鍋小、都和小、荒川沖小、中村小、土浦二小、上大津東小、神立小、右籾小、都和南小、乙戸小、菅谷小、一中、二中、三中、四中、五中、六中、都和中、新治学園義務教育学校、土浦一藁附属中。 そのうち体調不良の訴えがあった6校の12人は、土浦小が3人、下高津小2人、上大津東小2人、都和南小3人、五中1人、新治学園1人。 20日、各学校が市学校給食センターに報告。土浦保健所や県教育庁保健体育課に連絡した上で、いばらく乳業に対し、原因の調査を依頼している。 市教委は21日から当面の間、給食での牛乳の提供を停止し、児童、生徒には水筒を持参してもらって対応している。 市教委は「関係する児童、生徒、保護者の皆様には大変ご心配をお掛けしましたことをお詫びします」などとしている。

運命の人《短いおはなし》50

【ノベル・伊東葎花】 わたしは、前世の記憶を持って生まれた。前世のわたしは、老舗料亭のひとり娘。裕福な家庭に育ったけど、家に縛られ自由はなかった。そしてわたしは恋をした。相手は売れない画家だった。将来を誓い合ったけど、結ばれなかった。身分違いの恋だ。周囲からの猛反対に遭って別れた。 わたしたちは、誓い合った。 「生まれ変わったら、絶対いっしょになろうね」 きっと何度生まれ変わっても、わたしは彼を見つける。だって彼は、運命の人だから。 あれから数十年。わたしは生まれ変わった。今のわたしは、料亭の娘じゃない。親の束縛もない。とても自由なの。彼との出会いを夢見て過ごした。一目見ればわかるはず。だって運命の人だもの。 穏やかな春の日、何かに導かれるように、夕暮れの公園に来た。通りかかったひとりの男が、わたしをじっと見ている。運命を感じた。ああ、この人だと思った。姿は変わっているけれど彼に間違いないと、わたしは感じた。 「わたしがわかる?」 呼びかけてみた。彼が少しずつ近づいてくる。 「ああ、ずっと探していたんだ」 彼は、わたしをぎゅっと抱きしめた。ああ…、やっぱりそうだ。運命の人だ。「僕の家に来る? すぐそこなんだ」 彼が耳元でささやいた。もちろんわたしはうなずいた。 「ほら、見えるだろう。あの赤い屋根の小さな家だよ」 彼が指差す家は、わたしの理想の家だった。いつかあなたが絵に描いた家。赤い屋根のかわいい家で、ふたりで暮らそうと言ったこと、憶えていたのね。うれしい。わたしは目を閉じて、彼に寄り添った。 「これから一緒に暮らそう。きっと君も気に入るよ」 庭には、かわいいお花がたくさん咲いている。ふたりの楽園ね。 彼はドアを開けると、「お~い、帰ったよ」と誰かに声をかけた。家族がいるの? わたし、気に入られるかしら。「おかえり」と顔をのぞかせたのは、若い女だった。 女は、わたしを見るなり目を潤ませた。 「なんてかわいいの」 「公園で見つけたんだ。ピンときた。君が絵に描いていた子にそっくりじゃないか」 「ええ、そうよ。なぜだかずっと夢に出てきたの。きっと運命よ。やっと会えたのね」そう言って、女がわたしを抱きしめた。 ああ、そうか…。彼女のぬくもりに触れたとき、わたしにははっきり分かった。運命の人はこの人だ。 彼が男に生まれ変わるとは限らない。わたしが人間に生まれなかったのと同じだ。 わたしは、いとおしい人の胸に抱かれて目を閉じた。そして「ニャ~」と甘えてみせた。  (作家)