第105回全国高校野球選手権茨城大会は17日、3回戦に入り、J:COMスタジアム土浦では常総学院が下妻二と対戦。両チーム合わせてわずか7安打という投手戦を繰り広げ、常総学院がワンチャンスを生かして下妻二を退けた。
常総学院の先発はエースの諸星蒼空。「初戦は誰でも緊張するので、主戦投手に早く夏の経験をさせておきたかった」と島田直也監督の目論見。「春とは全然違う雰囲気だった。相手より先に失点せず、粘り強く投げられたが、エースとしてはチームを勢い付けられる投球をしなくてはいけなかった。そこが反省点」と諸星。「暑さの中でしっかり投げてくれた。投手が頑張ってくれれば野手もそれに応える。そういうことができるチーム」と島田監督。
下妻二の先発はアンダースローの飯塚史恩。対策は立ててきたものの、巧みな緩急やボールの出し入れの前に、常総打線はゴロアウトやフライアウトを連発。チームに不安がよぎったという。
「負けたらどうしようと硬くなり、自らの首を絞めてしまった。自分たちは関東大会でベスト4まで行ったのだから、天狗になってはいけないが、いままで練習で培った力を信じなさいと話した」と島田監督。
常総学院の得点は6回。暑さの中で相手投手の疲れにつけ込んだ。四球2つと川上大宝の中前打で1死満塁にすると、押し出し四球でまずは1点。三振一つをはさみ、2死満塁で打席に立ったのは石井恭悟。
序盤から相手投手の変則ピッチングに苦しみ、関東大会でも木更津総合のサイドスロー投手に抑えられたことが石井の頭をよぎったという。「同じような悔しい思いはしたくない」と打席へ。直球と変化球のどちらもかわされていたので、この回は直球に的を絞り、カウント3-1からの5球目を右前へ2点タイムリー。3点差と突き放し、相手先発をノックアウトした。
6回裏は常総学院の先発、諸星にも疲れが見え、二番手の飯塚遥己にマウンドを引き継いだ。飯塚は「ボールの調子はよく、6回はストライク先行でいけた。7回は先頭打者に四球を与え、流れを相手に渡してしまった」と振り返る。7回裏の守りは先頭打者四球の後、暴投、野選、送りバントで1死二・三塁のピンチを迎え、ショートゴロ2つで乗り切った。「投手が苦しいときは野手がカバーし、野手が苦しいとき投手がカバーして助け合う。次戦もストライク先行で、しっかり腕を振っていきたい」と飯塚。
常総学院は9回表にも石井の中前二塁打で得点機をつくるが、挟殺などで追加点を奪うことはできなかった。「自分たちは点を取った後に攻撃が落ちてしまうのが課題。勝ち上がるにはそこで隙間をつくらず、畳み掛けていかなくては。次は相手もさらに強くなり、同じ戦いでは勝てない。暑さも厳しくなるので、打撃陣が投手の力になれるよう調子を上げていきたい」と石井は前を向いた。(池田充雄)
▽17日の土浦、つくばの出場校の試合結果は以下の通り
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