第105回全国高校野球選手権茨城大会は15日、J:COMスタジアム土浦で土浦工が初戦を迎えた。2回戦で水戸葵陵と対戦したが力及ばず、1-11のコールド負けを喫した。
土浦工は、エース清水達也と救援の横張功樹主将が代わる代わるマウンドに上がる独自のスタイルで水戸葵陵を迎えた。清水は110キロ台の球速だが伸びのあるストレートと落ちるカーブが持ち味。長身の左腕から投げ下ろすクセ球が何よりの武器だ。「前半途中から安定してきて自分の調子が出せた。終盤リズムを崩し、悪い流れを生んだことが悔しい」と試合後のコメント。
横張は清水とは幼な馴染みで、小中高と一緒に野球を続けてきた。2年の春から清水が体調不良で入院し、野球をあきらめかけたときも、横張の声掛けによりチームに復帰することができたという。
土浦工は2回と3回に1点ずつを失うが、4回表2死一塁から青木雄璃の左翼線への二塁打で1点を返し、追い上げムードを高めた。青木は「走者の渡辺匠は俊足なので、バッテリーは盗塁を警戒してストレートで来ると予想していた。打った瞬間はサードライナーかなと思ったけれど、抜けてくれてよかった」という。
普段はショートとして守備を支える横張が、この日最初に救援に向かったのは4回裏、1死一・二塁の場面。「横張は気持ちが強いので、球にピンチの場面もがんがん行ける」と久保田昌倫監督。「決め球のスライダーがあるので、ワンポイントだったら行ける」と横張。犠牲フライで1点を失ったが、相手の上位打線を抑えた。
横張が2度目のマウンドに立ったのは6回裏。だがこのときは疲れで足がつるなど、すでに余力は残っていなかった。3つの四球と2つの暴投、さらに3安打を浴びて6点を献上し、佐々木に敗戦処理を託した。「つらいときも苦しいときも助けられながら、最初から一緒にやってきた仲間たちに1勝させてあげられなかったことが悔しい」と横張。
4月に赴任した久保田監督は、わずか3カ月間で守備の基本を叩き込むなど、チームのテコ入れを図ってきた。「後悔のないよう詰め込んだが、鍛えきれない部分も多かった。例えば外野手には、芝生の球場での試合経験を積ませてあげたかった」それでも選手たちは短期間で見違えるように変わり、その集大成をこの試合で見せてくれたと讃えた。(池田充雄)