台風2号と前線の活発化に伴う2日からの降雨で、つくば市を流れる谷田川は3日昼前、左岸の同市森の里の北側で越水し、隣接の住宅団地、森の里団地内の道路2カ所が冠水した。住宅への床上浸水の被害はないが、床下浸水については調査中という。
つくば市消防本部南消防署によると、3日午前11時42分に消防に通報があり、南消防署と茎崎分署の消防署員約25人と消防団員約35人の計約60人が、堤防脇の浸水した水田の道路脇に約100メートルにわたって土のうを積み、水をせき止めた。一方、越水した水が、隣接の森の里団地に流れ込み、道路2カ所が冠水して通行できなくなった。同日午後5時時点で消防署員による排水作業が続いている。
市は3日午後0時30分、茎崎中とふれあいプラザの2カ所に避難所を開設。計22人が一時避難したが、午後4時以降は全員が帰宅したという。
2日から3日午前10時までに、牛久沼に流入する谷田川の茎崎橋付近で累計251ミリの雨量があり、午前11時に水位が2.50メートルに上昇、午後2時に2.54メートルまで上昇し、その後、水位の上昇は止まっている。
南消防署と茎崎分署は3日午後5時以降も、水位に対する警戒と冠水した道路の排水作業を続けている。
現場を見に来た同団地内に住む防災介助士の金栗聡さん(55)は「いつもは平穏な谷田川だが1日で急変しびっくりした。いつ何が起こってもおかしくないと痛感した」と語った。
森の里自治会の倉本茂樹会長は「43年住んでいて、谷田川が越水したのを見たのは初めて。2015年と16年に森の里団地で床下浸水があったが、その時の原因は、団地の排水ポンプが停電で動かなくなったため。その後10年ぐらいかけて停電でも動くように改修した。越水し、びっくりしている。団地内に水が来ないように堤防をかさ上げしてほしい」と話す。
谷田川を管理する県竜ケ崎工事事務所河川整備課によると、越水部分の長さは不明という。越水の原因についても「強い雨が長時間にわたって降ったが、越水した原因は調査している」と話すにとどまっている。
森の里より少し上流の同市谷田部地区では、谷田川の水位が午後になっても下がらないことから、3日夕方まで、両岸に広がる水田が冠水し、一面湖のようになった。
つくば市危機管理課によると、3日は市全体で、森の里を含め29カ所で道路が冠水したほか、倒木の被害が10件あった。