日曜日, 1月 4, 2026
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牛久沼近くで谷田川越水 つくば市森の里北

台風2号と前線の活発化に伴う2日からの降雨で、つくば市を流れる谷田川は3日昼前、左岸の同市森の里の北側で越水し、隣接の住宅団地、森の里団地内の道路2カ所が冠水した。住宅への床上浸水の被害はないが、床下浸水については調査中という。

つくば市消防本部南消防署によると、3日午前11時42分に消防に通報があり、南消防署と茎崎分署の消防署員約25人と消防団員約35人の計約60人が、堤防脇の浸水した水田の道路脇に約100メートルにわたって土のうを積み、水をせき止めた。一方、越水した水が、隣接の森の里団地に流れ込み、道路2カ所が冠水して通行できなくなった。同日午後5時時点で消防署員による排水作業が続いている。

越水した谷田川の水が流れ込み、冠水した道路から水を排水する消防署員=3日午後4時45分ごろ、つくば市森の里

市は3日午後0時30分、茎崎中とふれあいプラザの2カ所に避難所を開設。計22人が一時避難したが、午後4時以降は全員が帰宅したという。

2日から3日午前10時までに、牛久沼に流入する谷田川の茎崎橋付近で累計251ミリの雨量があり、午前11時に水位が2.50メートルに上昇、午後2時に2.54メートルまで上昇し、その後、水位の上昇は止まっている。

南消防署と茎崎分署は3日午後5時以降も、水位に対する警戒と冠水した道路の排水作業を続けている。

現場を見に来た同団地内に住む防災介助士の金栗聡さん(55)は「いつもは平穏な谷田川だが1日で急変しびっくりした。いつ何が起こってもおかしくないと痛感した」と語った。

森の里自治会の倉本茂樹会長は「43年住んでいて、谷田川が越水したのを見たのは初めて。2015年と16年に森の里団地で床下浸水があったが、その時の原因は、団地の排水ポンプが停電で動かなくなったため。その後10年ぐらいかけて停電でも動くように改修した。越水し、びっくりしている。団地内に水が来ないように堤防をかさ上げしてほしい」と話す。

谷田川を管理する県竜ケ崎工事事務所河川整備課によると、越水部分の長さは不明という。越水の原因についても「強い雨が長時間にわたって降ったが、越水した原因は調査している」と話すにとどまっている。

森の里より少し上流のつくば市若栗や房内の谷田川両岸に広がる水田は、降雨により一面が冠水した。谷田川は中央=3日午後3時30分ごろ

森の里より少し上流の同市谷田部地区では、谷田川の水位が午後になっても下がらないことから、3日夕方まで、両岸に広がる水田が冠水し、一面湖のようになった。

つくば市危機管理課によると、3日は市全体で、森の里を含め29カ所で道路が冠水したほか、倒木の被害が10件あった。

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