高校サッカー関東大会県予選の決勝が14日、ひたちなか市新光町の市総合運動公園陸上競技場で開かれた。男子は霞ケ浦が水戸啓明を3-0で破り初優勝。女子は霞ケ浦が鹿島学園に0-2で敗れ準優勝。男子の霞ケ浦と水戸啓明、女子の鹿島学園は、27日から東京都内で開催の関東大会に出場する。
無失点で勝ち上がる
霞ケ浦は前半、風上に立つ水戸啓明の攻撃をことごとく抑え、後半の3得点で一気に試合を決めた。前半はサイドから切り込んでくる相手に対し、中を切って縦をカバーリング。後半は相手が多用してきたロングボールを、ディフェンスラインがはね返し、中盤が回収、前がかりになった相手の裏をFWが狙うという戦い方で進めた。
先制は後半6分。コーナーキックでMF青野嘉寿紀が蹴ったボールを、FW吉沢友慶が頭で合わせた。2点目は21分。FW谷本一翔のスローインを青野が受け、再び谷本へ。右足のクロスが吉沢の頭にぴたりと合った。このとき相手守備陣は谷本のロングスローを警戒してゴール前に密集。スローインの周りにマークが付いていないのを突いた頭脳プレーだった。
23分の3点目は、GK根本将翼のキックから吉沢がつないだボールを、MF久保木周がドリブルで敵陣内を切り裂いてシュート。「前半にも同じような場面があり、このときもドリブルで行けそうだったので、イメージ通りに落ち着いて流し込めた。ゴール前の形にはチーム全員でこだわってきた」と久保木の振り返り。
今大会、霞ケ浦は明秀日立や東洋大牛久などの強豪を次々と撃破、無失点でトーナメントを勝ち抜けた。優勝はおろかベスト4以上に入るのも創部以来初めてという。「予選から我慢して1つ1つのチャンスをものにしてきた。関東では厳しい試合になると思うが、チームで意志統一し、セットプレーなど自分たちの得意なところで点を取りたい。県でやってきたことを出せれば勝つチャンスはあると思う」と久保木主将は話す。
女子は関東出場逃す
霞ケ浦は、前半はGK芹澤彩を中心とする堅い守備で相手の猛攻に耐えたが、後半鹿島学園に相手の勢いに飲まれた。
きっかけは選手交代。後半頭から入った相手FWの宿野部夏澄に、4分の最初のプレーで得点を許した。「相手のワントップには自分がマンマークで付いていたが、こぼれ球に前へ出たところを裏へ抜けられた。前半付いていたFWとは違って、ゴリゴリ来るタイプで寄せもうまかった」とDF井上祐実主将の振り返り。8分にはコーナーキックにFW玉井小春が右足で合わせて追加点。0-2と引き離された。
反撃に出たい霞ケ浦は16分、井上から中央でパスを受けたDF地島愛彩がゴールを狙うものの相手DFに阻まれる。25分にMF矢内杏奈が放ったボールは相手DFに当たりゴールへ向かわず、このまま試合終了を迎えた。
「もっと攻撃に持っていきたかったが、守備で押されてやりたいことが全然できなかった。選手権に向けて点の取れるチームになり、鹿島学園を倒すとともに、去年できなかった全国大会1勝を自分たちの代で果たしたい」と井上。今年は関東リーグ2部にも参戦し、去年はできなかった経験が積めているという。
竹元栄子監督は 「この5年間で守備はできるようになってきた。次の課題は一人一人がゲームの流れを読み、点を取ること。試合では練習でやったことしかできない。毎日の練習の積み重ねを大事にしていきたい」と話す。(池田充雄)