5000輪の花いかだも
ボタン、シャクヤク合わせて800種類、約6万株を栽培する「つくば牡丹園」(つくば市若栗、関浩一園長)で、ボタンが見ごろを迎えている。シャクヤクも咲き始め、色とりどりのボタンとシャクヤクが競演している。
22日には来園客が午前9時のオープン前から行列をつくった。来園客らは色とりどりの花々にカメラを向けたり香りをかいだりと、思い思いに楽しんでいた。今年は8日にオープンした。5月21日までの44日間開園する。
暖かい日が続き例年より10日ほど早く開花している。シャクヤクはゴールデンウイーク前に見ごろとなり、週末には池に5000輪以上のシャクヤクの花を浮かべる「花いかだ」を開催する予定だ。花いかだに使用するシャクヤクは近隣の農家で育てられ、市場に出す前に咲いてしまって花摘みしたもの。毎年開催しており、花いかだを楽しみにしている常連客も多いという。
同園は1989年に開園した。広さは約6ヘクタール。関園長(62)はすり鉢状で高低差のある地形を生かして開墾、植栽し、植物だけでなく昆虫や鳥、水生生物など多様な生き物が共生するビオトープ型の庭園を作り上げた。庭園となる前はスズタケなどのササが群生しており、切り開くのに苦労したと話す。土壌改良にこだわり、競走馬の馬ふんを活用した発酵堆肥を製造し園内の花作りに使用している。除草剤を使用せず、手作業で除草するなど徹底して無農薬で管理している。
一昨年はコロナ禍の影響を受け来園客は約1万7000人にとどまった。昨年は約2万6000人が来園した。
園では農作物の栽培も行っている。昨年からは発酵堆肥を用いてサツマイモ栽培を始めた。今年は初収穫したサツマイモを使用し干し芋や焼き芋、スイーツを数量限定で園内のカフェで販売している。オリジナルのシャクヤク茶も販売し、園内のテラスカフェで提供する。
園内のギャラリースペースでは日本とロシアの古道具と植物、生花を扱う店「はいいろオオカミ+花屋 西別府商店」(東京都港区)によるアート作品や、陶芸作家中村典子さんの作品展示、販売会も行っている。
22日、千葉県から訪れた30代の女性2人は「初めて来た。お花を見るのが好きで、都内などの庭園をめぐっている。ここのお花は大きくてとてもかわいい」と話した。関園長は「多様な生き物が共存共栄する巨大なビオトープになっている。花を目で見て癒され、農薬不使用の園内の空気を吸って楽しんでほしい」と来園を呼び掛けた。(田中めぐみ)
◆同園はつくば市若栗500。入園料は大人1000円。中学生以下無料。開園時間は午前9時~午後5時。詳しくは電話029-876-3660(同園)へ。