月曜日, 10月 26, 2026
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洞峰公園と「他人の顔」《映画探偵団》62

【コラム・冠木新市】白い包帯で顔をぐるぐる巻いた姿は、まるで透明人間のようだった。仕事中の事故で顔にやけどを負った主人公が、医師によって作られたプラスチック状の仮面を装着する。包帯の時と仮面を付けた時との主人公の心境変化と周囲の反応の違いを前衛的な手法で表現していく。

安部公房原作・勅使河原宏監督の「他人の顔」(1966)は、ゴシック(神秘的で幻想的な)ホラーとも近未来ものとも見える、何とも形容しがたい作品だった。

人間の体の模型やフラスコなどが飾られた、美術館や舞台セットを思わせる病室。顔を失い屈折した主人公を演じる仲代達矢。冗舌に解説する医師の平幹二郎。何か企んでいる風な瞳輝く看護婦の岸田今日子。3人の演技を見ていると、映画とも舞台ともTVともつかぬ、異空間に迷い込んだ錯覚にとらわれる。

そうそう、この作品の美術を担当したのは、後につくばセンタービルを設計する若き日の磯崎新である。

気になるグランピング反対派の沈黙

2月14日の「つくば市議会全員協議会」は記念すべき日になった。それまで、洞峰公園をめぐるやり取りは、大井川知事も五十嵐市長も議員もNHKも新聞も、「無償移管」の表現を用いていた。しかし、この日を境に「無償譲渡」となったからだ。「移管」は公園を県が所有し運営は市。「譲渡」は所有も運営も市となる。

私も含めて、このことを理解していた人はほとんどいなかったと言ってよい。洞峰公園にグランピング施設は必要ないと考えるシン・旧住民の私は、県から市への「無償譲渡亅はよかったと考える1人だ。

知事はグランピングに未練を残し「無償譲渡」を渋々決めた様子だった。しかし、つくば市区の県議は賛成なのか反対なのかはっきりしない。一方、市長は昨年からグランピング反対の狼煙(のろし)をあげ、主張を貫いた姿勢は評価できる。しかし、市議は賛成なのか反対なのかはっきりしない。

さらに気になるのは、グランピングに反対する署名活動をしたグループの沈黙である。当初の主張が実現したのはよいが、今後の公園運営にお金がかかるので、これでよかったのかどうか迷いが生じているのだろうか。

また、洞峰公園問題を他人事として見ていた周辺地域の人たちが、運営費用がかかるため「無償譲渡」に反対だと言い出しているというのだが、本当にそうかどうかは疑わしい。反対ならば、何らかの行動を起こすはずだからだ。

何はともあれ、洞峰公園問題を語る際には、ぐるぐる巻きの包帯と仮面をはずし、「他人の顔」から素顔をさらして意見表明すべきだろう。などなど、洞峰公園の野球場の青いべンチで考えた。サイコドン ハ トコヤン サノセ。(脚本家)

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