関彰商事(本社・筑西市、つくば市、関正樹社長)の創業115周年を祝う記念式典が6日、つくば市竹園のつくば国際会議場で開かれた。先端教育機構・事業構想大学院大学の田中里沙学長が「不確実な社会を生き抜くための学びとキャリアデザイン」と題して記念講演し、壇上で関正樹社長と対談した。
田中学長は講演で、SDGs(持続可能な開発目標)など安全・安心の希求や、デジタル化・リモート化の加速によるライフスタイルの変化、働き方の多様化などが進んでおり、その中で、一人ひとりの多様な幸せが実現できるウェルビーイング社会に向かっているとした。変化のスピードが速い時代には、過去の成功体験は通用しなくなり、未来を見据え、新たな価値を創出することが必要になる。社内の埋もれていた経営資源を掘り起こし、新規事業開発につなげる人材が求められており、それを可能にするのが、学び直しにより仕事に必要な能力を磨き続け、自己実現を図る「リカレント」や「リスキリング」だという。
対談でも、関彰商事は5~7年前からウェルビーイングやリカレントに取り組んでいることを評価した。これに対し関社長は「リカレントは人への投資。学ぶ機会を提供することは直接業績につながるわけではないが、会社の土台が強くなることは間違いない。ぜひ背中を押していただきたい」と応じた。
サッカー部と菅谷さんを特別表彰
式典には同社の執行部、各部門責任者、永年勤続受賞者ら計249人が参加。10年、20年、35年の永年勤続者計82人を表彰、昨年度の退職者17人に記念品が贈呈されるなどした。
特別表彰には、関彰商事サッカー部とビジネストランスフォーメーション部第2統括鹿行支店の菅谷萌衣さんが選ばれた。サッカー部は全国クラブチームサッカー選手権大会でベスト8の成績を挙げたほか、県社会人サッカーリーグ2部で優勝し、来季の1部昇格を決めた。菅谷さんは神栖市が高齢者の情報格差対策として行う「シニア向けスマホ講習会」の企画運営に携わり、地域の社会的課題解決に貢献した。
模範となる優良社員として、大木薫さん(アドバンスカーライフサービス)、佐藤智美さん(シュテルンつくば・メルセデスベンツつくば)、荒川淳子さん(セキショウライフサポート事業推進課)の3人が表彰された。
関彰商事は1908(明治41)年2月6日、燃料販売店「関彰商店」として創業。エネルギー事業を中心に生活環境設備、自動車、IT機器・システム開発など幅広い商品・サービスを手掛ける総合商社へと展開してきた。新たな取り組みとして、CO2排出削減を目指すカーボンニュートラルプロジェクト、AIを使った動作分析をスポーツや医療・福祉へ応用するスポーツアナリティクスプロジェクト、eスポーツを高齢者の機能向上に活用するウェルビーイングプロジェクトなどを、大学との共同研究により進めている。(池田充雄)