立春の4日、第18回土浦の雛まつり(市観光協会主催)が、土浦駅前通りの観光拠点の一つ、土浦まちかど蔵(同市中央)などで始まった。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となる。3月3日まで。
江戸時代や明治初期の蔵などが並ぶ旧水戸街道の中城通りを中心に、周辺の商店などが代々商家に伝わる江⼾から平成のひな人形やつるしびなを店頭に飾っている。市内108カ所の店や公共施設が参加している。
会場の一つ、土浦まちかど蔵大徳では、江戸末期から明治の名工、3代目仲秀英(なか・しゅうえい)が作ったひな人形を展示している。店蔵2階では浦島太郎や干支のうさぎをモチーフにしたひな人形などが飾り付けられた。中城通りの街並みと調和した和の雰囲気と、人形たちの個性豊かな表情を楽しむことができる。手作りのつるしびなは花や⿃や⼈形などちりめんの縁起物をひもにくくりつけて作る立体的な飾り付けで、空間を華やかに彩っている。
福祉の店ポプラ中央店(同市中央)は1階に、市内の収集家が集めたという大正時代の「八女(やめ)の箱雛」や明治末期から昭和初期の「見栄っ張り雛」など貴重なひな人形を飾った。2階には市内外の社会福祉施設などで障害者が手作りしたひな人形を展示した。
前野呉服店(同市中央)ではショーウィンドウに23年前に購入したという三段飾りのひな人形と色鮮やかな着物を飾った。店の前を通る人は歩みを止め、あでやかな飾りつけに見入っていた。
同市観光協会主任の浅川善信さんは「去年もひなまつりをやらないんですかという問い合わせがあった。親子3代で来てくれる方もいる。小さいお子さんからご年配の方までご家族でぜひ見に来て、ひな人形で元気を出してほしい」と呼び掛けた。
「和」マークの付いている店に和服で来店するとサービスやプレゼントなどの特典を受けることができる。指定されている店を回り、スタンプを4つ集めて「土浦まちかど蔵大徳」の応募箱に入れると抽選で賞品をもらえるスタンプラリーも開催する。(田中めぐみ)
◆見学は無料。期間中の土日には臨時駐車場4カ所を無料開放する。問い合わせは土浦市観光協会(電話029-824-2810)