筑波山神社(つくば市筑波、上野貞茂宮司)が、初日の出や初詣を迎える準備に忙しい。行動制限がなくなった年末年始、神社はコロナ禍前の人出が戻ってくるだろうと予想している。過去の実績から、その数、21万人から22万人と見積もられる。
神社本殿のある筑波山頂は1日、ご来光を拝む人出で早朝からごったがえす。登山客を運ぶ筑波観光鉄道(つくば市筑波)によれば、山頂からは関東でも最速の午前6時44分ごろに、鹿島灘から昇る初日の出が見られる。これに合わせ同社は、ケーブルカーもロープウェイも午前4時30分から早朝運行する。
筑波山神社の新年祭礼は、4月と11月の御座替(おざがわり)祭とともに重要な年中行事。1月1日は元旦祭、1月3日は元始(げんし)祭といって、物事のはじめの神事が行われる。神社では例年通り、神職、巫女(みこ)さん、氏子たち総出で準備を進めてきた。おみくじや破魔矢(はまや)、熊手、鏑矢(かぶらや)などの販売、お焚き上げのしたくも調えてきた。
混雑は必至、安全最優先で
行動制限は緩和されても、コロナ対策から拝殿への人数制限などは今も続く。祈祷のため拝殿に一度に入れる人数は、2020年以降1人限定だったが、23年は10人になる予定。拝殿前の一般参拝は「密」にならぬよう1列8人で誘導、その分賽銭(さいせん)箱の幅を広げて対応するそう。手水舎(ちょうずや)では柄杓(ひしゃく)を使わないなどの対策は継続される。
筑波山神社権禰宜(ごんねぎ)の八木下健司さん(59)は「一度に人が訪れると事故が起きる危険がある。特に階段が続くので、注意が必要。韓国で起きた事故を思い起こし怪我がないように万全を期したい」と語る。
大祓(おおはらい)のある大みそかの夜から三が日にかけては、県道42号(笠間つくば線)や神社付近の駐車場の混雑が予想される。駐車場は市営が4カ所約450台分あり、民間の観光施設などが用意されているとはいえ、早々に満車となり、登り口から神社まで車がつながる可能性がある。行動制限がなくなった分、さらなる混雑は必至と見られる。(榎田智司)